閑話 風雲! 女神城!~陸~
アリサ「いやぁ~ヽ(´∀`)ノ 今日で六日目だよ、あっという間だねぇ( ´ー`)」
ルヴィアス「いやだぁ~(T^T) 帰りたくないぃぃ~(つд⊂)」
カレン「あんたねぇ~(#゜Д゜)」
バロード「子供みたいにわがまま言わないで下さいよ?(;´Д`)」
オルファ「アリサ様からもなんとか言ってやって下さい!ヽ( `Д´)ノ」
アリサ「なんだね?(  ̄- ̄) どったのこのアホっぺは?(゜∀゜)」
カレン「この愚帝ったら、帝国戻って仕事したくないって馬鹿抜かすのよアリサ様!(#゜Д゜)ノ」
ルヴィアス「だってぇ~(*T^T) 折角の休み終わっちゃうんだもん!ヽ(`ω´)ノ」
バロード「しょうがないだろそんなの!(゜Д゜;) 私だってもっとダラダラしたいってのに!?ヽ(゜Д゜)ノ」
オルファ「まー(´・ω・`; ) 帰ったら仕事山積みになってそうだし((゜□゜;)) 僕も気持ちはわかるんだけど……(´д`|||)」
アリサ「あー(・о・) 月曜病を患ったか(゜∀゜;) こっちの世界でもそんなの聞きたくなかったわ(-_-;)」
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【難関を抜けて】~次なるゲーム~
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「しまった! きゃあぁぁーっ!!」
ズルゥッ! ドッボォォーンッ!!
「脱落ぅぅーっ! シェリー脱落だぁぁーっ!」
滑る足場につかまって、派手にスッ転んだシェリーが……
「オウッオーゥ♪」「えぇっ!? ちょっと嘘だろぉーっ!?」
ドーンッ!! ザッバァァーンッ!!
「バロードーッ! 脱落ぅぅーっ!!」
まさかのセルキーの抱き付き攻撃に戸惑ったバロードくんが脱落。
はい。みなさんこんにちは♪ アリサです。今日も引き続き『風雲! 女神城!』の様子をお届けしていきますよ~♪
フォレア城に乗り込んで攻略を開始したレイリーア達挑戦者七名。最初から難関の『フォレア池』に挑むこととなり、まずはレイリーアとアリスが初参加のみんなにお手本となるプレイを見せてクリアした。しかし、仕掛人のフォレアルーネと、妖精達も黙っておらず、滑りやすい足場を増やしてきたり、水上で踊るセルキーが突如抱き付いてきたりと、中々妨害にもバリエーションを出してきたのだ!
「惜しかったなシェリー殿。今少しであったものを……」
「ぷはぁっ! いえ、ガルディング様。私の油断でした……あと一歩と言うところで気が弛んでしまいました」
「何やってんのバロードくぅん? しょうがないんだから! セルキーちゃんと一緒にダイブする事ないのにーっ! ぷふーっ♪」
「うぐぐ、悔しいです! もう一回挑戦したい!」
ガルディング様がシェリーを、ミミがバロードくんをそれぞれ池から引き上げて、各々に声をかけてあげている。例によって私はオプションを飛ばし、脱落した二人の汚れを落とし、服を乾かして温めてあげた。
「終了ーっ! これにて『フォレア池』のチャレンジ終了だぁっ! いやぁ~中々見応えのあるゲームでした! レイリーアとアリス様は勿論、ビット氏の『邪魔すれば斬る!』と言う鬼気迫る気迫は凄まじかった!」
「ミミは流石でしたね。踊り子だけあって、不安定な足場も水柱もなんのそのって感じでした」
「ははっ! 一緒にセルキーと踊ってやがったもんな。それよか俺はアイギスの父ちゃんにビックリしたぜ?」
「ああ……まさか、一度も……ジャンプなし、水柱すら僅かな隙間を、通り抜け……俺に、あんな芸当は、できん……」
司会のエルフに、応援してたネネ、ゼルワ、デュアードくんがこのゲームを振り返り、クリアした人をそれぞれに称えている。難関の『フォレア池』を攻略したのは五名だ。レイリーアとアリス。続くミミは終始踊りながら流れるように、ビットは手にした剣で水柱すらぶった斬り、ガルディング様はまるで散歩するかのように不思議な歩方でクリアー!
惜しくも脱落したシェリーとバロードくんは応援団と合流する事になるね。
「はぁ~見てる分にも面白ぇけど、やっぱ体が疼くぜー! くっそぅ~もっかい挑戦してぇなぁ~?」
「あはは♪ 気持ちはわかるけど我慢我慢だよセラちゃん! じっくり見て次に活かそうよ?」
ワァーッワァーッ! って盛り上がる会場のテンションと仲間達の奮闘する様子を見てセラちゃんがそわそわしてるんだけど、フォーネの説得で「仕方ねぇ!」って我慢の子になる。うん、偉いね! 次回があるかどうかはわかんないけど、見るのもまたいい勉強になるんじゃないかな?
「うぬぬっ! や、やるじゃんみんな! 正直こんなにクリアされるとは思わなかったよ!? しかぁーしっ! 次のゲームは初のお披露目だかんね! フフフ、覚悟せぃ!」
おーおー、フォレアルーネってばめっちゃ悔しがっておるわ。どこぞの組織の三流幹部みたいなセリフを吐きおってからに♪
フォレアルーネに案内されて、城内に入る挑戦者達。ふむ、次のゲームは室内で行われるのかね?
「よぉーっ! やっと来たなお前ら! 待ちくたびれたぜ? あ、姐御。俺にもなんか食いもんくれぇ~登場するまで内緒だとかこの女神が言いやがってよぉ……腹へって仕方ねぇぜ!」
みんなを待ち構えていたのは大地。あんたも姿見えなかったけど、今までご飯食べてなかったの? そりゃかわいそうに……後で妹達には文句言っとくよ。
「アリサおねぇちゃん。丁度パンが焼き上がったよ~?」
「お、そりゃナイスタイミング♪ 焼きそばパンとかコロッケパンって言った惣菜パンにしようか? 大地はどっちも好きでしょ?」
「ありがてぇ! 是非頼むぜ! ったくよぉ~待機させんならメシくらい用意しといてくれよフォレアルーネ?」
「あはは~♪ ごめんごめん! アリサ姉~レウィリ姉とアルティ姉にティリア姉のとこにもおねがーい!」
あいあい、まったくしょうがないわねぇ? 他の妹達のとこにも『四神』と『懐刀』、『聖魔霊』達がお腹空かせてるんだろう? 沢山作って運んでもらわないとね!
「ふぅ、やっと食事にありつけますね……私もずっと待たされて空腹ですわ……」
「段取りがなってねぇっての……まぁ、結構急な開催だってのはわかるけどよぉ~?」
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【モコプーキャッチ!】~惣菜パンは美味しい♪~
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「……それでネヴュラさん、大地さん? 次のゲームはどんな内容なのかしら?」
「応。それはな、モグッ! うめぇなこのコロッケパン! 見ての通りこの城の中って手抜き工事だろ?」
「手抜きじゃないやい! 時間なかっただけだよ!」
モグモグと私達の作った惣菜パンを美味しそうに食べるネヴュラと大地に、レイリーアが次のゲームの内容を聞くと、大地がコロッケパンを食べながら、城内を指差した。ぶっちゃけ何もない。立派に見えたのは外面だけだったようだね。そこを指摘されてプリプリ怒るフォレアルーネは言い訳してるけども、まぁ、きっと飽きたんだろう。
「うふふ♪ 折角の広い空間ですから、それを利用して楽しいゲームをご用意しておりますの」
「はははっ! そのゲームってな、ズバリ!」
「ふっふーっ! 『モコプーキャッチ!』だよぉ~ん♪」
モコプーキャッチーっ!? なんだそりゃぁ? 新しいゲームだな! どんな内容なんだ!?
あれま、随分可愛らしい名前のゲームだね? 一体どんななんだろ、モコプーって名前が入ってるからエスペルが出てくるのかな?
「んじゃ、説明すんぜ? ほら、ちっと前に姐御が保護したモコプーの家族がいんだろ?」
「あー『聖域』のお屋敷でぷっぷー言ってるかわいこちゃん達でっすねぇ?」
「たまにお昼寝してるユニちゃんのお腹に乗って、「重いよぅ~」って唸らせてる子達よね?」
やだぁ~レイリーアちゃん恥ずかしいから言わないで! って、隣のユニが赤面して訴えてるけど……うむ。可愛いから口を挟むまい。
大地の言ったモコプー家族は確かに、以前エスペルに頼まれて私が保護をした。今やみんなと寝食を共にする大事な家族の一員である……早朝に私のベッドに乗って来るのは勘弁願いたいのだけれど。
「応。そのモコプー達も一緒に遊びてぇらしくてな? 仕掛人の仲間入りってわけよ! ほら、お前らはこれを着ろ」
「だ、大地殿……こ、これは……」
「ふはは! なんとも愛らしい着ぐるみですな! どれ、それでは遠慮なく」
おーあれはモコプーの着ぐるみだね! 私とユニ、アリアもたまに着て一緒になっておねんねしたりしたよ♪ あったかいんだよねアレ♪ でもさすがにビットくんは戸惑いを隠せないみたいだ、騎士があんな動きづらそうな服を着るのは受け入れがたいのだろう。逆にノリノリで着るのが、ガルディング様。結構お茶目なとこあるんだよね♪
(同朋達もそろそろ飛び立つ時期なのですよ~♪ みなさんにはそのお手伝いをしていただきまーす)
そして吹き抜けの天井からパタパタと降りてくるエスペルだ。ほほう、そうか。なんかエスペルみたいに空飛ぼうとしないなぁ~って思ってたけど、成長途中だったからなのね?
「あそこから、モコプーの子達が飛び立ちます。感動的な瞬間ですね♪ ですがまだまだ未熟な子達ですので、上手く飛べず落ちてしまうかもしれません、そうなると大変です!」
「そこで、だ。お前らが導いてやれ? ちゃんと飛んでくるモコプー達を受け止めればクリアだぜ?」
ふんふん。なるほどなるほど~前世のあの番組にもなんか似たようなのあったね。あれは確かボールだったけど、それをモコプーでやるとは……よく見れば下にはモコプー達が怪我しないようにふわふわのクッションが敷かれているし、安全そうだ……まぁ、あの上を着ぐるみ着て歩くのは大変そうだけど、それもこのゲームの醍醐味なのだろう。
「わかりましたぞ大地殿、ネヴュラ殿、エスペル殿。では私が先陣を切りましょう! いざいざ、参られい!」
「おぉーっとぉっ! 今回初のお披露目ぇ『モコプーキャッチ』に最初に挑むのは、アイギスのお父上ぇーっ! ガァァールディィーングッ!! モコプーの可愛い着ぐるみを着た厳ついオッサンが今ステージに立ぁぁーつっ!!」
ウワアアァァーッ!! ひでぇギャップだぁぁーっ! おもしれぇーぞぉ♪ 頑張れガルディングぅーっ!!
いや、うん。わかるけどさぁ~ギャップすごいのは……ぶふっ! あ、ヤバい! 私も笑いを堪えるの厳しくなってきた!
「ブハハッ! 似合ってるぜぇアイギスの親父! じゃあ準備いいな!? エスペル!」
(はーい! さぁ、一羽づつですよぉ? 頑張って飛んでみましょうね?)
「プップー♪」「プー♪」「ププープ♪」
あらぁ~♪ お行儀いい子達だことぉ~! エスペルの言うことちゃぁんと聞いて列作ってる! うはぁぁ~可愛いのぅ~♪
大地がモコプーの着ぐるみ着たガルディング様の姿を見て遠慮なしに笑い、上の柱……あ、アレってバルコニー? に、佇むエスペルと四羽のモコプー家族に声をかけたのだ。モコプー達もやる気十分のようだし、これは面白そうだね!
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【ぜぇはぁ……】~こっちきてぇ……~
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「よーい、スタートぉ!!」「プップー!」
「おぉーっ! 大地様の掛け声で『モコプーキャッチ』がスタートしたぞぉーっ! 早速一羽目のモコプーがバルコニーから飛び立ったぁぁーっ!」
ぷっぷぅ~って鳴きながら、一生懸命小さい羽根をパタパタさせるサッカーボールくらいのモコプー♪ あ、そういやこの子達にも『小さいは可愛い』かけてたっけ?
「お見事ですぞモコプー殿。ささ、ゆるりこちらへ参られませい!」
「ぷぷぅ~♪」
おー……おーおー? おぉぉ~?
ゆーらゆら、ゆーらゆらと、ゆっくり落下しつつ、パタパタ羽根を動かすモコプーの一羽。観衆のみんなに見守られ、ガルディング様の近くに降りようとしている。しかし、これは飛んだと言えるのだろうか?
「はうぅっ! 可愛い~♪ あるじ様! 可愛い、です!」
「うんうん♪ あの一生懸命羽根をパタパタしてるとこなんて、たまんないよね!」
アリアとユニがその愛らしいモコプーの姿に、二人手を合わせてピョンピョン飛び跳ねてはしゃいどる。チミ達二人も可愛いからアリサさん大満足ですよ♪
「おぉっと? とっととぉ~?」
ぽてん♪
「お見事ぉぉーっ! 最後は少しふらつきながらもガルディング、見事モコプーの一羽をその腕の中に受け止めたぁーっ!」
おぉーっ! 最後危なかったなぁ~? でもなんかこのゲームいまいち地味じゃねぇ?
「な~んだぁ♪ 思ったより簡単そうじゃない! これなら楽勝ね! 次アタシがいくわ!」
「見事一抜けたガルディング! そんな彼に続かんとするはレイリーアだぁぁーっ!」
オォォーッ!! 姐さんなら楽勝だろぉぉーっ! 頑張れーっ!
うむぅ~確かに観衆の言うように地味だわ。モコプーはゆっくり降りてくるし、挑戦者はそれに合わせてゆっくり移動して待ち構えればいいんだし……ボーナスステージ?
「プップー!」
「さぁーっ! 今二羽目のモコプーがテイクオフッ!! おっとこれはぁーっ!?」
パタパタパターッ!!
オォォーッ!? 飛んでるぅーっ! あっち行ったりこっち行ったりしてるぞぉーっ!!
「ちょっとちょっとぉーっ! 待って! 待ってよモコプーちゃぁーんっ! こっち! こっち来てぇーっ!」
「プッププー♪ プゥプゥ~!」
あらららっ!? 今度のモコプーは一羽目と違って自由に飛び回ってる! アハハ! こりゃ余裕かましてたレイリーアも大慌てだ! 着ぐるみと地面に敷かれたクッションのせいで上手く動けず、何度も転びそうになりながらモコプーの姿を追いかけるぞ!
「はぁっ! ひぃっ! も、もこぷぅちゃぁぁん! こっちよぉぉ~?」
「ワハハ!! なんだよレイリーアその情けねぇ顔はぁーっ!」
「ちょっと! 笑っちゃ失礼ですよセラさん! 私も我慢してるのに!?」
いやぁ~あのモコプーは、ちゃんと飛べた事がよほど嬉しいみたいだねぇ? クルクルと飛び回って中々降りて来ようとしないよ? いつどこに降りてくるかわからないもんだから、レイリーアはひたすら追っかけ回して動き回るんだけど、かなりつらそう。とても妙齢の女性が見せる顔じゃなくなっちゃった♪ あーおっかしい!
「ぷっぷぷぅ~♪」
「あっ! レイリーアさん降りてきまっすよぉーっ! 走れぇ~♪」
「ひぃひぃっ! もこぷぅちゃぁぁん! こっち来てぇぇ~ガクッ!」
「おぉぉーっとぉーっ!? なんと言うことだレイリーアぁぁーっ! ようやくモコプーが降りてくると言うのに力尽きてしまうとは情けなぁぁーいぃっ!!」
あーっ!! もうだめかぁぁーっ!?
散々走り回ったレイリーアがここにきてダウンしてしまった! 折角モコプーが降りてくるのにこれじゃあ駄目かなぁ? なんて私も含めてみんなが諦めかけたそのときだ。
「ぷぷぅ~? プップー♪」
「うおおぉぉーっ!! なんとぉぉーっ! モコプーが! モコプーが自らレイリーアの頭に止まったぞぉーっ!! クリアーッ!! レイリーア、『モコプーキャッチ』を見事クリアしたぁぁーっ!!」
ワアアァァァァーッ!! イッツァミラクゥルゥォォーッ!! イィィーヤッホォォーゥッ!! レイリーアッ! レイリーアッ!!
はははっ! いやいやこりゃすごい♪ 一生懸命追っかけた努力がモコプーに通じたのかね?
「あいたっ! ちょっとモコプーちゃん突っつかないでぇ~!?」
あ、違うこれ。倒れたレイリーアが着ぐるみ着てるせいでエサかなんかと勘違いしてるだけだわ♪ なんにせよクリアおめでとうだね!
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【動物は自由だね】~こういうときも~
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「プップー♪」
パタパタパタパタパタパタパタパタ~…………
「……あの。大地殿? モコプー殿が窓から外へと飛んで行ってしまわれたのですが?」
「……こう言うこともあらぁな? ビット脱落!」
ガクゥーッ!!
「おおおぉーっ!? なんだそりゃあぁぁーっ!? 哀れっ! 『セリアルティ王国』の聖騎士ビットぉぉーっ!! ここにて脱落だぁぁーっ! これはあまりにも無情! あまりにも無念んーっ!」
「おぉっ! 神よ! このような理不尽あんまりです! どうかビットさんに今一度お慈悲を!」
はははっ! あはははっ! あーあーっ! おかしいったらありゃしない!
「ぷぷぅ~!」
「あはは♪ はいはいモコプーもお腹空いたんだよねぇ~?」
「んぅ♪ 沢山食べて?」
あー面白い! 三人目の挑戦者ビットがチャレンジスタートしたら、モコプーは彼に目もくれずにこの「引きこもりハウス」にまで飛んで来ちゃった。そしてユニとアリアからご飯をもらって美味しそうに食べている。
そんなモコプーちゃんの無慈悲な行動に無慈悲な判決を言い渡す大地。さしもの聖騎士ビットさんもこれにはガックリと地に膝をつくことになってしまったのだった。しかし、そこに『僧侶』フォーネの祈りが!
「だーめだよぉぉん♪ ビットんは~いっつもむつかしい顔して、愛想がないからモコプーにも他の動物達にも嫌われるんですーっ! これを機に悔い改めるがよーい!」
……届かなかった。残念! まぁ、臆病な動物ほど人の感情の機微に敏感なのは確かだからねぇ~フォレアルーネの言ってる事は間違っちゃいないんだよね。
「くっ……戦事にばかりかまけていたツケと言う事か、申し訳御座いません陛下! アリサ姫、ユニ姫! この手でお救いする事能わず! 不甲斐ない私をお許しください!」
「そー言うところでしてよビットさん?」
うんうん! せやな。ネヴュラさんの言う通りだぜぇビットさんよ!?
「よーしっ! 次はあたしぃ~♪ モコプーちゃんおいでぇ~♪」
「ププーッ!!」
「おぉぉーっとぉぉ!? 次なる挑戦者、ミミがヘンテコなダンスを躍りながらステージに立った瞬間っ! 合図も無しにモコプーの一羽が飛び込んで来たぞぉぉーっ!?」
うおおぉぉーっ!? こりゃどういうこったぁーっ!?
「ん……? あの、モコプー……何か、怒って……ない、か?」
「そうだねデュアードくんの言う通り、モコプーちゃんらしからぬ怒りようだ!」
「まさか、ミミのこと嫌いなんでしょうか? あの子結構動物にも好かれるのに……」
うむむ!? 確かにデュアードくんにレジーナが言うようにあのモコプー、怒ってるね? あんなに怒るモコプー見るのなんて初めてなんだけど、どうしてだろう? ミミはビットくんと違って愛嬌も愛想も申し分ないし、ネネの言った通り、『聖域』の動物達にも好かれてるんだけど……
ツンツンッ!! ツンツクツーンッ!!
「プップップーッ!!!」
「あわわわっ!? ヤダヤダ! 止めて止めてよぉ~モコプーちゃぁん!!」
「つつかれているぅぅーっ!! モコプー怒濤の突っつき攻撃だぁぁーっ! これはミミもたまらなーいぃ!!」
あーそっかわかったわ。あの子着ぐるみに穴空けて耳出してんじゃん? 多分だけど着ぐるみ着たウサギ耳生やしたミミのことを魔物かなんかと勘違いしてるんだわ。
「ユニ、アリア。あの突っつかれてる綿毛だけど、何に見える?」
「え? ……なんだろ? ウサギ耳生えた魔物?」
「新種の……植物? 動物?」
うむ。そう言う事である。あのモコプーの目にもミミの姿は怪しげな生物として映っていることだろう。まぁ、自業自得だねぇ?
「うきゃーん!」「ぷっぷっぷー!」
バターンッ!! パタパタパタパターッ!
「あぁぁーっ!! ミミを倒したモコプー! そのまま外へと飛び去ったぁーっ! 脱落ぅぅーっ! ミミ脱落だぁぁーっ!」
おおおぉぉーっ!!? なんてこったぁぁーっ! 貴重なお色気枠がぁぁーっ!!
「うきゅぅぅーっ! なんでぇぇ~? もこぷぅちゃぁぁん!?」
「鏡で今の自分の姿を見てみればいいんじゃないかなぁ~ミミみーん?」
「どこからどう見ても怪しげな生物にしか見えませんわ」
そんなぁ~あたしのキュートな耳が仇になるなんてぇ~ガクリッ! とかわざわざ口で言っちゃうあたりまだまだ元気そうなミミである。うん、その元気で応援団に入ってもらって、挑戦者達を応援するダンスでも踊ってもらおう。
因みにだが、散々ミミを突っつき回したモコプーも「引きこもりハウス」に来て、今ご飯を食べているのは余談である。
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【ぶぎゅるっ!!】~うみゃあぁぁーっ!?~
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「さてさてぇ~♪ ラストはこのアリスちゃんでっすよぉ~♪ マスターマスター♪ 見てくれてまっすぅ~? モコプー着ぐるみのアリスでっすよぉ! 似合いまっすぅ?」
「あはは♪ 可愛いよぉアリスちゃーん!」「結構、似合ってる」
「はいはい見てるわよ~? あったかいでしょそれ? 寒い日の寝間着にするといいわよ♪」
モニターに向かってきゃっきゃとはしゃぐ着ぐるみアリス。モコプーの着ぐるみでピョンピョンする姿は普通に可愛いね。
「さぁーっ! 『モコプーキャッチ』もいよいよ最後の挑戦者ぁぁーっ! アリス様で最後だぁぁーっ!!」
ワアァァーッ!! 頑張れアリス様ぁーっ! 頑張れ白パンツぃーっ!!
「ちょぉっ!? 誰でっすか!! どさくさ紛れに変なこと言いやがったのはぁーっ!?」
ぶっころがっしまっすよぉーっ!! って観衆に向かって叫ぶアリスだけど、そう言われるのもあんたの浅はかな行いのせいだかんね?
「おっし! アリスでラストだな?」
「でっすよぉ! ……あれ? ちょっと待ってくださいよぉ? マスターが保護したモコプーって四羽でっすよねぇ? もう全羽飛んだんじゃないでっす?」
ふむ。確かに四羽とも飛ぶ練習はしたね? 三羽は無事に飛べたけど、ガルディング様の腕にいる子はもう少し成長してからじゃないと駄目みたいだったけど?
「うふふ♪ アリス様、いるじゃありませんか?」
「わざわざ同朋の飛ぶ練習に駆け付けた奴がよぉ~?」
「えっ!? ちょっとウソでっすよねぇぇーっ!?」
「出番だぞ! エスペルーっ!」
プップー♪
「うおおぉぉーっ!? なんと言うことだぁぁーっ!? 大地様の呼び掛けに応えたのはエスペルだぁぁーっ!!」
わーお! そう言う事かぁ~! ネヴュラの怪しげな微笑みに、大地がニヤリと笑えば、アリスも察したようで、予想通りエスペルが飛んできた。しかも『小さいは可愛い』解除して本来の大きさに戻ってるし! アレをアリスは受け止めなきゃいけないのか?
(ワーターシーをーっ! 受け止めてぇ~♪)
「うーそーっ! でっしゃろぉぉーいっ!!?」
ヒュウゥゥーンッッ!! ぎゃあぁぁぁーっ!!?
ズッッシィィィィーンッッ!! ぷぎゃぁぁーっ!!! ってド派手な着地音とアリスの叫び声が重なった!! エスペルは自由落下でアリスの直上から落ちてきて、それを見上げてたアリスを押し潰したのだ。
おぉぉ……だ、だだ……大丈夫……なのか、アレ? アリス様生きてる?
(ぷぅ~♪)
「ぷぅ~じゃねぇでしょおぉぉぉーっ!? あーたっ! アリスを殺す気でっすかぁぁぁーっ!? さっさとどいてくだぁぁーさいよぉぉぉーっ!?」
「ウオオォォーッ!! 無事だぁぁぁーっ! アリス様は無事だったぞぉぉーっ!!」
まぁアリスなら平気でしょ? だってアリスだし。
「わはははっ!! やるじゃねぇかアリス! おめっとっさん! クリアだぜぇ?」
「ぐえぇーおのれ駄虎介ぇ~後で覚えてろでっすよぉ~?」
あはは♪ こりゃ受け止めたって言うより、のし掛かられたって言った方が正しいんだろうけど、クリアはクリアってわけだね? 何はともあれおめでとうアリス!
「クリアァァーッ!! アリス様クリアだぁぁーっ!」
オオォォォーッ!! おめでとうぅぅーっ!! アリス様最高だぁぁーっ! ワァァーッ!
「あはは♪ いやぁ~面白かったねぇ~! うちもいっぱい笑わせてもらっちゃったよ! さてさて~次のゲームに進めるのは~?」
「今回の『モコプーキャッチ』をクリアした挑戦者は三名! ガルディング! レイリーア! アリス様だぁぁーっ!! 残念ながらビットとミミがここで脱落ぅぅーっ!」
フォレアルーネの確認に司会のエルフが答える。うん、今回のクリア人数は三人で脱落者が二人だ。大分絞られて来たね。この先はどうなるんだろ?
「あいあい! んじゃちょいと説明するね! うちの城でのゲームはこれで一応終わり! 生き残った三人はね、アルティ城とレウィリ城を攻略したメンバーと合流してから、みんな揃って次のゲームに合流してもらうんだ!」
ほぉぉー! 合流イベントって事か? なんか前世のRPGでそんなイベントあったなぁ♪
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【楽しいわ♪】~色々やりたいわね!~《ティリアview》
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「ふっふっふ♪ 第一関門でだーれも脱落しなかったのには焦ったけど、第二関門はいい感じだったわねティターニア?」
「うふふ♪ そうですわねぇ~ティリア様。続く女神様の城にて更に挑戦者は絞られましてよ?」
うふふって笑い合う私とティターニアがいるのは、この日のために創造しておいた私の宮殿の中庭だ。リリカにお茶とお菓子を用意してもらって、挑戦者達の状況をモニターをズラリ並べて高見の見物をしているわ。
「んー? やっぱりアリサ姉さんが淹れた紅茶と、ケーキの方が美味しいわねぇ……リリカ。もっと励みなさい?」
「はっ。申し訳御座いませんティリア様。このリリカ、メイドとして更に精進を重ねようと思います」
「あら、もうティリア様ったら……あまりリリィをいじめないでくださいまし。それはそうと、大分レウィリリーネ様のお城に挑戦者が偏ってしまいましたわ。問題御座いませんの?」
ふむ。そんな別にいじめてるつもりはないわよティターニア? 事実を言って、もっと頑張ってね? って応援したのよ? しかし……不思議よねぇ? アリサ姉さんって別に前世じゃ料理人でもなければ菓子職人だったわけでもないし、当然執事でもないし、上流階級の人間でもなかった筈なのに……めっちゃ本格的な紅茶の淹れ方とか、きめこまやかな生地のケーキ、とっても上品な甘さのクリームだのなんだの、あれもこれもそれも全部洗練されてて美味しいのよ……あら? 何の話をしていたんだったかしら?
「……レウィリリーネ様の城に挑戦者が集中してしまった事についてで御座いますな」
「ああ、そうだったわねバルガス。ふふ、安心なさい? レウィリの城の挑戦者は十二人。丁度二人一組でわけられるじゃない?」
「あら、うふふ♪ つまりペアを組ませて一辺に……と言う事ですわね? ふふ、ティリア様ったらイケナイお方ですわ」
バルガスが何の話をしていたかをそっと教えてくれたので、私は話を戻し、その対策について語ると、何がイケナイ方なのか? ティターニアが怪しく笑う。悪の親玉ごっこなので別にいいんだけど。それっぽい雰囲気にそれっぽいセリフ吐いてるだけでも楽しいもんだわね♪
「では、そのレウィリ城の様子を見ていくと致しましょうか?」
「あおぉ~? オイラ達の出番まだか~? リリー腹へったぞー?」
「ジュン様方『懐刀』の皆様の出番は、女神様のお城を抜けた先に御座いますから、今少し先です……って、もうお腹空いたのですか!? 先程沢山召し上がられたばかりですのに?」
ティターニアがモニターを操作してレウィリの城の様子を映そうとする傍ら、寝転がって手をペロペロしてたジュンがリリカに出番とご飯を催促してるわ。姉さんの『小さいは可愛い』で小さくなった……と言っても大地の白虎形態くらいに大きいけど……この子は円らな瞳も相まって可愛いものだ。いい感じにおバカなところも好きだわ♪ まぁ、大食いなのが玉に瑕かしら? 頑張ってお世話してあげてねリリカ?
「映し出されましたわティリア様。ふふ、そうそうたる顔ぶれですわね?」
「そうね、でもみんなこの『無限円環』で訓練を経てきた連中だからわかるけど、このエミルって坊やが残ったのは驚いたわね?」
モニターに映るレウィリ城の攻略メンバーは、このエミル以外みんな『無限円環』での厳しい訓練を乗り越えて来た猛者達だ。多少の運による影響はあっただろうけれど、その訓練を受けていない一介のエルフが生き残っているとは驚きよ。
「まぁまぁ。出来るだけ一般の方にも遊んで頂けるように、様々なルールや工夫をしておりますもの。その結果と喜ぶべき事でしてよ?」
「そうね。鍛えてた者だけが勝つようじゃ面白くないものね? ふふ、このエミルくんには期待しましょうか?」
「はい♪」
参加するお客さんの実力と言うか、強さ? そんなのがバラバラだとゲームのバランスを取るのが結構難しいのよねぇ~本当はジャデークとネハグラ家族達にも参加してもらいたかったけど、う~ん……次回に持ち越しね。今回で私達も色々と学ばなきゃ! そのためにも頑張るのよエミルくん!
「前回話に挙がったコース分けも良いかも知れませぬな?」
「そうですわねぇ~ユニ様やアリアさん、シャフィーちゃんにネーミャちゃんと言ったお子様方にも参加して楽しんで頂きたいですわね♪」
「それも課題ね。あ~困ったわぁ~色々考えなきゃいけないこと多くてさ!」
「ふふふ、そう仰られながらも楽しそうで御座いますな、ティリア様?」
わかる~バルガス♪ そうなのよ~楽しいのよ! あんたが言ったコース分けもやりたいし、ティターニアの言うお子様コースなんてのも考えるだけで楽しいわ。こんなこと『神界』じゃ絶対できないしね♪
「うふふ♪ それはお楽しみにとっておくと致しましょう。今はこのゲームに集中して、ね?」
「ええ。そうね! さぁ、レウィリ~しっかりやんなさいよ?」
ティターニアの言うように課題は課題として後で考えましょう♪ 今は今回のゲームに注目よ! さて、レウィリ城では一体何人が攻略してくるかしらね!?
ユニ「あははははっ!!。゜(゜^∀^゜)゜。」
アリサ「ゆ、ユニ(;^ω^) 流石に笑いすぎじゃない?(о^∇^о) あははっ!。:+((*´艸`))+:。」
アリア「あはは♪ヽ(*´∀`*)ノ アリス、あははっ!ヾ(≧∀≦*)ノ〃」
アリス「ちょぉっ!?Σ( ̄□ ̄;) マスターも先輩方も笑いすぎでっすよぉ!?。゜ヽ(゜`Д´゜)ノ゜。」
ユニ「ご、ごめんアリスちゃあははははっ!!。゜(゜^Д^゜)゜。 ケフンケフンッ!(>o<") く、苦しい~♪」
アリサ「そんな咳き込むほど、ぷぷっ!(*`艸´) アリスあんたいい仕事したわね♪(*´∇`)」
アリア「ふぅふぅふぅ……(*゜∀゜)=3 ぷふっ!(o´艸`o)♪ あはははっ!(*⌒∇⌒*)」
アリス「Σ( ̄ロ ̄lll) アリアちゃん先輩も!(*`Д') 一回おさめといてまた笑い出すとかーっ!?ヽ(`Д´#)ノ」
レイリーア「ゼェハァゼェハァ……走り疲れて、今度は笑い疲れさせる気なのアリスちゃん!? ふっふ、あはははっ!( ;∀;)」
ガルディング「ふはははっ!( ^▽^) いやはや、お見事でございましたぞアリス殿!(^∇^)」
大地「ワハハハ!!(`∀´) してやったりだぜ!(  ̄▽ ̄)」
ネヴュラ「見事なキャッチでしたわね♪(*´艸`*) うふふふっ!(*≧∀≦)」
フォレアルーネ「はぁ(´・∀・`) うちなんて笑いすぎてお腹痛いんだけど?(°▽°) どうしてくれんのアリスっち!(*`ω´*) 腹筋返せ!(・`ω´・ )」
アリス「ちょっとちょっと!Σ(゜Д゜) もぅーっみ、みんなしてぇーっ!?((ヾ(≧皿≦メ)ノ))」




