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06. 淵源2
霊は明けの神レーヴェンルートの血であり力である
魔は暮れの神プリエールヴィの血であり力である
天から降った霊の滴は精霊の口に、
魔の滴は人の口に入った
霊の力を顕現した精霊と、
魔の力を顕現した人
地上に降りた十の使徒は、最初に血の力を使い、精霊が人を、人が精霊を傷つけられぬ制約を与えた
明けの神ヴェスカニーチェの右手から産まれた使徒は、『親愛』『正義』『礼節』『信念』『英知』を地上に広めた。
暮れの神プリエールヴィの左手から産まれた使徒は、『勇猛』『美麗』『巧緻』『調律』『豊潤』を地上に広めた。
お互いに良き隣人として繁栄しながら恒久平和に暮らし、地上を最後の完成にまで成らしめるはずだった
――『淵源の書』創造の章より