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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

やっぱり離れられないから。

作者: だいどぅ

家に帰り俺は悲しみに暮れていた。

部屋に籠もり膝を抱えて顔を填める。

そうだ、だいどぅさんにも言わなければいけない。

彼女は雷ととても仲が良かった。

文字じゃなくて自分の言葉で伝えたい。

何故かそう思った。


急いでツイッターを開き、だいどぅのDMへと飛ぶ。

『明日、君に伝えたい事があるので会えませんか?』

と書き送信する。5分もしない内に『大丈夫ですよ。』と返ってきた。

良かった。会える。何処で待ち合わせばいいのだろう。

淡々と考えている内に5分経ってしまった。

早く返さなければ。と思い

『なら、15時に貴方が雷と会った喫茶店で待ち合わせしましょう』

と書き、返信する。

すぐに『了解です。』と返事が来る。

ホッと胸を撫で下ろすと明日の準備を始めた。


翌日、起きたのは14時30分。

やばい。夜更かししすぎた。

すぐに準備をし、家を出て喫茶店へと向かう。

数十分もすると喫茶店が見えた。

壁に凭れ掛かっている少女が一人。

きっと彼女だろう。


「こんにちは」と声をかける。

少女がこちらに気付き「こんにちは、李さん」と笑顔で返す。

こんな人に雷の事を言わなければいけないのか。

心が痛む。場所を変えようと提案する。

彼女は相槌を打つと俺についてきた。


最初から喫茶店に行く気など無く、目的は

だいどぅに雷の死を知らせた後に操り、殺す。

という事だった。

事前に屋上へ行く許可を取ったビルへ行き、屋上へ登っていった。


「それで……伝えたい事とは?」

声が聞こえる。眉をひそめ、真実を口にした。

は?と怒りの声が轟く。

突然、だいどぅに胸ぐらを掴まれた。

「なんで殺した……ふざけんな!!!!!!」

声が屋上に響き渡る。近くで聞いたせいで耳が痛い。

彼女が泣き出した。潮時だ。

トイレに行くと言ってその場を立ち去った。


トイレで例の目薬をさす。

彼女が落ち着いたであろうタイミングで屋上に入る。


「あ、来ましたッ………」

だいどぅと目を合わせる。彼女は後ろへよろけ、尻もちをついた。

[立て]と命令を出す。

命令に従う様に彼女の体は動いた。

次に[屋上の端に立て]と命令する。

彼女は嫌々立っているようにも見えた。


彼女が震えた体を動かしてこちらを向く。

何故か驚いた様な顔をしていた。

すぐに[飛び降りろ]と命令した。

彼女は一歩、二歩と後ろへ下がっていく。

最後にこう言っておこう。頬を伝って涙が零れ落ちる。

「後で追うから待っていて」

と言った。


彼女が落ちた先を見ると既に血溜まりができており人の悲鳴も聞こえてきた。

鞄から黒い塊を取り出し、頭にゴリッと押し付ける。

やっぱり、雷に会いたいから。俺は死ぬんだ。

震える手を必死に動かして引き金を引く。


瞬間、パァンと銃声が鳴り響いた。

体が横にぐらつく。段々と視界がぼやけてくる。

扉からガチャっと音がする。人が来てしまった。

ならば助けられる前に死んでしまおう。

重たくなった瞼を閉じ、醒める事のない夢へと堕ちて逝った。

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