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TS魔女さんはだらけたい  作者: 相原涼示
137/211

閑話 風雲! 女神城!~漆~

アリサ「あいあい七日目だねぇ(*´∇`) 今日も『風雲! 女神城!』の様子を見ていくよん(’-’*)♪」

レジーナ「やれやれ(;^∀^) もう七日も経ったんだね、あっという間だなぁ(_ _)」

ミミ「そう言えば今回はレウィリリーネ様がナビするんですってぇ~ρ( ^o^)b_♪♪」

ニャモ「ああ~(・о・) レウィリ城のゲームを攻略するパートだからかしら?( ´ー`)」

モモ「ふっふぅ~♪(*´艸`*) みんなももちーの活躍にご注目下さいね~ヽ(*´∀`)ノ♪」

ネネ「もちろんだよモモ(*´∇`*) でもアリサ様、これ後どのくらい続くんです?(゜ー゜*)」

アリサ「えっとねぇ~σ(´・ε・`*) 今でだいたい半分くらいらしいよ?(^ー^)」

レジーナ「まだ半分なのかい?(*´▽`) まだまだ楽しめるね!(*´▽`*)」

ミミ「みなさんも~ヽ(*´∀`)ノ 楽しんで下さいねぇ~♪:*(〃∇〃人)*:」

────────────────────────────

【人数多い?】~組ませて落とせばいいじゃない?~

────────────────────────────


 ん。あたし、レウィリリーネ。今あなたの見てる端末にいるの。


「レウィリリーネ様~? カメラそっちじゃないよ~?」


 ……間違えた。あたし、レウィリリーネ。今あなたの……


「そのくだりはもういいから先に進もうよ?」

「むぅ。パルモーはいちいちうるさい」


 と言うわけで。みんな、こんにちは♪ レウィリリーネが今回のナビゲーター。だよ? え? 「珍しい」って? うん。アリサお姉さんはフォレアの方見てるし、アルティ姉さんは自分の所で忙しいから。ティリア姉さんは高見の見物だし。


「しょうがないでしょー? 挑戦者の数多いんだし、もたもたしてたら夜になっちゃうよ~?」

「ん、わかった。よくぞきたちょうせんしゃたちよー」


 急遽企画した『風雲! 女神城!』も第一、第二関門を経て、あたし達の城の攻略に三組にわかれた挑戦者達。このあたしのレウィリ城に乗り込んできたのは、驚きの十二人! わーたいへーん!


「ちょっとちょっとレウィリリーネ様! セリフ棒読みじゃない? 全然やる気が感じられないわ、これは楽勝かしらね?」

「油断しない方がいいわよカレン? あの子は昔からあんな感じだから」


 むむ? ちぇー。シェラザードが余計なこと言わなきゃカレンは油断して、すぐ脱落コースと思ったのに。


「それで、レウィリリーネ様。俺達はどんなゲームをクリアすればいいんだ?」

「ん。バルドはクールに見えて熱血漢。やる気の空回り注意報を発令してあげる」

「あはは。これは有難いご忠告ですね。バルドさん、気を付けましょうか?」

「注意報ありがとう御座いまーす♪ レウィリリーネ様」


 おう、あたしの小粋な返しもなんのその。おのれラグナース! 余裕とユーモアをもった大人めぇ、リールまで一緒になって……後でフォレアに言いつけてあげよう。


「あはは♪ それじゃあ僕から説明するね? このお城って『リーネ・リュール』が元になってるんだって!」


 あ、説明をパルモーに取られた……まぁ、いい。彼の言う通り、この天空城はかつての『リーネ・リュール王国』を元に、あたしが創造した物。時間がなくて細部までは創れなかったけど、それでも十分懐かしさを感じるくらいには仕上がった。

 高原に咲く花の花壇や、大地へ流れ落ちる聖水の湧く泉と豪奢な噴水。当時の空飛ぶ乗り物『魔行機』とその発着場、そして幼かった頃のリュールが遊んだシーソーって言う遊具。


「でさ、あそこ見て? 聖水の湧く泉の噴水の上に、天井みたいにずらーってシーソー並んでるでしょ? そしてその先に見えるのがゴールさ」


 そして、そのシーソーこそが今回のゲーム。聖水の湧く泉の噴水の真上。本来ならここは陽の光が差し込む吹き抜けの噴水広場になってたんだけど、今回のゲームのために、非常に不釣り合いなシーソーの天井を結構低い位置に設置した。ん、かっこ悪い。次回はもっとしっかり創ろう。


「シーソーの中心をワイヤーで吊り下げているのですね? 随分と不安定に見えますが……」

「ん。そうだよエミル? それが肝。みんなは二人一組になって、あの並んだシーソーの左右にある椅子を足場にして乗ってもらう」

「そ。並んだシーソーを足場にして、奥に見えるアーチ状のゲートまで駆け抜けて、潜ればクリアだよ!」


 んふー♪ みんな個人個人は相当強いけど、コンビネーションはどうかな? 二人の息が合わないとこのゲームは攻略できないよ?


「いいかな? 必ず二人であのゲートを潜らなきゃ駄目だよ? シーソーに乗った相方が落ちても、二人共に脱落扱いだから気を付けて? ああ、当然魔法の使用は禁止ね?」

「題して、『二人の絆』。ルール理解した? 誰と誰が組むかは自由。じっくり話し合って決めて……あ、駄目。やっぱり五分以内で」


 ふふふ、これぞ人数の多い場合に備えて考えていたゲーム!


「なるほど、ここで一気に人数を絞ろうと言うことですわね?」


 ……セレスティーナに一瞬で見抜かれた。この子は神の心も読めるの?


「……いや、誰でもわかるってレウィリリーネ。あからさまじゃないか?」

「むぅ。後四分、ほら? 早くしないとみんな脱落だよ?」


 まさかアホの代名詞のルヴィアスにまでバレちゃうとは……悔しいので急がせてあげよう。


「ちょっとーこーてーへーかぁ~? 余計なこと言わないで下さい! 粉砕しますよぉ?」

「まぁまぁ! モモさん、今は早く二人一組にわかれましょうよ?」

「ははは! エミルの言う通りだ! 私は当然カインと組むぞ? 恋人同士だからな!」

「ゆ、ゆかりさん! う、嬉しいけど、少し恥ずかしいですよ~!?」


 ん。エミルめ、余計な事を。そのまま放って置けばモモに『粉☆砕!』されて、ルヴィアスが脱落したのに……ゆかりとカインはもう少し人目をはばかってイチャイチャしてほしいな……付き合いたてのバカップルはこれだから……


「よし、それならミュンルーカ。『黒狼』同士で組もうか?」

「えっ!? 嫌ですよ? バルドと組んだらセラに怒られちゃいますもん! モモちゃーん! ワタシと組みましょう?」

「いいですよミュンミュン♪ 同じ『僧侶(クレリック)』同士、仲良く行きましょう!」


ワアァァーッ!! やぁーい! フラれてやんの色男ぉーっ! YHAAAーッ!!


「さてさてぇーっ! レウィリ城の攻略の様子を見てみればなぁーんとぉーっ! 『黒狼』のリーダー、バルドがミュンルーカにフラれている現場を直撃だぁぁーっ!! いいぞいいぞぉーっ! イケメンは滅んでしまえぇーっ!?」


 うぷぷ♪ まさか断られるとは思っていなかったのか、バルドのポカーンとした呆け面が笑いを誘うね? しかも丁度実況が入って観衆にも晒される始末♪ さて、他にはどんなペアが作られるんだろ? ちょっと楽しみになってきた。


────────────────────────────

【むぅ。おのれ】~いきなり二組が~

────────────────────────────


「さぁぁーっ! レウィリ城攻略の最初のゲーム! 『二人の絆』! その名の通り、二人一組で挑まなければならないこのゲェェームッ! 攻略メンバーは一体どんなペア組をしたか見て行こうぜぇぇーっ!!」


ワアァァーッ!! 楽しみだぁぁーっ!!


「先ずはこの二人だぁぁーっ!! 回復なんて敵を粉砕しながらすればいいんですーっ! ももちぃぃーっ!」


ワアァァァァーッ!! モモちゃーん!! 可愛いぃーっ!! 俺も粉砕してくれぇーっ!


「栄えはしないけど地道な努力で頑張ってきたんですよぉ~♪ ミュンルゥゥーカァァーッ!!」


ウオオォォーッ!! 正統派『僧侶(クレリック)』ゥゥーッ!! 俺達も癒されてぇぇーッ!!


 むぅ凄い人気。みんな『僧侶(クレリック)』が好きなのか? それとも単に可愛い女の子だから好きなのか? どっちでもいいけど、このペアが最初の挑戦者だね。


「よーし! じゃあ二人とも準備いいかい? 上手く息を合わせて向こうのゲートにたどり着くんだ。落ちちゃうと聖水の泉にボッチャーン! 水浸し~のそのまま流されて脱落だぁ♪」


 うん。さっき大地に流れ落ちるって言ったもん。そのまま会場まで流されてね?


「よぉぉーいっ!! スタァァートッ!!」

「行くですよミュンミュン♪」「おっけぇでーす!」

「さぁぁーっ始まったぞぉーっ! この二人の『僧侶(クレリック)』は無事にゴールゲートを潜れるかぁぁーっ!?」


タァーンッ! タタァーンッ!!


 むむっ!! 流石は仲良し『僧侶(クレリック)』コンビ! 息がピッタリだ! これはクリアされちゃうかな?


タタァーンッ! ズルッ!!


「きゃあっ!!」「うわわっ!!」


ギィーゴォーギィーゴォーッ……


「あああ、あぶなぁぁーいっ!? ミュンルーカ、僅かに遅れ焦りが出たかぁぁーっ!? 足を滑らせてしまったぁぁーっ! しかぁぁーしっ! 踏み止まっているぅーっ!!」


うわあぁぁーっ!? こえぇぇーっ! シーソーがめちゃくちゃ揺れてやがるぞぉーっ!?


 おー。よく耐えたね? 普通なら落ちても不思議じゃないのに……シーソーがミュンルーカの方に傾いているのは……うん。言っちゃいけないことだね? うん。


「ちちっ! 違いますよぉーっ!? これは身長差のせいですからぁぁーっ!? ほら! モモちゃん小さくて可愛いからぁーっ!!」


 ……折角言わずにいてあげてるのに、どうして自分から言っちゃうのかな? シーソーの端で座ってバランスを取ってるミュンルーカが涙目で一生懸命言い訳する姿は実に見苦しい。


「ミュンミュン! 騒いでないでせーのでジャンプです! ゴールは目の前ですよぉ!?」

「は、はいーっ! 今こそ訓練の成果を見せますぅーっ!」


せぇーのぉぉーっ!! タァァーンッ!!


「飛んだぁーっ!! 二人共に見事な跳躍だぁぁーっ! これは起死回生なるかぁーっ!?」


ウオオォォーッ! すげぇぇーっ! タイミングに力加減、角度まで完璧じゃねぇかっ!?


 わぁぁーっ!? これはヤバい……むぅぅっ!


「よぉーし! 復活! ふっかぁぁーつです!」

「とーぜんですよぉ~ももちー達は『僧侶(クレリック)』ぅーっ! 回復はお手のものでぇす!!」


タンッ! タンッ! タタァーンッ!!


「ゴォォールゥゥーッ! お見事! モモ、ミュンルーカペア! 見事な絆でこの難関を乗り越えたぁーっ!」


ワアァァァーッッ!! おめでとぉぉぉーっ!! 凄かったぜぇぇーっ!!


 ぱちぱちぱち~うむむ……中々やるね? まぁ、まだ始めの二人。焦ることないや。さぁ、次のペアは誰と誰かな?


「やりますねお二人とも!」「次は私達が続くぞ!」

「次なる挑戦者が立ち上がるぅーっ! お付き合いを始めたばかりの熱々カップル! ご存知『天馬(ペガサス)』カイーンッ!! そしてぇぇーっ! 『懐刀』の旧友! 『黒竜』ゆかぁーり様だぁぁーっ!! 二人共に『人化の術』で人の姿! なんて美男美女だぁぁーっ!?」


 うぅっ!? ゆかいん! この二人は無理! こんなシーソーじゃ止められそうにない! だって、訓練の時もずっと一緒で、普段から息もピッタリなんだもん!


タンッ! タンッ!タンッタンッタンッタァァーンッ!!


うっひゃあぁぁーっ!? すげぇ安定感!! どうやったらそんなにピッタリな動きができるぅーっ!?


「す、すす、凄まじいぃぃーっ!! なんなんだぁーっ今のはぁーっ!? まるで一対の翼の如し全く同じ動きであっという間にクリアだぁぁーっ!!」

「やりました! やりましたよゆかりさん!」「ああ! 私達にかかればこんなもんだ!」


パチィーンッ☆


 あぁぁ~ほらぁーっ!? やっぱりぃ~! もぅ仕方ない……次行こう次! ハイタッチなんてして浮かれちゃってるあの二人は置いといて次~!


────────────────────────────

【ねぇ? 今どんな気持ち~】~ねぇねぇ~?~

────────────────────────────


「じゃあ次は私達ね?」「頑張りましょうシェラザード様♪」

「どんどん行こうぜぇーっ! 次なる挑戦者はシェラザード様とリールの二人だぁぁーっ! いつの間にそんなに仲良くなったんだぁぁーっ!?」


 司会エルフの質問にお互い顔を見合わせてフフって笑うシェラザードとリール。この二人に加えて、フォーネも『編み物仲間』として意気投合したらしいよ? たまにそこにアリサお姉さんも交ざって練習してた。


わぁぁーっ!! 二人とも頑張れぇぇーっ!


「さぁーっ! 観衆の熱い声援を受けて二人がシーソーに飛び乗ったぁーっ!」

「うわっ! 結構揺れますよこれ!?」「焦らず慎重に行きましょうリール!」


せぇーのっ! タァーンッ!


「いいわよ! この調子ね!」「はい!」


 ふふん……如何にも慎重なせいかくのシェラザードらしい進み方だけどね、下の聖水の泉にある噴水が見えないかな? あんまりもたもたしてると……


プシャアァァァーッ!!


「ええっ!? キャアァァーッ!?」

「シェラザード様!? あっ! わあぁぁぁーっ!?」

「おおっとぉぉーっ!? 慎重に慎重に進むシェラザード様とリールペア! 噴水の噴き上げに驚いたシェラザード様が足をもつれさせ転落ぅーっ!! バランスが一気に傾いたシーソーの衝動でリールまで落下したぁーっ!!」


ザッバァァーンッ!!


 はい。二人脱落~♪ ふふふ、強敵のシェラザードがここで落ちたのはあたし達にとっても大きい成果。あたし大金星♪


「残念んーっ! 脱落ぅーっ!!」

「ぷはぁっ! ご、ごめんなさいリール! 大丈夫!?」

「はぁっ! あはは! びっくりしましたけど大丈夫です!」


うおぉぉーっ! なんてことだぁぁーっ!? 可愛い子と美人なお姉さんがぁぁーっ! 女神様のひとでなしぃぃーっ!!


 ……ちょっとギャラリーうるさい。リールとシェラザードは、「悔しいけど面白かったわね?」とか、「次は最後まで残りたいです!」とか、悔しがりつつも仲良さそうでなにより。他の応援団と合流して、のんびり観戦してもらおう。


「さぁ、今度は俺達の出番だ。行こうかラグナースくん?」

「ええ。参りましょうルヴィアス陛下!」


 おー? 今度はルヴィアスとラグナースなんだ? ちょっと意外。ルヴィアスはてっきり近衛のカレンと組むと思ってたのに。まぁ、どちらにせよあたしはただ見守るのみだ。


「ジャンジャン行こうーっ! 次に挑むのは『ルヴィアス魔導帝国』の皇帝陛下!! あんた仕事はいいのかぁーっ!? そして、かの前回の覇者、レイリーアの自慢! ダーリンラグナースだぁぁーっ!!」


ブーブー!! イケメンがぁーっ! 上澄みで踊りやがって! くそがぁぁーっ!!

きゃぁーっ!! 二人共かっこいいぃーっ!! 頑張ってぇぇーっ!


 ……こうもくっきりブーイングと声援にわかれるのもまた珍しい。


「おいおい? 俺これでも皇帝だし、魔王でもあるんだけどぉーっ!?」

「ふふ、『聖域』の皆さんにとってはその肩書きもあまり意味を成さないようですね?」


 それはそうだ。何処かの国の王だろうと、あたし達にはあんまり関係ないし、魔王だって言っても、ルヴィアスが害を成さないってわかってるから、やっぱりあんまり意味はない。


「まぁいい! さぁ、行こうラグナースくん! 皇帝で魔王なのは伊達じゃないって観衆に教えてやらねばね!」

「ええ、頑張りましょう!」

「さぁ、今皇帝と商人がスタートを切ったぁーっ! 見事クリアして皇帝としての威厳を皆に知らしめるのかルヴィアスゥゥーッ!」


ズルゥッ! えっ!?


「おわあぁぁぁーっ!? うそだろぉぉーっ!?」「ルヴィアス様ぁぁーっ!」


えーっ!? マジかよぉぉーっ!? ヒュュゥゥーッボッチャァァーンッ!!


「脱落ぅぅーっ!! なんと偉大な魔王で皇帝陛下ぁーっ! 初めの一歩から足を滑らせ、あえなく落下ぁぁーっ! さっきの口上はなんだったのかぁぁーっ!?」


 プッフーッ! ねぇ~ルヴィアス今どんな気持ちぃ~? あれだけ啖呵切っておいて最速で脱落した皇帝様ぁ~♪ 今どんな気持ちなのか教えてぇ~♪ プフー!


「……なんて情けない、この愚帝ーっ! なにしてんのよぉーっ!?」

「おいたわしや陛下……プッ!」

「この結果には近衛のカレンも激おこだぁぁーっ! セレスティーナも笑いを噛み殺すのに必死ぃーっ!」


ザバァァーッ!!


「ヤダヤダーッ! 今のナシ今のナシィーッ! もっかいもっかいやらせてぇぇーっ!?」


 おお! 皇帝よ、なんて見苦しい! そんなにバシャバシャして子供みたいだ。当然そんなの認められないので次行こうね?


「もーっ! 帝国の恥だわ! 行きましょうセレスティーナ様! クリアして帝国の汚名をそそがなければ!」

「ま、待ってカレンさんっぷぷっ! うふふっ!」

「さぁーっ! 次なる挑戦者はあまりに情けない皇帝の尻拭いと言わんばかりに、カレンが立ち上がるぅーっ! その相方を務めるのはセレスティーナだぁぁーっ!! しかぁぁーしっ! 笑いを堪えている! 大丈夫かぁーっ!?」


 ちょっとセレスティーナ様しっかりして下さい! って、今も頑張ってこみあげる笑いを押し殺そうとしているセレスティーナに声をかけてるけど……むふぅ~♪ あのアホぽんはいい仕事したね。


────────────────────────────

【あたしすごい♪】~強敵、続々落ちる!~

────────────────────────────


「あ~れぇぇ~っ!?」「セレスティーナ様ぁぁーっ!」


ボッチャーンッ!!


「脱落ぅぅーっ!! カレンとセレスティーナペア脱落だぁぁーっ!! 挑戦するまで笑いを堪えられなかったセレスティーナ! 足を踏み外し笑顔で泉に落ちたぁぁーっ!」


ワハハハハーッ!! 今回最高の笑顔だったぁぁーっ! いいぞいいぞぉーっ!!


「なんだよ~? お前だって脱落じゃんカレン~♪」

「あ、あんたのせいでしょーがぁぁっ!?」

「あはははっ!! 楽しいですわねぇ~♪ ホラホラお二人とも喧嘩はいけませんよ? うふふっ!」


 やった! むふふ♪ あたし凄い! シェラザードに続いてルヴィアスまでも落とした! 大金星どころか超金星! MVPと言ってもいいのでは?


「さぁっさぁっさぁーっ!! 次がラストだ! 『セリアベール』が誇るSランク! 『黒狼』がリーダー! バルドぉーっ! そしてぇぇーっ! いつもゼオンに無茶振りされる苦労人! エミール!!」


 むっふ。もうラスト? あっという間だね、バルドはともかく、エミルは一般エルフだ。いや、別に一般の者でも挑戦できるように調整はしてあるけど、どうなるだろう? ティリア姉さんもなんか注目してるみたいだし、あたしも気にしておこうかな?


「エミル。好きに飛び乗って見てくれ、俺は出来る限り合わせよう」

「ああ、すみませんバルドさん。この状況で相手に合わせる余裕は僕にはありませんから……助かりますよ?」


 確か『セリアベール』の冒険者ギルドのサブマスターだっけ? ゼオンとも昔『誉』ってパーティー組んで色々と各地を旅していたらしいけどね?


「さぁーっ! スタートだぁ! おっとエミルが先んじたぞぉーっ! バルドやや遅れてシーソーに飛び乗るーっ!」


おおおぉぉ~っ! 上手い! スピードで少し遅れた分合わせやがった!


「それだけじゃないぞぉぉーっ!? エミルが乗ることで傾く筈のシーソーをタイミングを合わせることで、完全に平行を保たせているぅーっ!!」

「流石ですバルドさん! これなら安心して進めますよ!」

「ああ! タイミング、速度。大体把握した! どんどん行くぞ!」


タァーンッタンッ! タァーンッタンッ!


 うむむっ!? エミルが飛んでバルドが飛ぶ、エミルが着地した瞬間刹那の間を空けてバルドが着地、そしてまたすぐにエミルが飛んで、と……これは凄い! バルドってあんなに器用だったんだ!?


「見事ぉーっ! 終始バランスのとれた安定したムーヴを見せ付けたバルドエミルペアぁぁーっ! 今見事にゴォォールッッ! 普段豪快に大剣を振り回すバルドぉーっ! まさかこれほど器用な真似が出来るとは誰が予想できたでしょうかぁぁーっ!!」


ウオオォォーッ!! すげぇぞバルドぉーっ! エミルも頑張ったぁぁーっ!!


 おー! ぱちぱちぱち~二人共やるね。迷わずバルドを信じて進んだエミルも、しっかり合わせたバルドも両方凄い。お互いに信用し合わなきゃこうも見事なコンビネーションは成し得ないだろう。ん。『セリアベール』で築いた信頼関係があってこそだね。


「はい! みんなお疲れ様! いやぁ~面白かったよ! 僕も今度は参加したいなぁ~♪」

「ん。お見事。あたしの城の第一ゲームはこれで終了。続いて第二ゲーム」


 うん。あたしもパルモーも見てて楽しいゲームだった。続けて、次のゲームに移るけど……今回クリアした挑戦者は何人になった?


「ではここで、この『二人の絆』をクリアした挑戦者達を見ていくぜぇぇーっ! まずはモモとミュンルーカ! 一度危ういところだったのを起死回生した二人だぁぁーっ!」


わぁぁーっ! ももちーももちー♪ ミュンルーカぁぁーっ!!


「はーい♪ みんなのももちーですよぉ~♪ 『粉☆砕!』されたい人はいつでもおいでませ?」

「応援ありがとぉ~みなさーん! 次も頑張りますねぇ~♪」


 うむぅ~この子達は人気者だね? 観衆も嬉しそうに鼻の下伸ばしてる。


「そして余裕の勝利! 今最もホットな二人! ゆかいんカップルゥゥーッ!! 完璧に息が合ったその歩みはまさに比翼連理ぃーっ!!」


ウオオォォーッ!! ゆかいーんっ! 凄かったぞぉーっ! 次も頑張ってくれーっ!!


「有り難う御座います皆さん! これもゆかりさんと皆さんの応援のお陰です!」

「うんうん! 中々面白いゲームだな! このまま最後まで残ってアリサ様をお救いするぞ!」


 カインは何処に行っても礼儀正しいいい子だね。観衆の声にもしっかりお礼してる♪ ゆかりはカインとは勿論だけど、こうしてみんなと一緒にワイワイ騒ぐのが楽しいみたい。竜種は結構単独でいることが多いから、こういうのは新鮮に映るのかな?


「そしてぇぇーっ! つい先程見事なコンビネーションを見せてくれたバルドエミルペアだぁぁーっ!!」


ワアァァァーッッ!! 頑張れ『黒狼』! 頑張れバルド! 頑張れエミル! 頑張れ『セリアベール』ゥゥーッ!!


「おお、なんてありがたい応援でしょう! 有り難う皆さん! 『セリアベール』の一員として頑張ります!!」

「ふふ、粋な応援に感謝する! 『黒狼』がバルド! 全力でこの城を攻略しよう!」


 観衆達。ひいては『聖域』の住人達も『セリアベール』にはとっても好感を抱いているのがよくわかる素敵な応援だ。これにはエミルもバルドも嬉しそうに微笑んでいる。

 しかし……むふぅん♪ そんな穏やかな空気もこれまでだよ? 次のゲームはパワーアップして帰ってきたアレだからね!


────────────────────────────

【怒られちゃった……】~ごはんタイム~

────────────────────────────


「よくぞ来た……姫君達を救わんと立ち上がりし勇士達よ! だが、貴様達の進撃はここで終わる。この『四神』! 『真・青龍』たる我! 爽矢が案内する関門によってなぁーっ!?」


ズガガガァァーッ!! ゴロゴロピッシャアァァーンッ!! バチバチィッ!!


「うおぉぉーっ!? な、なんと言う、なんと言う圧倒的な恐怖っ!! 演出とわかっていても尚恐ろしいぃぃーっ!!」


 あたしの城の城内を、生き残った挑戦者と進み、次のゲームのステージにたどり着く。そこでみんなを待ち受けていたのは爽矢。彼がにょろろんと縦方向に龍の姿で佇める広さのこのステージこそが第二ゲームの舞台、中庭だ。

 局所的にどんよりとした曇り空に蒼白い光の線が疾り、続く雷鳴の轟音。そんな中空に白く発光しつつ、時折身体中にスパークが弾ける巨大な龍が挑戦者達を見下ろす。その姿は知らない者が見たらさぞや恐ろしいものに映る事だろう。


ガクガクガクッ!! こここ、怖ぇぇーっ!! 怖すぎんだろ爽矢様あぁぁーっ!?

ブルブルブルッ!! そそ、そうだぁーっ! ここ、子供が見たら泣くぞぉーっ!? 俺達も泣きそうだぁぁーっ!


「黙れぇぇーぃっ木っ端共ぉぉーっ! 我は今猛烈に腹が減って減って減りすぎて気が立っておるのだ!! 早く飯を食わせんかぁーっ!?」

「ちょっとぉ~レウィリ~? なんか大地が内緒で待機中でご飯食べられてないって文句言ってるわよーって、うわぁ~!? そっちは爽矢がキレてんじゃないのよ!」


 あ、これはヤバい……あうぅ、タイミング悪く観衆に怒鳴る爽矢と事情を知ったアリサお姉さんが映像通信(ライブモニター)を飛ばして来ちゃった。大変だ、二人に怒られちゃうよ!


「おぉアリサ殿! 聞いて下されこの女神達の所業を!」

「うんうん。手伝ってあげてるのにご飯用意してもらえてないんだよね? この分だと朱美に水菜も『懐刀』達に『聖魔霊』もそうなんでしょう? レウィリ? あんた達後でみっちりお説教してあげるからね?」


 や、ヤダーッ!? って叫びたい……声を大にして叫びたい! だけどそれやっちゃうと、ご飯抜きにされちゃう! うぅ、仕方ない。確かに爽矢達のご飯用意するの忘れてたのは事実だから素直に反省しよう、トホホ……


「あはは! さしものレウィリリーネ様達もアリサ様にはかなわないんですねぇ~♪」

「ふふ、食を握られては逆らえんか。そう言えばパルモーも食べていないのだろう? 大丈夫か?」

「あっはっは♪ 僕はこんなこともあろうかと『ご自由にクッキー』とか色々と懐に忍ばせておいたからね!」


 むむぅ! 笑わないでミュンルーカにバルドも! そしてパルモーは狡い! こんなこともって何?


「実際に我が腹を減らしているであろうが?」


 あぅ……そうだった。


「まぁよい! 我が案内するは……なんだったか?」

「むぅ。『帰ってきたレウィリリーネ海峡!』だって何度も言った……」

「である! 見るがいい」


 爽矢はしょりすぎ……ちゃんとゲーム名くらい言ってよ?


「おぉぉーっ!? これはぁぁーっ! 海峡だぁぁーっ! 前回にあったあの『レウィリリーネ海峡』が見るからにパワーアップして帰ってきたぁぁーっ!」


うわぁぁーっ! すげぇ! 勾配がついてやがる上に長えぇーっ!


 ふっふっふ。その通り……前回はアイギスにあまりにもあっさりと攻略されちゃったから、悔しくていっぱい改造した!


「爽矢様お待たせ致しましたぁ~♪ アリサ様とユニ様お手製の惣菜パンでーす!」

「来たかぁっ! 待っておったぞ!」


 って、裏口から『使用人部隊』のメイドが一人、大きな籠にどっさりとパンを入れて入って来ては爽矢の目の前に「どっこらっしょ」ってした! 惣菜パンって何!? あ、あたしも食べてみたいんだけど……!


「うふふっ! とても凛々しいお姿ですけれど、こちらは人のお姿になられてお召しになった方がより美味しく頂けますよ? とのアリサ様からの御進言で御座います♪ それでは、またお持ち致しますのでごゆるりとどうぞ~♪」


 おお、そう言う事ならば! って早速人の姿をとった爽矢はその惣菜パンを食べ始める……あの、ゲームの説明、途中なんだけど?


「おぉぉっ! これは焼きそばを挟んだパンであるな! こちらはコロッケか!」

「おぉ美味しそうですよぉ~! 爽矢さんももちーにもおひとつ下さいませんかぁ~?」

「あーっ! 僕もほしいほしいーっ!」


 ちょっとちょっと! モモとパルモーまで! あたしも食べたいのに! 我慢してるのに!?


「はぁ~こんな食べ方もあるんですね? 手に直接持ってかぶりつくのは貴族とかには敬遠されそうですけど」

「俺達のような冒険者にはうってつけかもしれん。旅の道中でも手軽に食えそうだしな!」

「おいおいお前達。これは散々待たされた爽矢のためにって、アリサ様が用意したんだぞ?」

「確かに美味しそうですけど、まじまじと見ていたら爽矢様も食べづらいでしょう?」


 ……エミルにバルドも、ゆかりにカインも集まって爽矢が食べてるパンに興味津々。これは落ち着くまでゲームの開始は無理そうだね……


「えっへっへー! ワタシ達の分もお願いしちゃいましたーっ!」


おぉーっ! ナイスだミュンルーカ♪


 って、集まって来た挑戦者の中にミュンルーカの姿がないと思えば、いつの間にかアリサお姉さんに追加注文してたの? う~ん、これはちょっと休憩してご飯タイムだねぇ……

爽矢「まったくこの女神共には困ったものだ!( `д´)」

パルモー「もう少し早くアリサ様に相談しておけば、余裕持って準備できたんじゃありませんか?(;^∀^) って、言ってますよレウィリリーネ様?( ´ー`)」

レウィリリーネ「ん(_ _) 反省してるごめん(。-人-。)」

ゆかり「とか言って本当に反省しているのか?(´・ω・`; ) どうもお前はわかりづらいぞ?(;´д`)」

カイン「レウィリリーネ様は掴み所のない御方ですからね~( ̄▽ ̄;)」

ミュンルーカ「反省はしても後悔はしていない!( `Д´)/ ってとこですよね?:*(〃∇〃人)*:」

レウィリリーネ「そう(´・∀・`) 楽しければそれでよかろうなのだ~ヽ(・∀・)ノ」

バルド「ふふ、神も本当に俺達と変わらないということだな(´・∀・`)」

エミル「僕達と同じ目線に立って頂けるのはとてもありがたいですよね(*´∇`*)」

モモ「ももちーは女神様達とこんなお友達感覚でお付き合いできるなんて、思ってもみませんでしたよ(;´∀`)」

ミュンルーカ「ワタシ達『僧侶』にとって女神様は崇拝する対称ですからね(;^∀^) モモちゃんの気持ちはすごくわかります(^-^)」

爽矢「コヤツを崇拝だと?(゜Д゜;) ふはははっ!(*≧∀≦) やめておけやめておけ!(-∀-) 振り回されて疲れるだけだぞ?(*`▽´*)」

パルモー「あはは♪(^∇^) 結構その場の思い付きで行動したりするもんね女神様達って♪(((*≧艸≦)ププッ」

レウィリリーネ「ングング♪( ´ー`) マヨコーン超美味しい!ヽ( ̄▽ ̄)ノ」

みんな「自由だなぁ~(゜∀゜;)」

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