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06.初めての実戦治療

「レオちゃんの脚は打撃により右脚の裂傷と骨折。魔獣の毒素はほぼ抜けているけど、骨が上手く治らなかったみたいで日常生活はともかく激しい動きはできないの」


 とりあえず、治療する前に診てみよ

 あー…骨がどうのじゃなくて筋が傷ついてるんだ、裂傷も肉が見えるくらいにパックリしてる…中にまだ何かあるけど、これが治りの悪い原因かな?後遺症って言ってたけど筋切れてるわけでもないし治るでしょ


「ハオマ以外の薬草って使ってもいいんですか?」


「別に構わないけど、変なことしないでね」


 すり混ぜたハオマとモーリュを使って、異物を取り除きつつ傷ついた筋と裂けた皮膚を治すイメージで……

 治癒魔法を使用すると“アンタ何したのよっ!!”と、ソフィアさんに突き飛ばされた。


「いってぇ……っ!!」


 そこには脚を抱えるように蹲るレオさんがいた。

 え、もしかして失敗した!?


「レオちゃんに何したっ……の、よ……。レオちゃんっ…レオちゃんっ!!傷塞がってる!」


「えっ!嘘、なんで!?あれ、痛みもない!スッゲェ痛かったのになんで!?」


 治癒魔法って痛みが伴うものなのかな…?初めて知った…


「レオさんごめんなさい…治癒に痛みが伴うなんて知らなくて…」


「治癒魔法に痛みなんて聞いたことないけど、そんなこと良いんだ。最初こそ痛みが強かったけど、今や痛みなんて全く無いよ。それにずっとあった痺れや動かし辛い感覚がないんだ!むしろ感謝しているよ!!」


 診ても脚に異常らしきところは見られない

 完治したと判断しても差し支えないかな


「あのソフィアさん、コレ…」


 治す際に取り出した異物をソフィアさんに渡した。


「何コレ!?レオちゃん!私、魔獣相手に怪我をしたとは聞いてたけど障蛇(ゴーストスネーク)相手とは聞いてないわよ!?こんなのあったら治るものも治らないわよ!」


 多分、魔物の外殻の破片が内部に入り込んで毒素を出し回復を阻害していたんじゃないかな…。小指の爪くらいの小さなものだけど、鋭くて鑑定なんてしなくても毒々しいのが分かるくらいの異物…


 ソフィアさんに一体何をしたかと問われ、異物であった破片を取り除きつつ傷に対し薬草を用いて治癒魔法を使っただけと答えたら訝しげな顔をされた。


「はぁ…アンタ使ったのは治癒や回復でもあるけど、全くな別物のはずよ」


 魔法や魔力が普通より少し強いとは軟禁生活中にわかってたけど、考え方や医療の知識は前世のものだからかな…?


 __________..........


 私が薬草採集やレオさんの怪我を見る時に使っていた”鑑定”は本来ステータス確認の魔道具でしかできないことらしいけど、私のはそれより凄いらしい。通常なら名前や職業、生体状態等しか分からないのだけど、私はそれ以上分かる。


「魔法って想像次第ですよね?私の鑑定全てを見透かすような想像でしてるだけなんですけど…」


「今回の場合なら人間の構造、骨や血管、筋肉等を完璧に熟知した上でできることよ。何人も解剖して大きい血管だけでなく細かな血管まで完璧に認知して成し得るのよ。それに想像次第なんて簡単に言うけど、それを実現するだけの魔力や魔力操作が出来てこそのなの、はっきり言って今回のことは全てが異常よ」


 あぁ…出来る…。前職は医療従事者だもの人間の構造なんて基礎の基礎、熟知してない方がおかしい…。それに魔力は体温みたいにじんわりでも認識してしまえば操作も簡単なのに、そんなに異常なことだったんだ


「とりあえず、アンタは世間知らずな上に自分のことも分かってない。この状態では許可はあげれない。これで他にもやられたら何が起きるか分かったものじゃない、でも能力はそこらの馬鹿より遥かにある。だから私からの特別講習とギルドでの実力測定で許可をあげるわ」


「ホントですか!ありがとうございます!!」


 わぁい!指定専門家が優しい人で良かったぁぁぁ!!

 でも本でも読むのとは常識ってやっぱり違うのね、しっかり”世間”を教えてもらって目立たず!静かに!そして何より自由に生きる!

 そいえばギルドで実力測定とか言ってたけど、ちょっと魔力多いくらいでしょ。昔そのくらいだったし、目立つようなことは無いよねー


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