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02.探されていました

 家を捨て1週間、3つ目の街に着いた。馬に乗っての女1人旅は珍しがられた。

 無一文で始まったけど、手始めに家から着てきた服を売ったりして何とかなってきた。

 今や手荷物には防寒用のローブと小刀があるだけ。春先のような陽気で、昼間こそ暖かいが夜になるとぐーっと冷え込むので他の手荷物は売れても私の体を包み隠し、温めてくれるローブだけは売ることが出来なかった。


「おじさん、チロンと果物と…んー、あと日持ちするものを1週間分お願いできる?明日取りにくるから」


「あいよっ!料金は半分前払いな!あと名前教えてくれよ」


「レティシアよ、間違えて他の人に渡したりしないでよー」


 もし捜索されていたらと考え愛称を名乗っている。今のとこトラブルもないし、目的地まであと2、3日だけど余裕を持って少し多めに購入した。前払いしたらお財布は心許ない金額しかなく、後払い分を支払ったら無一文に等しい。んー…よし道中採ってきた薬草でも売るか。


「ねぇおじさん、この辺りで薬草売るとしたらどうしたらいい?」


「何だ嬢ちゃん薬草なんて持ってんのかい。そーだなぁ、露店は権利がないと捕まるからギルドに持っていくといい!薬になってるなら商業に、未加工なら冒険者に持ってくと買い取ってくれるぞ」


「ギルドって登録してない人でも売買できるの?」


「一般かぁ、登録できるならした方がいいな。一般だと登録者より価格がちと低いんよ」


 露店のおじさんから他にも色々と聞いて、ギルドへ向かった。


 __________.........


「すいません、薬草の買取をお願いしたいのですが」


「はい、かしこまりました。こちらの籠の中に買取に出したいものを入れてお待ちください」


 受付のお姉さんに番号札を受け取ったし、時間潰しにギルドの依頼一覧を見に行ってみよ。

 うわぁゴブリンで本当にいるんだ、最近この辺に出てるみたいだし気をつけよ。


「ねぇねぇ、君ソロなの?」


 声がし振り返ると、剣を携えた1人の冒険者がいた。


「私は冒険者じゃないよ」


「依頼見てたけど違うの?」


「薬草売りにきたんだけど、待ち時間が暇でちょっと見てたの」


 私を冒険者と勘違いして声を掛けてきたのはラシャドという剣士だった。

 話す気さくで、冒険者の事を話してくれた。


「レティシアは何か目的があって旅をしてるの?」


「そうだねー。あってないような目的だけどね」


 私の目的はとりあえず、私の自由に幸せに生きれる地、誰にも虐げられることもない私の安住の地を探すこと。


「ふーん、目的って?」


 答えるのに少し困っていると受付から私の番号が呼ばれた。ラシャドに軽く挨拶して、その場から離れた。


「レティシア様の買取金額はこちらになります。受取のサインをお願いします」


 おぉ、意外と懐は暖かくなった。これなら大丈夫そう。

 明日、食糧を受け取ったら早々に街を出よう。

 ラシャドと話している時に目に入ってしまったのだ。


 《ルピナス家 ラエティティア嬢 誘拐される》


 依頼書一覧の横にそんな見出しを掲げ、褒賞金をかけ私を探しているという内容のチラシが貼ってあった。

 誘拐されてないし、出て行ったんだし、連れ戻されたくない!というか私いる??地下に追いやるくらい邪魔だったんじゃないの!?まだ顔絵が出回ってないだけいいけど、面倒に巻き込まれたくないし全力で逃げよう!


冒険者用ギルド依頼書


依頼内容:人探し

捜索対象:ラエティティア・ルピナス 16歳

対象特徴:小柄、長い黒髪、緑の目

 報酬 :金貨5000万

依 頼 主:ロベリア・ルピナス侯爵


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