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不自由の中の自由

作者: 忍原富臣

 哲学的な感じのお話なので、暗いものが苦手の方はブラウザバック推奨です(汗)

 「学校に行きたくない」「行く理由が分からない」


 そんな子どもたちの為に、引き籠もりや不登校だった先生たちが優しくサポートしてくれる学校がきちんとあればと深く考える。


 それは「勉強をする理由」や「友達や社会と正しく生きなさい」というような決めつけの言葉で諭すのではなく、「どうしてそう思うのか」という疑問点を抱き、子どもと同じ立場で考えられる人達で構成された部署としよう。


 これを「子ども支援課」と名付けよう。


 生きる事への悩みがあるのなら、子ども一人ひとりに対して本気で向き合おう。


 何を考え、何を感じ、何故そう想ったのか――子どもの中にある霧を払う太陽でいよう。


 世界の在り方を問われれば、この世の有体を伝えよう。


 この世界自体が生きづらい場所だと教えよう。


 何故なら、嘘はその子どもの性格を歪めてしまうから――ありのままを受け入れる感受性を信じ、小さいころから全てを教えよう。





 「世界は変えられない」


 この言葉は、小さい頃から権力者によって植え付けられた足枷に他ならない。本当は――世界は変えられる。今の世界は人々の力が離散され、結託する能力を奪取した権力者たちの抑圧・制御によって思想や思考が捻じ曲げられているだけだ。


 子どもにとって大人は正義だ。――しかし、子どもの目は純粋に大人を補足する。疑わしい行動や言動を見抜く力がある。


「――でもね、皆がやっているから、そうしよう?」


 その言葉で、自分を殺された子どもたち――さぁ、その子どもたちが大人になった時、次の子どもたちに何を伝えるだろうか。


 抑圧は抑圧を――制御は制御を次世代に与え、受け継がれていく。


 だから世界は変わらない――いや、人間という生き物の本質が変えられない世界を生み出している。





 街の中、見上げた世界はビルとコンクリートに覆われた場所。


 権力者たちは現実にも壁を作り出し、人の心にも壁を築き上げた。人と人との絆を寸断し、協力するという力を抑制した。


 権力者は社会という箱庭を作り上げ、人々が大きな反乱を起こせないように仕立て上げた。


 富裕層は指差しで弱者を笑う――――


 貧困層は夢を見ながら天を仰ぐ――――


 ――これが今の世界だ。どうだろう。


 これは危険な思想ではないと伝えておこう。本当の自由を追い求める為に必要な事に過ぎない――





 ――なのに、人々の脳内は争うように仕向けられている。


 これでは、このままでは世界、人類は同じことを繰り返す。


 学校に行きたくない・行く理由が分からない子どもたち――それ以外の子どもたちも――大人に目の前の事をやらされている子どもたちも――家族や仕事で目の前しか考えさせてもらえない大人たちも――


 ――綺麗だったはずの心は人間の欲でひどくくすんでしまった。


 ――権力者からの抑圧により、心は地に押さえつけられた。


 ――心の自由は身体の自由と金銭の自由を奪われる事で、完全に檻の中に閉じ込められた。


 権力者たちの思惑が叶った世界は、人々から「思考」を奪う事に成功した。





 ならばと――――人々は権力者に立ち向かった。


 自由を求めて――平和を求めて――平等を求めて――


 ――――――人々は争った。


 そうして、歴史は永遠と繰り返されていく――――

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