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TS魔女さんはだらけたい  作者: 相原涼示
131/211

閑話 風雲! 女神城!~壱~

私「ひぃひぃ……し、死ぬぅ~(つд⊂) はい、これ……o(;д;o)」

アリサ「あいよ~(^_^;)」

私「じゃ、続き書いて……くる( ;´・ω・`)」

ティリア「ちゃんと仕上がんでしょうねぇ~?(;・ε・ )」

アルティレーネ「オホン(^-^) みなさま、新年明けまして……( *´艸`)」

レウィリリーネ「おめでとうございますm(_ _)m」

フォレアルーネ「今年も一年よっろしくねぇ~♪(ノ≧▽≦)ノ」

ティリア「あ、いけない始まっちゃった!Σ(;゜∀゜)ノ みんな、明けましておめでとう!(^ー^)」

アリサ「今年もよろしくお願いします(*´∇`) さて、それじゃ今這這の体で去って行った作者から渡されたメモを読むね?(´・∀・`)」

アルティレーネ「えっと……ユニーク五万突破と新年明けましておめでとう記念!o(*⌒―⌒*)o」

レウィリリーネ「今年もやります連続投稿!( ̄0 ̄)/」

フォレアルーネ「パワーアップして帰って来たあの企画!( ≧∀≦)ノ」

ティリア「なんと驚き!( ・`ω・´) 十話越え!?Σ(゜ロ゜;)」

アリサ「実は今現在も執筆中!ヽ(;゜;Д;゜;; ) 私に休みはあるのか!?(´д`|||) 是非お楽しみ下さい!((゜□゜;))」

みんな「……作者は馬鹿(確信)である(  ̄- ̄)」

アリサ「はい!(゜∀゜;) そういうわけでね?( ´ー`)」

ティリア「今日から閑話を連続投稿します!゜+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゜」

アルティレーネ「大規模となって帰って来たあの企画(*´艸`*)」

レウィリリーネ「ん( ゜ー゜)お正月にのんびり楽しんでもらえれば嬉しい(*^-^)」

フォレアルーネ「それでは~(’-’*)♪ どうぞお楽しみあれーっ!(*^▽^*)」

────────────────────────────

【ヤダヤダーっ!】~駄々っ子セラちゃん~

────────────────────────────


「イェアァァーッ!! キタキタキタキタァァーッ!! まぁたまた始まったぜぇぇーっ! みんな! 聞こえるか私の声が!? 感じるかこの空気!?」


ワアァァァーッッ!!


「オーケーオーケェィ! まさかの二回目! あるとは思わなかった二回目ぇぇーっ! そうだ! 『風雲! アリス城!』ならぬっ! 『風雲! 女神城!』だぁぁーっ!!

 作者もノリだけで始めたこの馬鹿企画! 大丈夫かぁぁーっ!? 投稿予定迄に仕上げられるのか!? 正に行き当たりばったり! やってやろうじゃねぇか! 今回も司会はこの私! 『妖精国』のはぐれエルフが努めるぜぇーっ!!」


ウワァァーッ!! うるせぇ馬鹿野郎っ!!


「誰だ今馬鹿って言ったの!? 許さんぞ! 司会でボロクソ言っちゃうからな!」

「うるさいわよそこのエルフ。話が進まないでしょう?」

「はうぁっ!? もも、申し訳ありませんアリサ様ぁーっ!!」


 も~、のっけからテンション高いのなんのって、周りもつられて盛り上がりまくってるのは、まぁ、いいんだけどさ……

 あい。そんなわけでね。始まっちゃいましたよ、二回目の風雲シリーズ。最初から馬鹿高いテンションの司会エルフにびっくりしちゃった人も多いだろう、ここはきちんと経緯を説明しなきゃいけないね。

 まず、ここは『無限円環(メビウス)』内だよ。タイミングは訓練を終えた後。アルナとヴィクトリアがやって来たその日のことね? ポコちゃんも無事に助け出して、アルナとのわだかまりも解けて、じゃあ、お祝いの歓迎会をやろうってなったのね。

 そしたらさ『黒狼』のメンバー達が揃って私の前にやって来たんだよ。その時の様子を振り返ると、こんなだったんだ……


「なぁ~アリサぁ~? 『三方面作戦』が始まればさ、みんなバラバラになるだろ?」

「あ~うん。そうだねセラちゃん。なぁに? 私と離れるの寂しい~?」

「寂しいですぅ~! アリサ様とアリスちゃんともっともっと楽しく暮らしたいですよ~!」


 うわっ、セラちゃんをからかうつもりだったのに、ミュンルーカが抱きついてきたじゃないの。あんれまぁ~そんなに思ってもらえて嬉しいなぁ♪


「俺達……も、そうです……ですので……」

「姉ちゃん! 俺達アレやりてぇんだ! ほら、アイギスさん達『白銀』が挑戦したっていう」

「『風雲! アリス城!』でしたっけ? 『セリアベール』で映像を見せてもらって、夜中まで大笑いしたやつ♪」


 おぉ~♪ デュアードくんに、ブレイドくん、ミストちゃんまで。そっかそっか、『セリアベール』の『氾濫(スタンピート)』を解決した後、みんな集まって『風雲! アリス城!』の記録映像見たね? なんだかもう懐かしいや。


「う~ん、企画してあげたい気持ちはあるけど、流石に急過ぎない?」

「えぇーっ!? そりゃないぜアリサぁ~? アタイ達アレに挑戦したいって、半分くらいは思ってこの『聖域』に来たんだぜ!?」

「セラ……半分って、途中の「アリサ殿の力になりたい」っていう気持ちはどうなってるんだ?」

「それはもう半分の半分! 残りは美味いメシ!」


 おいぃ? セラちゃんやぶっちゃけやがったね? 「四分の一か」って、バルドくんがあきれてるんだけど? まぁ、私はそれだけでも嬉しいけどさ。


「なぁ~いいだろお~今からやろうぜ! 時間ないならまた『無限円環(メビウス)』行ってさぁ~? なぁなぁなぁーっ!?」

「ちょ、セラってば子供みたいに駄々こねないで? 見てるこっちが恥ずかしいわ!」


 う~んって悩む私に食い下がるセラちゃん。そんな彼女を見て、止めに入ったのがシェリーだ。眼鏡をクイッってさせて、眉を釣り上げる彼女は聞き分けのない生徒を叱る先生みたいだ。


「あのう、アリサ様。私達もやってみたいです」

「俺からも頼むよ~アリサ姉ちゃん!」

「あらら、こりゃ困ったな。これからアルナとポコにヴィクトリアの歓迎会しようって思って、その準備中だったんだよ~? それじゃ駄目?」

「ヤダヤダヤダーッ!! アリス城がいい! アリス城じゃなきゃヤダーッ! アリス城やりたいよぉぉーっ!!」


バタバタバターッ!!


 うぅわ、マジかセラちゃん……とんでもない駄々っ子ぷりじゃないの? 欲しいおもちゃを買ってもらえない子供がお店でやるアレのまんまじゃない! これには流石の私も辟易してしまう。誰か助けてーっ!


「まっかせなさぁぁーい!! 呼ばれたわけでもないけど参上! みんなの主神様ティリアさんよ!」


ババァーンッ!!


「えっと……ティリア姉さまに無理矢理引っ張ってこられた、『生誕』のアルティレーネです」


ショボボーン……


「ん。なんか面白そうな気配を感じてシュタっと参上。『調和』のレウィリリーネ♪」


ジャアァァーンッ!!


「騒ぎ事! お祭り気分にイタズラ三昧! こんな楽しそうなの見逃せません! 『終焉』のフォレアルーネ、ここに見参!!」


ドジャアァーンッ!!


「「やってやりましょ! その願い!」」

「ん。期待に応えられずに何が神か?」

「……えっと、私だけ乗り遅れてる感が否めませんけれど、アリサお姉さま。取り敢えずお任せ下さい」


────────────────────────────

【会場は】~『無限円環(メビウス)』~

────────────────────────────


 ……どっからつっこめばいいんだろう? え~、私がセラちゃんの駄々っ子ぶりに困り果てているところに、妹達が駆け付けてくれたんだけどさ。

 まず、ティリアがアルティレーネの手をとって、ズリズリと引っ張って来て、アリスがやるような「きゃる~ん☆」なポーズをかましよる。あんた歳考えなさいよ? 写真に納めてあんたの旦那に贈ってやろうかしら? とか一瞬思ったけど……

 次いでアルティレーネ。うん、この子はまともで大変よろしい。お互い苦労するわね? 今度二人でお茶会でもしようか?

 そしてレウィリリーネだけど、この子は何で普段はぽや~ってしとるくせに、こういう時ばっかイキイキし始めるんだべな? そんな両腕上げたポーズなんて普段絶対しないでしょあんた?

 最後はフォレアルーネ。うん、あんたはいつも通りおかしい子だね。


「ちょっ!? アリサ姉、うちの扱い酷い!」

「はいはい。ごめんなさいね? んで、なんとかしてくれるのあんた達?」


 いかんいかん、フォレアルーネのとこだけ声に出てたようだ、気を付けなきゃね。それで、ティリアとアルティレーネが「お任せ」とか言ってたけど、妹達には何か用意があるんだろうか?


「ええ、ほら『無限円環(メビウス)』で私達、みんなの武具作成したりしてたでしょう?」

「アリサお姉さまが温泉作ったりされていた時にもですが、合間を見て私達も創造していたんですよ♪」

「あの温泉良かったわねぇ~♪ また入りたいわ」

「ふふ♪ 私は『ひな祭り』が忘れられない思い出です!」


 ほうほう、確かにティリア達にはみんなの新しい武具の作成を担当してもらってたね。私も訓練ばかりじゃ心が萎えるだろうと、様々な設備や催しを『無限円環(メビウス)』で用意したよ。シェリーは特にあの露天風呂がお気に入りで、よく一緒に入ったっけ。

 ミストちゃんは子供の成長を祝い、願う行事として行った『ひな祭り』で一緒に着物着たよね? 着飾った子供達は可愛かったなぁ♪

 で、どうやらそんな私の物作りに影響されてか、妹達もコソコソと色々と作っていたそうなのだ。今回のセラちゃんのわがままはその作品を御披露目するいい機会。渡りに船ってことみたいだね。


「それじゃあ! アタイ達やれるの!? アリス城!?」

「期待……っ!」「ワクワクするぜ!」


 そんな私達の話を聞いていた『黒狼』メンバーのみんなが、瞳をキラキラ輝かせて、期待しまくっている。こりゃ、「やっぱダメ」なんて言えない雰囲気だぞ? どうすんの妹達?


「勿論よ! みんなで参加して目一杯楽しんでほしいわ!」


うおおぉーっ! やったぁーっ!!


 おーおー、ティリアの満面の笑みから出た答えに沸き立つ『黒狼』のみんなだ。そんなに楽しみだったのかぁ~う~む、これならもっと早くに企画してあげるんだったね?


「アリサ姉さん、どうせだしアルナとヴィクトリア、ポコの歓迎会も兼ねて盛大にやりましょうよ!」

「ん♪ 『聖域』にいるみんなまとめて『無限円環(メビウス)』に行こう?」

「そうして、もう一度『無限円環(メビウス)』での時間を速めて頂ければ……」

「たーっぷり遊べちゃうじゃーん?」


 わかった! わーかったから、そんなにみんなしてねーねー!? なーなー!? って詰め寄って来ないでよ!


「まぁ、『無限円環(メビウス)』内でやる分には、向こうに残ってるシェラザードとゆかりにカインも参加できるから全然いいんだけどさ……」

「うふふ♪ ユグライアやエミルさんと言った『セリアベール』の皆さんも呼んで、目一杯楽しんでもらいたいです!」

「ん♪ 今回はあたし達がそれぞれの城を披露する」

「実はその辺もうちら考えててさぁ~♪ アリサ姉は今回も囚われのお姫様役ね?」

「というわけで! 今回のお題は『風雲! 女神城!』よーっ!」


わあぁぁ~♪


 あはは、もう妹達もやる気満々。その話を聞いていた『黒狼』達も目を爛々とさせていかにも「楽しみだ」と言わんばかりだ。もうこんなにわくわくしてるみんなの顔見たら断れるわけがないわよね?


「わかったわかった。バルドくん達もすごく楽しみにしてるみたいだし、やりましょうか♪ んじゃ、妹達はみんなに呼び掛けて集まってもらってちょうだい?」

「ん♪ おっけぃ!」

「あ、私とフォレアで先行して会場のセッティングしちゃうわね!」

「うんうん! ウヒョー! 楽しみ~早く行こティリア姉!」

「ふふ、またあの司会を務めたエルフに声をかけなくてはいけませんね♪」


 こうなったらもう妹達を止めるのも野暮だから、私も楽しもうって決めて、準備に取り掛かるように促すと、まるで水を得た魚のごとくシュタターってテキパキと役割分担を決めて動き出す。余程楽しみだったのねぇ?


「やったぁ! ありがとなアリサ! よーし、他の奴等にも知らせに行こうぜみんな!」

「ああ、『無限円環(メビウス)』に集合だな!」


 ヤッホーイ! ってセラちゃんが万歳して大喜び♪ 訓練を終えて、この『ユーニサリア』に戻ってから、『無限円環(メビウス)』に残ったゆかりとカインが何時でも行き来できるよう神殿の中庭に『転移陣(ワープポータル)』を設置したからね。基本的に一声私に声をかけてさえくれれば『聖域』の住人なら、自由に入ってくれて構わないようにしたの。

 まぁ、そうした理由の背景には一応幽閉っていう罰を受けているシェラザードを慮り、「別に出てきてもいいんだよ?」って言うティリアの優しさだね。


────────────────────────────

【ぶっつけ本番】~勢いと思いつきだけで~

────────────────────────────


 ──と、まぁ~そんな感じで始まった『風雲! 女神城!』なんだけど、あの司会のエルフは前回も務めただけあって、「久し振りの出番だ!」とか言って、テンションおかしくなってるんだよね。


「相変わらずうるせぇ奴だなアイツは~?」

「まったく、同じエルフとして恥ずかしいです! エミルさんもそう思いませんか!?」

「えっ? いやぁ~いいんじゃないでしょうか? 人の個性は尊重すべきですよサーサさん?」


 しょうがねぇ奴って苦笑い浮かべて呆れるゼルワに、んむぅーっ! って唸るサーサをまぁまぁって諭すエミルくん。因みにあのエルフを「はぐれエルフ」って呼んだのはサーサで、冷静で落ち着きのあるエルフとはとても思えないほどのはっちゃけぶりからそう呼んでるらしい。う~む、これを機会に彼にも名前を贈るべきか?


「そりゃ止めとけ嬢ちゃん。ああいう手合いは名付けてもらった途端、これ見よがしにその名前を連呼して更にウザくなるぜ?」

「なんだかやたらと含蓄があるじゃないかゼオン?」


 私がボソッと呟いた言葉を拾ったゼオンが止めとけって注意してくる。うん、なんかそう言われるとそんな気がしてきた。アイギスはなんかそんなゼオンを感心して見ているね。まぁ、ゼオンは冒険者ギルドでマスターやってる分色んな人を見てきたから、なんとなくでわかっちゃうのかもね?


「ま、俺達みたいに人をまとめる立場にいると、自然と身に付くもんだよね。それでさ、アリサ様、これは一体何の祭り? なに始まんの?」

「私も是非ともお聞かせ願いたいわねアリサ。折角二作目を始めようかなって意気込んでいたところだったのに……」


 そして対照的な表情を浮かべるのはルヴィアスとシェラザードの二人だ。片や興味津々で、盛り上がってるみんなの歓声に今から何が始まるのかってわくわくしてるみたいで、片や時間が取れたことで、ゆっくり腰を据えてあの名作の二作目をプレイしようとしてたところに、また私達がやって来て騒ぎだしたものだから、ご機嫌斜めのご様子でございます。


「あはは……ごめんね、いきなり戻ってきてこんな騒ぎ出しちゃって。えっとね……」


 シェラザードにごめんちゃいも兼ねて、私達が一体何をしでかすつもりなのかを、他の面子にもかいつまんで説明をしておく事にした。


「ははははっ!! なんだいそれ!? 凄く面白そうじゃないか!」

「えっ!? マジかよ? 前回アイギス達が参加したのか?」

「ぷっ! なるほど、『神界』じゃこんな馬鹿騒ぎ絶対ないから、アルナ達も喜ぶわね♪」


 これこれこーいうことなんです~って、前回の内容をちょこちょこと話に織り交ぜて説明をすれば三人共笑い出して、ノリ気になってくれたよ、よかったよかった。


「オゥケィ! さぁさぁーっ! お集まりの紳士淑女の皆様! お待たせした! 二回目となる『風雲!』シリーズ、急遽開幕だぁーっ!!」


ワアァァァーッッ!!


「今回の話はマジに急遽!! 私も台本も打ち合わせもまったくしていない、完全なアドリブでおっぱじまったぜぇ~!?」


マジかぁーっ!?


 うん、いや、それがマジなんだよね……私も妹達がどんなアトラクションを用意してるのかさっぱりわからんし、いや……まぁ、それは前回もそうだったけど、仕掛人とかは知らせれてたもんね? でも、今回は完全に妹達しか知らないんじゃない?


「それじゃあ早速女神様達からご挨拶を頂こう! 皆、心して聞けぇぇーいっ!!」


ちゃっちゃら~♪


 なんか軽快な効果音と一緒に、この『無限円環(メビウス)』の中空に四人の妹達の姿を映すモニターが現れた。四つのモニターに一人づつ。そういや、それぞれでお城を作ったとかなんとか言ってたから、別々にいるのかな?


「ヤッホーイ! みんなぁぁーっ! 元気かぁぁーっ!?」

「フォレア、うるさい」

「うふふ♪ 今日はアルナとヴィクトリア、そしてポコの歓迎会も含めて」

「そして、これから始まる『三方面作戦』の景気付けとして、私達から盛大な催しを用意したわ!」


 みんなーっ! 目一杯楽しんでちょうだいねーっ!! って、仲良く声を大にする妹達に場はまた盛り上がる。さてさて、なんだか私も楽しみになってきちゃったぞ! 今回はどんな感じになるんだろう?


────────────────────────────

【名演!】~囚われのお姫様~

────────────────────────────


「はい! んじゃ今回の趣旨を説明するその前に、私達の新しい仲間を紹介するわね!」

「『神界』から大切な親友を案じてアルナとヴィクトリアが。そして無事に呪いから解放されたポコの三女神です!」


わあぁぁ~♪ おめでとうポコ様ーっ! アルナ様ーっ! ヴィクトリア様も来てくれてありがとぉぉーっ!!


 ティリアとアルティレーネの声に反応して、中空のモニターの一つに、今回駆け付けてくれたアルナとヴィクトリア、そして『神剣レリルティーネ』に封印されていたポコが無事呪いの解呪を済ませ、元気いっぱいの姿を見せると観衆達も、こりゃめでたい! と大喜びだ。


「あ、ありがとうございます。無礼を働いた私を許して頂けただけでなく……こんな歓迎の催しまで開いてもらえるなんて、感無量です」

「相変わらずアルナちゃんはお堅いのです~♪ みんな~ポコなのです~! 今まで沢山のご迷惑をかけちゃってごめんなさいなのですよ! これからはアルナちゃんと一緒にアリサママの娘として頑張るのですよーっ!」

「ふふふ♪ 凄い盛り上がりね! 皆さん『勝利の女神』ヴィクトリアよ♪ 私も微力ながら協力させてもらうことになったから、よろしくお願いするわね?」


イエェアァァーッ!! 美女と美少女キタコレー!!


 おーおー、やかましいやかましい、特に男衆が。まぁ、一部可愛いと綺麗スキーの女性陣もキャーキャー言ってるようだけども。


「あい! 三人共挨拶ありがとー♪ じゃあ早速今回のすとぅりぃ~を紹介しちゃうよぉーっ!?」

「じゃんじゃじゃんじゃんじゃーん♪ ん。あるところにとっても料理が上手で、優しいお姫様がおりました」


 ん? なんぞ「すとぅりぃ~」ってフォレアルーネ? それにそのお姫様ってもしかせんでも私の事じゃないのかねレウィリリーネ?


「お姫様の作る料理はどれもとても美味しい物で、その妹姫もそんな姉が大好きでした」

「んぅ~? その妹ってユニの事かなアリサおねぇちゃん?」

「あー、うん。多分そうだろうねぇ~なんか今回も私は囚われの身になるらしいからね」


 レウィリリーネの語る「すとぅりぃ」が続いて行く。どうやらその中でも私とユニは仲良しこよしの姉妹のようだ。


「しかし、そこに女神達が現れ、そのお姫様を拐ってしまうのです。そう、こんな風に」


ブゥンッ……


「あ。そういうことね? んじゃちょっと行ってくるよユニ、アリア達と仲良く観戦しててね?」

「えーっ! ユニも一緒に行くーっ!」


シュンッ!!


 レウィリリーネの語りの途中、私の足元に『転移陣(ワープポータル)』が展開されて、「そういうことか」と私は事情を察し、ユニに行って来ますってするんだけど、ユニは私に抱きついて一緒に行くって言い出した。まぁ、前回も似たような展開だったしいいだろう。


「……こうしてあたし達に拐われたお姫様とその妹姫は」

「ふっふっふ……さぁ! 私達のために美味しい料理を作りなさい!」

「……とても我が儘で理不尽で自分勝手な女神の長女の命令によって、一生あたし達に料理を作り続ける事を余儀なくされたのだった……」

「ちょっと! 私へのディスり方エグい! そこまで酷くないわよ!?」


 そうして転移した先はいつも見馴れた『引きこもりハウス』のキッチンである。はいはい。ここで観客やあんた達の料理を作ってね? って事ね? ご丁寧にモニターがズラリと並べられて会場の様子もよくわかるようになってるし……あながちレウィリリーネのディスりも間違いじゃないんじゃないかって気もするんだけどティリアさんや?


「ふふふ♪ それではその囚われのお姫様達の様子も見てみましょうか?」


 あ~? ここで演じろと? そう言うのかねアルティレーネ? うむむ、前回は台詞棒読みであの司会のエルフに馬鹿にされたりしたからなぁ~いいだろう。アリサさんの本気の演技を見せてやろうじゃないか、そのあまりのマジっぷりに震えるがいい!


「わぁー♪ 捕まっちゃったよぅ~いーっぱいお料理作らなきゃ~♪」

「ああっ! なんて事……私達はただ静かに暮らしていきたかっただけなのに……こんなことになってしまうなんて!」


 お遊びだってわかってるユニはキャッキャと楽しそうにしているけど、私は如何にも囚われた不幸な女を一生懸命に演じる。どうやら、「お姫様」ってことらしいから、できるだけそれっぽくね。


「きっとガルディングお父様も、セレスティーナお母様も心配しておられるわ……ごめんなさいユニ。貴女まで巻き込んでしまったわ……私のせいね?」


おおぉぉーっ!! なんと迫真の演技! 姫達をお救いせねば!!


 いや、あんたらも相当ノリ良いよね? めっちゃ乗っかってくるじゃん? よよよって泣き崩れる演技でユニを抱き締めれば、会場のみんなも息を飲んで見入っている。


「ああっ! お父様、お母様! 私達はここにいます! 私の声が聞こえるのであれば、私達を救って下さる勇気ある方がいるのであれば! どうか、どうかお救い下さい!」


 さぁ、どうだ!? これでもかってくらいに悲壮感漂わせた迫真の演技で、みんなに助けを求めるお姫様を見せつけてやったぞぅ?


────────────────────────────

【ノリノリです♪】~姫君を救うのだ!~

────────────────────────────


「おおっ! 我が愛しき娘達よ! 待っておれ、必ずや我等が救いに参ろうぞ!」

「子を救うのは母たる者、当然のこと! 私達が行くまで頑張るのですよ!?」

「これは我が帝国を揺るがす一大事である! 公爵よ、余が最も信頼する騎士、アイギスを伴につけよう! 必ずやアリサ姫とユニ姫をお救いせよ! ……ま、俺も行くけどね♪」

「あ、えっと……オホンっ! おおっ! 愛しき姫よ、貴女は必ずこの私。アイギスがお救い致します!」

「ちょっと! 私達の事も忘れないでほしいんですけど!?」

「そうよ! この愚帝! 近衛の私達を差し置いて勝手な行動しないでちょうだい!」

「ふふふ♪ 囚われた『ランバード公爵令嬢』達の救出作戦か。面白そうだね!」


 それに真っ先に反応を示したのは、私が名前を挙げたアイギスのお父様ことガルディング様とお母様のセレスティーナ様だ。うんうん、実にノリノリで設定まで合わせてくれているね♪ こうなるとあのアホぽんが黙っているはずもなく、『ルヴィアス魔導帝国』の名前まで持ち出して、国家の一大事とまで言い出した。しかも、アイギスが忠信って設定らしい。んで、バロードくん、カレンちゃん、オルファちゃんに早速小突かれるルヴィアスである。


「おっと! 待ちなルヴィアス皇帝陛下さんよぉ? アリサ姫とユニ姫は俺等が『セリアルティ』が救い出す! 余に最も忠義厚い聖騎士ビットよ! そして、知将エミル!」

「はっ! 陛下。ビット、ここに!」「はいはい。まったくノリノリですねゼオンさん?」

「エミルは水差すようなこと言うんじゃねぇよ? オホンッ! 貴殿達は『黒狼』と共に大恩あるあの二人の姫君を救い出すのだ!」

「お任せください! このビット、心命を賭して必ずやかの姫姉妹をお救い致します!」

「畏まりました! このエミルにお任せください!」


 そして、お父様達に負けじと乗ってくるのが、こういうの大好きな『セリアベール』のみんなだ。ゼオンがルヴィアスに待ったをかけて、ビットとエミルくん、そして『黒狼』のみんなを近くに呼んで、王様ごっこを始めだした。ビットは演技なのか素なのかわからんけど、エミルくんもなんだかんだ言って乗ってくる。いや、ホント楽しそうだねあんた達は。


「ふっ、いいだろう。この剣『真・黒狼』に賭けて、この任務を達成してくれよう」

「よっしゃ! やってやろうぜみんな! お姫さん達助け出して報酬たんまりもらっちまおうぜ!?」

「おーっ! やってやるぜーっ!」「頑張ります! ふふっなんか楽しい~♪」

「……こういう、お祭り騒ぎ……ふふ、いい……嫌いじゃ、ない!」

「アリサ様の迫真の演技! 素晴らしいわ……もう私これだけで満足!」

「ワタシもずっと楽しみにしてましたこの『風雲!』シリーズ! ついに参加できるんですね!」


 今回の火付け役というか、やりたいってお願いしてきた『黒狼』のみんなは、それは凄いやる気満々だ。前回の様子を映した映像を観てから、今日までずっと楽しみにしてたみたいだし、その意気込み様も凄いや。妹達がどんな仕掛けを仕込んでるかわからないけど、沢山楽しんでほしいね♪


「あっはっは! これは面白い! なんて楽しそうな企画なんだい? 僕達も参加しないわけにはいかないね!」

「そうねレジーナ♪ 是非参加しましょう!」

「報酬は~ももちー達で独占ですよ~♪」

「ゼオンさんや『黒狼』のみなさんには負けてられないですね♪」

「みんなの前で踊るのも楽しいけど、こういうのも楽しそう!」


 次いで参加表明するのは『猫兎(キャットラビット)』のみんなだ。別に予め打ち合わせなんかしてもいないのに、アドリブで設定まで合わせて乗ってくる、他の面々達を見て、心底楽しそうに笑うレジーナと、ニコニコ笑顔のニャモ。どんな報酬がもらえるのかわからない内から目を輝かせるモモ、他の参加者に対抗心を燃やしながらも、どこか楽しそうなネネ。そして、ステージで踊るのとはまた違う面白さがありそうだと、期待するミミ。みんなやる気十分のようだね?


「うおっほっほ! こりゃ前回と違って大分参加する者が増えたのぅ~?」

「おいおい、ドガぁ? 前回みてぇにいきなり脱落すんじゃねぇぞ?」

「うぅ、またあの『にゃんとわんだぷぅ』があるんでしょうか? また猫になってアリサ様に捕まったら……ああん!」

「ちょっとサーサ! 何変な声出してんのよ! それより前回優勝したアタシの名前を使ったアトラクションがあるのかが気になるわね」


 もちろん前回参加した『白銀』達もいる。ドガは前回のっけからみんなに大爆笑を提供したものの、最初の関門でいきなり脱落。ゼルワはその次の『迷いの森』で妖精の女の子達の罠にかかって脱落し、後でサーサから文句言われてたね。サーサは猫に変身させられて、それを知らなかった私に撫で回されて骨抜きになって脱落。アイギスは最終決戦で、惜しくもアリスに敗れたけど、望みを託されたレイリーアが見事アリスを打ち破り優勝したのだ。


「……こうして、囚われのお姫様達を救うべく多くの戦士達が立ち上がったのだった。果たして彼等は無事にあたし達からお姫様達を救う事ができるのか? 乞うご期待♪」

「オッケー! みんな出揃ったかな!? 凄い沢山の参加者増えてうちらも嬉しいよ!」

「うふふ♪ そう簡単には姫達を渡しませんよ?」

「そーだそーだ! 姫達の作る料理は私達のもんだー!」


 メインとなる参加者は主に冒険者達が多いみたいだね。『聖域』からは誰も出ないの? それとも仕掛人として登場するのかな? なんにせよ、大幅に参加者が増えて一体誰が勝ち残るのか全く予想できない、そんな状況を嬉しそうに見てる妹達の楽しそうなことよ♪ なんだか私までワクワクしてきちゃったよ!


「あはは♪ アリサおねぇちゃん名演技だったよ! 楽しみだねぇ~? 誰がユニ達を助けてくれるんだろ!?」

「ありがとユニ♪ ちょっと恥ずかしかったけどこういうお芝居も楽しいね♪」


 ふふ、ユニも楽しみにしてるみたい。さぁ、次はルールの説明かな? 一体どんな感じなんだろ? 色々料理作りつつ、モニターを気にしてみよう。

ゼルワ「にしても(;´∀`) はまってんなぁお姫様役(´∀`*)」

サーサ「ですねぇ(*´∇`*) 『聖女』の服装も相まって正にお姫様してますよねアリサ様ってば♪(*´艸`*)」

ドガ「ほっほっほ(*゜∀゜) これは救いだしてやらねばな!(*´▽`*)」

レイリーア「アリサ様もだけどさぁ~( ̄▽ ̄;) みんなノリ良すぎよね?(*≧ω≦)」

アイギス「真っ先に父上が乗ってくるなんて思いもしませんでしたよ?(゜ー゜*)」

ガルディング「はっはっは!(*`▽´*) 私達の遠い祖先には『セリアルティ』の御方がいるのだぞアイギスよ?(´・∀・`)」

セレスティーナ「ふふ♪(^ー^) 『帝国』の者達もお祭り好きなのは、過去に『セリアルティ』の気風と交流したからですね♪(^-^)」

ルヴィアス「おっと、『セリアルティ』だけじゃないんだぜ?(* ̄ー ̄) なんせ当時の『三神国』の生き残りを集めたからね!ヽ( ̄▽ ̄)ノ」

バルド「ほぉ!(・о・) それはつまり三国の血筋が混じり合って今に至るのか……( *゜A゜)」

シェリー「なんか凄いわね( ; ゜Д゜) 歴史を学びたかったらルヴィアス様にお聞きすればなんでも解決しそうだわ(゜Д゜;)」

ゼオン「へへ!(°▽°) んなことどうでもいいぜ!ヽ( ・∀・)ノ こんな面白そうな催し、楽しまねぇと損ってもんだ!(*`▽´*)」

ブレイド「歴史だのなんだの小難しいのは忘れちまおうぜシェリー姉ちゃん!ヽ(*´∀`)ノ」

エミル「ふふ(^ー^) なんだか童心に帰ったみたいに心が踊りますo(*゜∀゜*)o」

レジーナ「そうだね!(^-^) 僕達も楽しませてもらおう♪ヽ(*´∀`*)ノ」

ミミ「あたしもなんだかわくわくして来ちゃった!(*´▽`) 踊っちゃおうかな♪ヽ(*>∇<)ノ」

ネネ「一体どんなイベントになるのか今から楽しみです♪(ノ≧▽≦)ノ」

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