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東方妖陽録  作者: よっしー兄貴
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第肆話 〜紅魔の主を止める者〜

この作品は東方Projectの二次創作作品です

暴力表現、流血表現があります。注意してください

紅魔館(こうまかん)地下図書館でレミリアとの戦闘を続ける霊夢(れいむ)美琴(みこと)。レミリアの攻撃の勢いは衰える気配が全くなく、二人はただ攻撃をかわすだけしかできなかった。


「はぁ…はぁ…」


「ふぅ…うぅ…」


二人の体力もそろそろ限界だ。「隙を見つけて攻撃をする」という当初の目的は今のままでは果たせそうにない。最小限の動きで攻撃をかわす、これしか頭になかった。


「霊夢さん!」


美琴の声だ。


「何!?」


「このまま二人が標的になってても勝てない!私が囮になるから、霊夢さんは攻撃をして!」


無茶な作戦だとは思った。肩で呼吸をしているし、表情からも余裕の無さが伝わってくる。そんな状態で囮になるなんて無茶なことだ。


「でも…」


「いいから!やるよ!!」


霊夢の意見を全く聞かずに美琴は行動を始めた。レミリアが美琴から視線を外した隙に一緒に近づいた。予想通り、レミリアの狙いは美琴に絞られた。猛攻を鎌でいなしつつ、レミリアに攻撃が届く近さまで距離を詰めることに成功した。


「おりゃあぁぁ!」


思いっきり鎌を振った。しかし、レミリアはその鎌でを片手で受け止め、放り投げた。美琴はノーガード状態になる。そんな美琴をレミリアは全力で蹴った。綺麗に腹に蹴りが入る。


「う…あぁ…」


ぶっ飛ばされた美琴は腹を押さえながら激痛と吐き気に耐えた。


「隙を見せたわね…」


霊夢はレミリアが美琴に集中している内にスペルカードのスタンバイをしていた。そしてレミリアに向けて放つ


「光霊『神霊宝珠』!!」


光弾がレミリアに向かって飛んでいく。レミリアが気付いた時には既に遅く、光弾は全弾命中した。霊夢は倒れてる美琴の傍に着地した。


「美琴、大丈夫?」


「ん…なんとか…」


とても大丈夫には見えない。しかし、今美琴に構っている暇は無いようだ。レミリアがゆっくりと立ち上がり、霊夢達を睨んだ。


「やっぱりまだ倒せてない…」


「ど、どう…しよ…」


どうするって…考える暇もなくレミリアは突進してきた。霊夢は障壁を展開して防いだが、力任せに破ろうとするレミリアに対して戦闘で体力を消耗した霊夢は力負けしてしまいそうになる。


「ぐ…」


ピシッ…と障壁にヒビが入る音がした。もう長くは持たない、そう思った時だった。頭上で大きな音がした。見上げると、扉を突き破って魔理沙が入ってきた。


「魔理沙ーー!!!!」


霊夢の叫び声に反応し、魔理沙は霊夢達の方を見下ろした。状況を理解した魔理沙は霊夢とレミリアの近くに弾幕を放つ。身の危険を感じたレミリアは飛び引き、霊夢と距離をとった。


「いや〜危なかったな」


「ちょっと…被弾したらどうするつもりだったのよ」


「その時はその時だ」


ふと、魔理沙の後ろにいた血まみれの咲夜(さくや)が視界に入った。


「魔理沙…こんな重体な人連れてここ来るなんて…」


「咲夜が来たいって言ったんだよ」


「そう…私が自分で言ったわ」


唖然とする霊夢を他所に魔理沙と咲夜は話し始めた。


「いい?私がさっき行った通りにするわよ」


「やれるんだろうな」


「やってみせるわ」


レミリアの狙いは今度は魔理沙達に向いていた。紅い槍を握り、魔理沙に向かって突進してきた。それに応じるように魔理沙もレミリアに向かって箒に乗ったまま突進した。レミリアの槍が触れる寸前、魔理沙は体をかたむけて槍を交わした。左腕に掠めたが、問題は無い。今度は後ろに乗っていた咲夜が槍をジャンプで交わす。


「スペルカード!」


咲夜のスペルカード宣言に続いて周りの時間が止まる。動いているのは咲夜ただ一人。


「申し訳ございません、お嬢様…」


身体中を走る痛みに耐えながら咲夜はレミリアの周りに素早くナイフを設置した。


「そして…時は動き出す…」


手にした懐中時計を垂らし、左右に揺らした。


「幻世『ザ・ワールド』!」


止まっていた時間は再び動き出す。レミリアの周りに設置された無数のナイフがレミリアに向かって飛び始めた。


「!!」


レミリアに咄嗟に踏みとどまり、槍でナイフをいなしたが、全ていなせる訳もなく腕や脚などにナイフを受けた。


「ダメ…やはり威力が足りない…」


力を使い果たし膝まづいていた咲夜はレミリアの様子を見ながら呟いた。怪我のせいで本気の威力で攻撃ができなかったのだ。ナイフをいなし終えたレミリアは咲夜を睨んだ。咲夜は余していたナイフを構えたが


「もういい咲夜!十分だ!」


上から聞こえた魔理沙の声が聞こえた。見ると、レミリア目掛けて突進するように見える。


「決める…!スペルカード!」


スペルカード宣言をした魔理沙は箒に跨ったままレミリアに突進した。


「魔符『スターダストレヴァリエ』!!」


レミリアに押しながら壁に激突。砕けたレンガが辺りに舞った。魔理沙は突進の反動を利用しバク転で距離を取った。


「そして…」


ミニ八卦炉を構え、レミリアに向けた。まだレミリアには反抗の意思があるようだ。


「魔砲『ファイナルスパーク』!!!!」


極太の光のレーザーがレミリアに直撃した。魔理沙の全力の一撃をレミリアにぶち込んだ。砂埃が晴れるまで警戒を解かなかったが、レミリアが全く動く気配がなかったことから、魔理沙は警戒を解き、八卦炉をしまった。


「よし…」


「ちょっと…死んでないでしょうね」


咲夜が後ろから声をかけた。


「追い打ちをかけても大丈夫だって言ったのは咲夜の方だろ」


「でもなんでファイナルスパークよ。せめてマスタースパークにしなさいよ」


「あれで決めなきゃカッコ悪いだろ?なんならファイナルマスタースパークでもよかったんだぜ?」


「やめなさい…」


「ちょっとそこ!だべってないで怪我人の手当てとかやらないと…」


「そうだったな。じゃあ、動けるやつだけでやるか〜」


重傷者の手当はメイド妖精がメインで進められた。魔理沙は何となく、気絶しているレミリアの近くに歩み寄った。ふと、レミリアの近くに紫に輝く何かが落ちているのを見つけた。見ると、ガラス玉のような物体だった。


「なんだこれ…?」


魔理沙は指先で触れてみたが何も起こらない。恐る恐る手に取って見ても反応無し。


「…?」


「何してんの」


霊夢が後ろから声をかけてきた。


「なんかこれが落ちてたからさ。怪しい物じゃないかなぁって」


「っ…!それ、何か嫌な予感がする…」


「本当かよ」


「本当よ。多分、レミリアがああなった原因を解く鍵になるかもしれないわ…」


「ほぅ…。なら私が持っていても意味無いか」


「そうね。私が後でゆっくり調べてみるわ」


霊夢は魔理沙から球体を受け取った。


「そういや、美琴はどうした?」


「美琴なら手当受けてる。いくら妖怪でも吸血鬼の本気の蹴りをくらったら…ね?」


「無茶するなぁ…」


こうして紅魔館での騒動は幕を閉じた。しかし、これも幻想郷全体からしてみればまだ些細なことに過ぎなかった…

東方妖陽録第肆話を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。前回更新から2ヶ月も時間が空いてしまいましたが、生きてます。

今回でなんとかレミリアを抑え、紅魔館の一件を解決することができました。最後は魔理沙がゴリ押した感じになりましたが、まぁレミリアを止められたのでいいかと。図書館の壁壊したりしたから多分、あの後パチュリーに怒られたと思います。

次回、一旦神社に戻り、謎の球体について調査を開始します。キーアイテムではあるんですけどね。何なんでしょうかアレは。

次回もよろしくお願いします!

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