閑話 風雲! 女神城!~伍~
アリサ「今日で五日目!(°▽°)」
ゼオン「まだまだ続くぜ『風雲! 女神城!』( ≧∀≦)ノ」
エミル「うんうん(^ー^) 既に仕事始めの方もいらっしゃいますでしょうか?(_ _)」
ラグナース「僕達の挑戦はまだまだ続きそうですね?(^_^;)」
ビット「ですな(*´∇`) ようやく第二の関門が始まったところですし、先は長そうです(-_-;)」
アリサ「この後妹達の城を攻略してかなきゃいけないんでしょう?(*≧ω≦)」
ゼオン「だなぁ~(´・∀・`) その先にもいくつか関門あるんだろうし……(・д・)ノ」
エミル「相当な長編になってしまいそうですね?( ; ゜Д゜)」
ラグナース「みなさんが途中で飽きてしまわないか心配です(´゜ω゜`)」
ビット「た、確かに!Σ(゜ロ゜;) み、皆様どうか最後までお付き合い下さいませ!m(。≧Д≦。)m」
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【出揃った】~各城攻略メンバー~
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「さぁぁーっ!! ここに三女神の城を攻略する挑戦者達が出揃ったぁーっ!」
ワアァァーッ!!! 頑張れよぉーっ!!
はい、こんにちはみなさん! 毎度お馴染みアリサです! 引き続き『風雲! 女神城!』の様子をお届けしていくよ♪ ……え? 今回の語りはずっと私なのか? 他の子の視点はないのかって? うん。メタい質問だね! 何でも、「主人公なんだからいいんです。そのくせ今回あんまり出番ないですから」って、事らしいのだよ? まぁ、あんま気にしないでちょーだい。
「じゃあここで第二関門を振り返りつつ、各城の攻略メンバーを紹介していくぜぇーっ!!」
ウオオオォォーッ!!
「先ずはアルティ城の攻略に選ばれたメンバー達だぁぁーっ! 選ばれた人数は合計九名!
アイギス、サーサ、ドガ、ブレイド、ミスト、ニャモ、ゼオン、ポコ様、オルファだぁぁーっ!」
ワアァァーッ!! ポコ様頑張れぇーっ! ブレイドくぅーんっこっち向いてぇーっ♪ きゃーっ! 可愛い~♥️ ミストちゃんも負けるなよぉーっ!
「アイギスは魁てこの第二関門を攻略! ドガは見事前回の雪辱を果たし突破ぁっ! そして急遽参戦したポコ様もこの組に選ばれたぁーっ! 他にもそうそうたる顔ぶれが揃い踏みぃぃーっ!!」
うむ。ポコもブレイドくんもミストちゃんも妖精さん達や『四神』に『懐刀』達の部下さん達に大人気♪ 幼いながらも健気に頑張るその姿が彼等に刺さるらしい。まぁ、要はみんな子供が好きなんだよね。
「これには迎え撃つアルティレーネ様も戦々恐々としているのではないかぁーっ!? 実際にお聞きしてみようーっ! アルティレーネ様ぁぁーっ!? 如何ですかぁーっ!?」
「うふふ♪ 『戦々恐々』とは、何を可笑しな事を言うのです? 嬉しくて仕方ないですよ? 挑戦者達よ、そう易々と姫達は返しませんよ! あーはっはっは♪」
……人数集まって余程嬉しいのか、アルティレーネのテンションが変になっているみたいだ。まるで呪いを受けてた頃のシェラザードみたいな高笑いしてる。
「ちょっとアリサ、私あんなじゃなかったでしょう!? えぇ~? いやぁ……黒歴史が過ぎるわぁ~グスン……」
「ありがとうございましたぁーっ! ノリノリで悪役を演じるアルティレーネ様でした! みんな拍手ぅぅーっ!!」
ワァァーッ!! 悪そうなアルティレーネ様も素敵ですよぉーっ!!
「あ、ああーっ! 恥ずかしいですぅーっ!」
あ、みんなにわぁーわぁー言われて我にかえったみたい。両手で顔を覆ってきゃーっ! て、あんたなにしてんのよ?
「続けてレウィリ城の攻略メンバーの紹介だぁーっ! 最初こそ人数が集まるか不安視されていたレウィリ城だが、終わって見ればなんとビックリ! 総勢十二名が集まったぁーっ!!
バルド、ミュンルーカ、モモ、エミル、シェラザード様、ゆかり様、カイン、リール、ルヴィアス皇帝陛下、カレン、ラグナース、セレスティーナ様だぁぁーっ!」
すげぇーっ! 大人数じゃねぇか!? ゆかり様ぁ~カイーン頑張ってぇーっ! セレス様がいるなら攻略されたも同然だろぉ~これ? シェラザード様にルヴィアス様も一緒だ!
「色々な意見が飛び交っているぞぉー!? さぁ、レウィリリーネ様! 如何思われますかぁーっ!?」
「~♪ ~♪ あたし、大人気♪ 嬉しいーっ! フォレア見て、ほらほら? みんな、楽しいゲーム用意して待ってるからね!」
あはは♪ よっぽど嬉しいんだろうね。レウィリリーネがあんなにはしゃぐ姿なんて相当珍しい。
「うぐぐ……レウィリ姉めぇ、はしゃいじゃってぇーっ! きぃーっ!!」
「あはは、まさか僕も突破出来るとは思いませんでした」
「エミルさんは訓練受けてなかったからね~妨害もなかったし、運もよかったんじゃないかしら?」
悔しがるフォレアルーネにはしゃぐレウィリリーネ。そして結構すんなり攻略できた事にちょっと戸惑うエミルくんと、カレン。挑戦者達も思い思いに談笑して、楽しそうだ。
「では、そのフォレア城の攻略に選ばれたメンバーを紹介しよう! 選ばれた人数は七名!
レイリーア、シェリー、ミミ、ビット、バロード、ガルディング様、アリス様だぁぁーっ!」
うおぉぉーっ!! 人数は少ないけど、前回の覇者レイリーアに、城主だったアリス様が一緒なんて胸熱だるぉぉーっ!?
「陛下と離れてしまったが、致し方あるまいな……」
「うむ。ビット殿、私も家内と離れてしまったが、こういう組み合わせもまた面白そうであるな」
うんうん。結構バラけたよねぇ~? そんな中、レウィリ城の攻略に選ばれたシェラザード、ゆかり、カインの『無限円環組』の強運と言ったらすごいもんだ。ビットもガルディング様もゼオンとセレスティーナ様と別々になっちゃったけど、色々と発見があるかもだから、楽しんでほしいな。
「ではフォレアルーネ様も感想を、お願いしまぁぁーす!!」
「うーっ! りるりるーっ! 何でレウィリ姉のとこ行っちゃうのーっ!? むぅぅっ! うちの城は簡単には攻略させてやんないかんね!? 今回はうちらが勝つから!」
ビシッ! って、並ぶ挑戦者達を指差して悔しそうなフォレアルーネ。なんか既に敗北フラグ立ててないかね? 特にお気に入りのリールが自分の城の攻略に選ばれなかったのも不満みたいだけど、それも仕方なかろうて。ってか、あのルーレット作ったのあんた達よね?
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【脱落者達と】~フォレア城~
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「はい、ありがとうございましたぁーっ! さて、それではぁーっ! 残念無念!! 今回惜しくも運という見えざる難敵に破れ去った挑戦者達も紹介しておこう!! 第二関門での脱落者は六名!」
「悔しぃぜぇ~今回はラストまで行きたかったんだけどなぁ~!」
そして惜しくも脱落してしまった者達の紹介だ。彼等は今度は応援団として残った挑戦者に声援をおくる事になる。最初はゼルワ。開始直後に最初の扉に弾かれてあっさり脱落。
「へへ、ちょっと情けねぇ姿を見せちまったけど、アタイだけじゃねぇし、アリサ達のおかげで落ち着いたぜ。応援してるからみんな頑張ってくれよな!」
最後の扉を抜けて、ルーレットで『×』を出してしまったセラちゃん。このイベントを楽しみにしてた分、悔しさで大泣きしちゃったけど、私とユニ、アリアで沢山慰めて、少しずつ落ち着いてきたところで他の脱落者も合流して、ようやく立ち直ったのだ。
「……無念、最後まで、行きたかった……」
最後の扉の前でアッシュの妨害に会いその動きを止められたデュアードくん。
「ふぅ、仕方ないさ……僕は『猫兎』のリーダーを務めてはいるが、実は大の犬好きでね? ププルちゃんには敵わないのさ!」
ハッハッハ! とか笑いながら腕に抱いたププルを離そうとしないレジーナは、最後の扉の前で待ち構えていたププルの愛嬌に屈した。もー、いい加減離してあげなよ?
「レジーナ、ププルちゃんを離してあげて下さい。いやがってますから」
「だワーン! よく言ってくれたワン! ネネーっ!」
ネネは二番目の扉で弾かれてしまい、『猫兎』二人目の脱落者となってしまったが、「リーダーも脱落してますしいいですかね?」と、結構あっけらかんとしている。
「ああ、申し訳ありませんレウィリリーネ様! 私の信心が至らぬばかりに!」
「フォーネ、別に信仰は関係ない。単なる運だから……崇め奉られるより、友として歩んでほしい」
おおっ! なんということでしょう! ってレウィリリーネの言葉に感動するフォーネは、ルーナの妨害の前に膝を屈したのだった。結構頑張ったんだけどね、珠実の部下だけあって、ルーナの方が一枚上手だったよ。
「以上がぁーっ! 第二関門『運命の扉』の結果だぁーっ! さぁぁーっ! 次なるは新たなステージ! 選ばれた挑戦者達が建ち塞がる三つの城を攻略するぞぉーっ!!」
ウオオォォーッ!!
「頑張れよぉーっ!」「アタイ達の分まで気張れぇーっ!」「……健闘を、祈るっ!」
「ププルちゃーん! あぁ、いかないでおくれ!」「レジーナいい加減に!」
「みなさん頑張ってーっ!」
次は第三関門って言っていいのか? 妹達の城に乗り込んでの攻略か。そしてそれを抜けた先にファイナルステージ。ティリアが待ち受ける宮殿を攻略してゲームクリアーとなるわけだ。一体何人がそこまでたどり着けるんだろう? それにどんなゲームを用意してるのかも気になるね。
「さぁ、行きましょうみなさん! ご案内しますよ♪」
「ん。あたし達の城を攻略して見せて?」
「ま。そー簡単にはいかないけどねーっ!」
ブゥーンッブゥーンッブゥーンッ!
アルティレーネ、レウィリリーネ、フォレアルーネのさんにんがそれぞれに手をかざし、みんなの前に『転移陣』を展開させる。あの三つの陣からそれぞれの城に移動できるんだろう。
「よし! では行こう皆! 三つの城を攻略し、あのワガママ主神様から姫達をお救いするのだ!」
「応! へへっ! アイギスさんも楽しそうだぜ!」「ホントだねブレイド♪」
「いい感じに「遊び」を覚えて来たみたいね♪」
「セラ、デュアード! お前達の分も健闘するからな!」「ちゃんと応援よろしくね!」
「ふふ、見てなさいティリア? 派手に負かしてギャフンと言わせてあげるわ!」
「ハッハッハ! ノリノリだなぁ~シェラザード!」
シュンシュンッ! と、一人、また一人と陣を踏み転移していく。ふふ、アイギスも楽しそうな笑顔見せてるし、シェラザードも笑ってるし……本当に面白いって感じてるんだろうなぁ~? あー、私も参加したくなっちゃうな!
「よーこそよーこそぉ~♪ うちの城によくぞ来た! 選ばれし者達よ! 姫達を返してほしくば見事うちの挑戦を受け、乗り越えて見せるがよぉーい♪ きゃーっ! 勇者を迎え撃つ悪者ってこんな感じでいーのかなぁ~?」
ダメじゃね? フォレアルーネのキャラ設定ブレブレじゃん? というわけで、最初はフォレアルーネの城から見ていこう。
木々や草花の緑に囲まれたフォレア城は、白い城壁にツル薔薇が絡み付く、赤い屋根が特徴の前世で言う西洋のお城だ。挑戦者達は城門の前に転移し、フォレアルーネはそんな彼等を上空に浮いたフォレアルーネが先のヘンテコな口上で迎え入れる。
「はぁーこりゃまた大層なお城でっすねぇ~? フォレアルーネ様、よくこんな城を創造できまっしたねぇ?」
「あーこのお城ね……『ルーネ・フォレスト』の昔の姿なんだ……綺麗でしょ?」
「…………」
あ、……これにはアリスも「やっちまった」って顔をしているね。でも、そっか、これがかの『三神国』の一つ、『ルーネ・フォレスト』の在りし日の姿なんだ? 綺麗じゃん?
「あはは♪ やだなぁ~! みんなそんなに暗い顔しなくて大丈夫だよ! うちにとって大事な思い出の詰まったお城だからね、こうやって再現できて嬉しいんだからさ!」
「なるほど、こんなに美しい城なら向こうに戻って再建するのもいいですね」
「その時は陛下に掛け合って帝国の協力も出せるようにしたいですね」
「ふふ、そうね! でも今はゲームを楽しみましょう♪ フォレアルーネ様お願い!」
少し暗くなりかけた空気をフォレアルーネが明るく笑い飛ばせば、みんなも笑顔を見せる。シェリーは『ユーニサリア』に戻ったら再建するのも素敵だと言うと、バロードくんがルヴィアスに協力するように進言してくれるそうだ。まぁ、そのためには復興を望む人々に、新たな王も必要になるだろうけどね。
レイリーアの言葉に「オッケー♪」と明るく応えるフォレアルーネが城門を開くと、挑戦者達は城の中に入って行くのだった。
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【ユニちゃぁぁぁーんっ!】~大人気!~
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「さぁーっ! 各々選ばれた女神城に転移しての挑戦が始まるぞぉぉーっ!! これぞ第三関門! 『城塞』だぁぁーっ!!」
ワァァーッ!! 三つの城で同時攻略か!? すげぇ大規模だぜぇ!! どこを応援しようかしら!?
「それでは簡単なルールを説明して頂こうぅーっ!! 今回の関門を説明してくれるのはぁーっ! なんとぉーっ!! 我等の大天使ぃぃーっ!! ユニちゃんだぁぁーっ!!」
イィィーッヤッホオォォーッッ!! ユニちゃんキタアァァーッ!! やったぁぁーっ!
ほへっ!? いやいや司会のエルフくんや、ユニは今この『引きこもりハウス』にいるんだけど!? 突然のアナウンスにビックリしてモニターを見る私、そして流れるようにユニを見れば?
「あ、いけない! そう言えばティリア様から頼まれてたんだ! えへへ、すっかり忘れてたよ~♪ アリサおねぇちゃんちょっと行って来るねぇ~?」
「あぁ、ティリアのお使いだったのね? ビックリしたわ、しっかり見てるから行ってらっしゃい♪」
「んぅ♪ ユニも頑張って、ね♪」「なぁ~ん♪」
私と、アリア、ミーナから応援されたユニは、「はーい!」って、元気に返事して、使用人のみんなの「行ってらっしゃいませ」の言葉にも手を振り、「行ってきます」って応えて外に出て行った。
「おぉっ!? すげぇ歓声だぜ! アリアの時もそうだったけどよぉ~コイツ等、ちっこいのが好きすぎねぇ?」
「それはあるかも知れねぇけど、ユニちゃんとアリアちゃんはやっぱ特別なんじゃねぇの?」
「ふふ、方や『世界樹』方やアリサ様の箒だもんねぇ?」
「心配……ない、セラ、お前も……結構な、人気……だそうだ」
「シャフィーちゃんとネーミャちゃんも可愛がられているそうですから、やはり子供好きの方が多いのでしょうね?」
「そうそう♪ ブレイドくんも、ミストちゃんも人気だよ~♪」
ユニへの声援の熱量に驚くセラちゃん達応援団。『聖域』のみんなが小さい子が好きってのは間違いないよ。ゼルワが言うように、その中でもユニとアリアは特別人気だね。理由はレジーナが思ってる通りだ。デュアードくんが言った、セラちゃんの人気は、実は急上昇しているところで、おそらくさっきの脱落の様子から、更に上がると思われる。『黒狼』達は『聖域』に来て間もないからね。ネネとフォーネの言うシャフィーちゃん、ネーミャちゃん。そしてブレイドくん、ミストちゃんも可愛いと大人気だよね!
「はいはぁ~い! えへへ、みんな遅れてごめんね! ユニが第三関門? の説明をするよぉ~♪」
ワアァァーッ!! ユニちゃぁぁーんっ! 頑張れぇぇーっ!! 今日も可愛いぃーっ!
「あはは♪ ありがとぉ~説明って言ってもねぇ、ティリア様から渡されたこの紙に書かれてること読むだけなんだぁ~♪」
おぅ……カンペ渡されてたのね?
「えっとねぇ~三つの城を攻略せよ! 必ず三つの城を攻略しないと先には進めない! 例えば、二つの城を攻略し、残る一つの城の挑戦者達が全員脱落したら、先に二つの城を攻略した挑戦者達で残る城を攻略することになる!」
ほむ。何がなんでも三つ全部の城をクリアせんとならんのか?
「三つ城をぜーんぶクリアするか!? それとも、挑戦者達が全員脱落しちゃうか!? 二つにひとーつ! 恐れぬならかかってこぉーい! だってぇ~♪ どーかなぁ~? みんなわかったかなぁ?」
わっかりましたぁぁーっ!! たどたどしいユニちゃんの説明可愛いぃーっ!
「なるほどね。そう言うことならちょっと慎重に進んだ方がいいかも知れないわ。このフォレア城の攻略メンバーは他より少ないし」
「そうね、全滅して他の城を攻略してるみんなにお尻を拭かせるなんて恥だわ!」
ユニの説明を聞いてシェリーとレイリーアが気を引き締める。確かにクリアするなら自分達の手でって、思うよね? 頑張ってねみんな!
「ありがとぉぉーっ!! みんなぁぁーっ! 一生懸命説明してくれたユニ姫に盛大な拍手ぅぅーっ!!」
ワァアァァーッ!! ありがとぉぉーっ! パチパチパチパチパチパチィーッ!!
うんうん♪ 私達も拍手ぅ~! たどたどしくも一生懸命、身振り手振りも加えて頑張って説明してくれたユニも、アリアに負けないくらい可愛いかった! 戻って来たらユニの食べたいもの作ってあげようっと!
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【竜神……いえ!】~フォレア池です!~
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「ジャジャーン! 最早うちの代名詞! フォレア城の最初のゲームは『フォレア池』だぁぁーっ!!」
「うわっ! 出たこれ!!」
「あー、前回アイギスさんとレイリーアが一回づつ落ちたやつね!?」
フォレア城の城門をくぐり、城の中庭に来たレイリーア達。そしてその行く手を遮る一つの池! そう、レイリーアが思わず嫌そうな顔を見せたように、シェリーが驚いたように、前回でアイギスとレイリーアを苦しめた『フォレア池』がこの城の最初のゲームってわけだ!
「なんとぉぉーっ!? 前回でも難関と言わしめた『フォレア池』が早くも登場だぁぁーっ! 女神様達の本気が伺えるぅぅーっ!!」
「うふふ♪ ようこそいらっしゃいました挑戦者の皆様。『聖魔霊』が一人、ネヴュラがこの『フォレア池』のご案内をさせて頂きますね」
あ、ネヴュラだ。なんか姿見ないと思ってた『聖魔霊』の連中の一人がここにいるってことは、他のみんなも妹達の側にいるのかね?
「んぐんぐ、あーネヴュラママンだ。女神様達のお手伝いしてたんだね~♪ んんーっ! やっぱりアリサおねぇちゃんのホットケーキは特別だなぁ~♪」
「そう? 他にもいっぱい美味しいのあるけど、ユニはホットケーキ好きよねぇ♪」
私が戻って来たユニに頑張ったご褒美ってことで、食べたい料理を聞いたらホットケーキがリクエストされたので作ってあげて、今一緒にフォレア城の状況を映すモニターを見ている。
正直もっと手の込んだ料理がリクエストされるかなって思ったけど、まさかホットケーキとは……何か理由があるのかな?
「えへへ……だってぇ~アリサおねぇちゃんに教えてもらった料理で、ユニも一生懸命覚えた料理だもん♪ 一番特別なの!」
あらまっ! もーう、なんて嬉しいこと言っちゃうのこの可愛い妹は! にゅふふ、どうやらユニにとって私の作るホットケーキは思い出補正とかなんやらがかかって、特別な一品になってるらしいね♪
「今回の『フォレア池』の挑戦権はお一人様、一回限りでございます!」
「ウッソーっ!?」「マッジでっすかぁ!?」
おっとと、モニターからネヴュラの説明とレイリーアとアリスがビックリする声が聞こえるぞ。何だって? 挑戦権一回こっきり? んじゃ失敗は許されないの?
「さぁ、早速始めましょう? うふふ♪ ナイアデスもセルキー達も待ちくたびれておりますからね」
「おーうっ! オウオウッ♪」
「いらっしゃぁぁい♥️ また会ったわねぇレイリーアちゃぁぁん?」
「また私達と遊びましょう~?」
ザバァーッザバァーッザバァーッ!!
「おぉぉっとぉーっ!! またしても登場だぁぁーっ! セルキー達に泉のニンフ! ナイアデス達だぁーっ! 水柱の上で得意のダンスを踊っているぅーっ!」
「へぇーっ! 楽しそう! この踊り子のミミさんを差し置いてダンスなんてずる~い!」
「やる気十分のようで嬉しいですわね♪ ルールは至って簡単ですわ。落ちないように足場をつたい、向こうまで渡ればクリアです」
セルキーとナイアデスの登場にテンションあげるのは、『猫兎』の踊り子のミミだ。水柱の上で楽しそうに踊るセルキー達の姿にいてもたってもいられないようだ。
「ふむ、それならば、一足飛びで越えれば良いのではないかな?」
「魔法で落ちぬようにすれば問題ありますまい」
「尚、フィジカル任せで飛び越えたり、魔法の使用は一切認められません。即脱落となりますのでご注意下さいませ」
……なんも言えねーって感じで得意気だったガルディング様と、ビットがネヴュラに注意に押し黙る。そりゃそうだ。そんなことされたらゲームが成立しないからね?
「んで、また足場にはダミーが混じってるんでっすよねぇ~これ? どうしまっす? アリスとしては最初経験者が行くべきだと思いまっするけども、つまり、レイリーアさんかアリスでっす」
「そうね! まずアタシとアリスちゃんで先陣を切りましょう! みんなはそれ見てどういうものかを知ってくれる?」
「了解です! レイリーアさん、アリスさん! 健闘を祈ります!」
「うむ。お二人の挑戦する姿。しかと拝見し参考にさせて頂く!」
よぉしっ! じゃあ行くわよぉーっ! って元気な掛け声をあげるレイリーア達。どうやら前回の経験者達が先行して、どんな感じなのかを初参加のみんなに見せる作戦のようだ。
「んーぅ。一回でも落ちちゃったら、脱落……前回よりとっても厳しい、です!」
「そうだねアリア。一体何人がクリアできるのかな?」
「みんな頑張ってほしいね!」
まぁ、前回はアイギスとレイリーアの二人しか挑戦者がいなかったから、数回のチャレンジが認められたんだろうけどね。私とアリアとユニは頑張れーって声援をおくって見守るのだった。
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【レイリーアと】~やらかしアリス~
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「ハイッ! よっ! ほっと♪」「オウッ! オーウッ♪」
ターンッタンタンッ! ザバァーザバァーッ!!
「リズミカルゥーッ!! なんともリズミカルだレイリーアぁーっ! テンポよく『フォレア池』の足場に飛び乗って次々に進んで行くぞぉぉーっ!!」
オオォォーッ!! 流石前回の覇者だぜぇーっ! 頑張れレイリーアぁぁーっ!
「っていうか、セルキーはなにしてんだアレ?」
「レイリーアさんのジャンプに合わせて飛び上がってますね? 可愛い♪ 踊ってるのかな?」
引き続き『フォレア城』の様子を見守る私達。最初のゲームは『フォレア池』だ。その攻略にまず、前回の経験者であるレイリーアが挑む。中々順調な滑り出しのようだね。応援団のセラちゃんがレイリーアのジャンプに合わせて飛び上がってるセルキーを見て不思議そうにしてるんだけど、アレも演出なのかな? フォーネの言うように踊ってるだけか?
「さぁて、そろそろ来るかしらね……」
「おぉーっとぉ? これはどうしたことだレイリーアぁ? 順調に足場を踏んで進むレイリーア。何故かここで足を止めたぁぁーっ!?」
おや? どうしたんだろうって、はは~ん……流石レイリーアだ。前回の経験者は伊達じゃないね。
「そこっ! って見せかけて、こっちよ!」
ヒョイッヒョーイッ!! すすすぅーっ……
「あぁっ!? 見て下さい! レイリーアさんが最初に乗ろうとした足場が動いています!」
「よっ! ほっ! はい! クリアー♪ 残念だったわねネレイデス~? 同じ手は何度も食わないわよー?」
「ちぇーっ! 悔しいぃーっ!」
ザバァーッ!! って水音を立てて水面から悔しそうな顔を出したのは海のニンフのネレイデス。前回同様、水中に潜ってダミーの足場を操作していたんだろう。バロードくんが叫んだのは正にその決定的瞬間を目にしたからだ。レイリーアがさっき立ち止まったのは、そのネレイデスの気配を察したからだね。
「お見事ぉぉーっ!! 前回の覇者は伊達じゃないぃーっ! レイリーア余裕のクリアだぁーっ!」
スゲェェーッ!! これが覇者の貫禄かぁぁーっ! 姐さん流石だぜぇぇーっ!!
うん。ネレイデスが操作するであろう足場に、飛び移ると見せかけた見事なフェイントでかわしたレイリーアが無事にクリアー♪ これは続く挑戦者達にも多いに参考になったんじゃないだろうか?
「いい感じでっすよ~レイリーアさん! お次はこのアリスちゃんが参りまっしょーい! セルキー達の水柱ダンスも見せてもらいたいでっすし!」
間髪いれずレイリーアに続くのはアリスだ。この子はなんと言っても前回の仕掛人の親玉を務めたからね! レイリーアと同じように続く挑戦者達に参考になるプレイを見せてくれるだろう。
「ひょーいっと!? とととぉーっ!」
ズルゥッ!!
「あああぶなぁぁーいぃっ!? アリス様の第一歩の足場がいきなり滑ったぞぉーっ!? これを素早い身のこなしでなんとか次の足場に繋いだアリス様! お見事!」
あぶねぇぇーっ! いきなりなんてありかよぉ~? えげつねぇー!
「おおぉ、冷や汗が出ましたぞアリス殿!」
「うむ。最初から油断は出来ぬようだな?」
ふぅってちょっと息をつくアリスにビットくんとガルディング様も、額の汗を拭う。どうやら罠は後半に~とか甘くはないようだ。一回きりの挑戦でこれは厳しい。だがそれを事前にアリスが身をもって教えてあげられたのは大きいんじゃないかな?
「ふっふっふ~でっすよぉ? このアリスちゃんの目は誤魔化せません! そこ! はい! ここ!」
タァーンッ! タァーンッ! タァーンッ!
「おぉぉーっ!! 速ぁ~いっ!! あっという間に中間まで移動したぞアリス様ぁーッ!」
ウオオォォーッ!! スゲェ! 流石前回の城主だぁぁーっ!
アリスは調子に乗りさえしなければ、色々と凄いんだよね。な~んでかあんなぶっ飛んだ性格になっちゃったけどさ。
「さぁ~いらっしゃいでっすよぉセルキーちゃん達ぃ~?」
「オーウッ♪ オウッ!」「オウオウオーゥ♪」
ザバァーザバァーッ!
「はぁーっ!? なんですかアレ!?」
「わぁー楽しそう♪ セルキーちゃんの可愛いダンスじゃん!」
「出たぁーッ! 最早恒例セルキーダーンスゥ!! 立ち上る水柱が行く手を塞ぎ、その上で踊るセルキーが邪魔をするぞぉ~? もたもたしてればネレイデスとナイアデスに足場を操作されてボチャーンだぁぁーっ!!」
これも前回アイギスとレイリーアが苦しめられたセルキー達のダンスだ。前方に立ち上る水柱にネネが驚き、ミミは愛らしいセルキー達のダンスに心踊らせる。
「ふふふのふぅーっ! ちゃんと足場を踏めばフィジカル任せで行けるんでっすよぉ~? とーぅっ!」
ピョォォーンッ!!
「飛び越えたぁぁーっ!! なんと言うジャンプ力だアリス様ぁぁーっ!!」
クルクルクルーッ! タンッ! タタターンッ!!
水柱とその上のセルキーすら飛び越えるアリス。くるくる宙返りもまぜて観衆達へのパフォーマンスも忘れずに、華麗に足場に着地して、ミミのように踊るように渡って行く!
うおおぉぉーっ!! あざぁぁーっすっ! アリス様ぁぁーっ! ありがとぉぉございまぁぁーすっっ!!
「ジャーンッ!! クリアーでっすよぉ~♪ って……なんで「ありがとう」なんでっす?」
「素晴らしいぃぃーっ! アリス様ぁーっ! あんた最高だぁぁーっ! 高いジャンプからの宙返りを決めて一気にゴールしたアリス様だぁぁーっ! 我々は貴女の勇姿と純白のパンテーをしかとこの眼に焼き付けたぁぁーっ!」
んなあぁぁーっ!?
そりゃあ、ねぇ? ゴスロリドレスであんな派手にくるくる回れば、見えるの当たり前でしょーに……池を渡りきって両の手を高く掲げて、「ドヤァ♪」ってするアリスに、観衆からの熱い「ありがとう」コールが響き、不思議に思ったアリスだけど、司会のエルフの涙ぐむ実況を聞いて総てを理解したようだ。顔を真っ赤にしてその場で座り込み、「ああぁぁーっ!!」って頭抱えてる。ホントなにやってんのあんたは?
「あぁ……うん。クリアはクリアさ! 元気出しなよアリスさん!」
「ワハハ! アリスのサービス精神には恐れ入ったぜぇ~♪」
あはは!! って笑いが応援団から巻き起こる。レジーナは苦笑いでフォローをしてるけど、セラちゃんなんて大爆笑だ。
「前回と、いい……今回、も、とは……アリスさん、は……そういう役どころ、か?」
「ぷふふ♪ デュアードさん真面目な顔でなに言ってるんですか? あー可笑しい♪」
アハハ! いやいやフォーネちゃんや、アリスも別にそういう役なんてごめんのはずだろうけど、あの子結構ガードが甘いんだよね。だからこーいうときに思わずやっちまうのよぉ?
「あはは♪ みんなクリアしたことより、アリスちゃんのパンツに夢中みたい!」
「んぅ。変な人達、です」
うんむ。ユニとアリアはいつまでもそのピュアなままでいてほしいものである。
フォーネ「あらら~♪(*´ω`*) あらら~♪ヽ(*´∀`*)ノ アリスちゃんはオシャレさん!(*´艸`*)」
ネネ「確かに~(・о・) 綺麗な下着です!(°▽°) いいなぁ~私もあんなオシャレな下着ほしい!ヽ(*´∀`)ノ」
レジーナ「そうだね~(゜ー゜*) 訓練の時に僕達に支給された味気ない下着とは雲泥の差だね(´・∀・`)」
セラ「あれ買ったら絶対に高ぇぞぉ?( ; ゜Д゜) うらやましいなアリスのやつ!(。・`з・)ノ」
ゼルワ「なんだぁ~?(-_・) そんならアリサ様とか女神様に声かけてみろよ?(*゜∀゜)」
デュアード「ゼルワ?(゜ω゜;)」
フォーネ「やぁん!?Σ(*゜Д゜*) なんですかゼルワさん!(>_<")」
ネネ「女の子達のこういう会話にさりげに入って来ます普通?(¬_¬)」
ゼルワ「はは♪(*`▽´*) そいつは悪かったなぁ?( ´∀`) んじゃ話すのやめとくぜ(* ̄∇ ̄)ノ」
レジーナ「いやいや待ちたまえよゼルワくん!(;`∀´)」
セラ「おうおうおう!(y゜ロ゜)y 思わせ振りはなしだぜこの野郎!ヽ(〃´∀`〃)ノ」
デュアード「え……聞くのか……?(゜A゜;)」
ネネ「レジーナまで……┐(゜~゜)┌ まぁ、私も気になりますけどもσ(*´∀`*)」
フォーネ「もー(´ヘ`;) まぁ、でも私も聞いておこうかな(´ω`*)」
デュアード「(゜д゜)……フォーネは、男性恐怖症……克服、した……のか?(・д・`;)」
フォーネ「知らない人はまだ怖いですけどね……f(^_^;) 一年の訓練で一緒したみなさんなら、もう平気です( *´艸`)」
セラ「おら、早く教えろよゼルワ~?ヾ(≧∀≦*)ノ〃」
レジーナ「アリサ様に女神様がなんだって?(*゜∀゜)」
ゼルワ「わかったわかった( ̄0 ̄;) どっちかてーと女神様だな( ´ー`) しゃれた服だの下着だの色々デザインして作ってるらしいぜ?(´▽`*)」
ネネ「そ、そうなんですか?Σ(;゜∀゜)ノ でもそんな情報、男性のゼルワさんがどうして……?|д゜)ジー」
ゼルワ「んだよネネ?(`ε´ ) サーサに聞いたんだよ、俺とサーサの関係知ってんだろ?(  ̄- ̄) 察しろ」
ネネ「Σ(゜ω゜) ……失礼しました!(*/□\*)」
レジーナ&セラ「「よし!ヽ(*>∇<)ノ 女神様達に頼んでみるか!(*>∀<*)」」
デュアード(……シェリーも着てもらいたいが(-_-;) う~む(u_u*))




