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東方妖陽録  作者: よっしー兄貴
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第壱話 〜妖気に満ちた幻想郷〜

この作品は東方Projectの二次創作作品です

暴力表現、流血表現があります。注意してください

博麗神社(はくれいじんじゃ)幻想郷(げんそうきょう)の東端にある神社である。そこの巫女、博麗霊夢(はくれいれいむ)は境内の掃除を終え、縁側でお茶を飲んでいる。


「はぁ…今日も平和…な感じはしないわね」


最近妖怪達の妖気が一層強まっている気がするのだ。妖気が強くなることはその妖怪がより強く、│獰猛どうもうになることを意味する。このまま続けばいずれ人妖のバランスは崩れてしまう。


「早く対応しないと…でも原因が全くわからないしなぁ…」


原因がわからなくては対処することができない。だからまだ全く動けずにいたのだ。


「よっ!霊夢」


そしてこんな状況でも神社に遊びに来る魔法使い、│霧雨魔理沙きりさめまりさ。霊夢の親友だ。


「よっ、じゃないわよ」


「まぁまぁ、わかってるって。アレだろ?例の妖気が高まる異変」


「それ。全く原因が掴めないのよね…」


「珍しいな。お前の自慢の勘はどうした」


「全く働かない…」


「こりゃ厄介な異変だな…」


「とりあえず上がって。中で話しましょ」


「わかった」


霊夢と魔理沙は神社の中に入った。霊夢は二人分のお茶とお菓子を用意し、作戦会議を始めた。


「しかし、なんの前触れもなく発生したよな」


「そうなのよね。さらに原因のアテが無いんじゃ下手に動けないし」


「…でも凶暴化した妖怪は大人しくさせた方がいいんじゃないか?」


「それはそうだけど…」


「既に数が多すぎる…?」


「うん…私と魔理沙でも手に負えない数よ。せめてあと一人か二人助っ人が居たらなぁ…」


異変の報告から毎日、二人は解決策を練っているが、情報が無いだけに全く策が浮かばない。


「もう妖怪根絶やしにしたらどうだ?」


「ダメよ。幻想郷が滅ぶ」


「だよなぁ〜…」


グダグダと作戦会議をしていると、神社の鐘が鳴らされる音がした。霊夢は超人的な速さで音の方を向いた。


「誰かきた!?しかも鐘鳴らしたってことは…」


「お前そういう時の反応は速いよな」


「え?あ、と、とりあえずお出迎えしなきゃだから!」


「誤魔化した」


霊夢は表の方へ出ていった。見ると、白の道着と赤の袴…要は巫女服のようなものを着た少女がお祈りをしていた。明るい赤のロングヘア、頭のてっぺんにはアホ毛がある。

お祈りを終えると、少女は気配を感じたのか霊夢の方を見た。


「あ、ひょっとしてここの巫女さん…?」


「え?あ、そう。私がここの巫女の博麗霊夢よ」


「おお〜。じゃあちょっとお話したいんだけど、いい?」


「別に構わないけど。ま、とりあえず上がって」


霊夢は少女を連れて部屋に戻った。なんか馴れ馴れしい感じの印象を抱いた。


「なんだ?そいつが参拝客か」


「うん。なんかお話したいって」


「へぇ。お前霊夢のファンか」


「いや、そういう訳じゃない…でも巫女さんには興味あるかな」


「私じゃダメなのかな…で、貴方名前は?」


焔美琴(ほむらみこと)だよ。炎の妖怪さ!」


「炎の妖怪ね。あ、こっちの黒いのは霧雨魔理沙。平凡な魔法使いよ」


雑な紹介に魔理沙は表情を若干曇らせたが、霊夢は気付かないふりをした。


「で、話って何?」


「実は、この異変の解決の手助けをしたくて」


「何!?」


「なんですって!?」


魔理沙と霊夢が美琴に詰め寄る。予想外の協力者の登場だ。


「ど、どうして?」


八雲紫(やくもゆかり)って人に手伝えって言われたの」


「紫が?」


「うん。あと、ついでに言われたのが…」


「何?」


「各地で凶暴な妖怪が沢山湧いてるからその対応も頼むって言ってたよ。それが解決に繋がるとかなんとか…」


「なるほど…だったらすぐ出発しましょう!」


霊夢は棚の中から御札や陰陽玉等、妖怪退治に使う道具を取り出した。


「おい霊夢、マジかよ」


「すぐ動かなきゃ。魔理沙も!」


「はいはい。ま、これが解決に繋がるならやるしかないな!」


魔理沙はスカートのポケットからミニ八卦炉を取り出した。


「美琴…って言ったわね。貴方も行くんでしょ?」


「勿論!足手まといにならないように頑張るよ!」


元気よく答えた。


「よし、まずどこに行く?」


「一番安全を確保しなければいけない場所…人間の里に」


「了解」


「レッツゴー!」


三人は手早く身支度をし、神社を後にした。


誰もいなくなった神社の境内、空間が裂かれ、幻想郷の賢者、紫が現れた。


「よしよし…上手くいったわね」


紫は空を見上げ、少し不安そうな顔をした。


「あとは順調に事が進むか見守るだけ…あなただけが頼りなんだからね、美琴」


紫はスキマの中に消え、そのスキマもすぐに閉じた。


___


「ところで美琴」


「ん?」


里への道中、美琴は飛行中に魔理沙に話しかけられた。


「お前、炎の妖怪って曖昧すぎないか?もっとこう…ないのか?」


「無い。だって私元人間だし」


「はぁ!?」


魔理沙は驚きのあまり少し体勢を崩したが、すぐに立て直した。


「この勾玉拾ったらなんかこうなった。髪は赤くなるし火は扱えるし…」


「なんか呑気だな…」


「私はこれでいいのさ。ま、それについては後でゆっくり話すよ」


会話に一段落ついたところで霊夢が声をかけてきた。


「二人共、そろそろ里に着くわよ。ひょっとしたらもう被害が出てるかもしれないから、準備しておきなさいよ」


「はーい」


「了解ー」


「じゃあ、門の前に着陸で」


三人は里の門の前に着陸した。霊夢はお祓い棒を手に取り、魔理沙はミニ八卦炉を握った。


「ていうか霊夢、道中見てきた凶暴化した奴らはスルーしてきたけど大丈夫なのか?」


「後から片付けるから大丈夫よ」


「そうか。よし、行くか。美琴も準備いいか?」


「うん!」


「よし。じゃあ行くわよ!」


三人は里の門をくぐった。霊夢、魔理沙、そして美琴が原因不明の異変へ挑む旅が始まった…

作者のよっしー兄貴です。東方妖陽録第壱話を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

私としては初のR15作品となっております。表情がおかしい部分も多々あると思いますが、暖かい目で見ていただけるとありがたいです。

今作主人公でオリキャラの焔美琴(ほむらみこと)は炎を自由に操る力を持つ炎の妖怪です。元人間という点については後々語らせていただきます。

次回から調査開始、異変解決へ動きだします。果たして異変解決の為の情報を手に入れることは出来るのか…

次回もよろしくお願いします!

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