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詩集「無地ノート」

頭上の音楽【詩】

ああ あれは

いつか見た鷺のかげ


本物のピアニストは

そんなふうに鍵盤をたたきつけたりしない

あくまで空気をふるわすだけなのだから

力をこめるような真似はしない


本物のピアニストは

肉でできた腕などもたない

もつのは羽

白くかろやかな翼


本物のピアニストは

歌ったりしない

楽器という喉があるのだから

わざわざ口をつかうことなどない


だから 音楽を思い出しなさい

腹の底に澱んでいる

汚い粒々を解放しておあげ

あなたの音楽はあなたが弾いているものではない

あなたの音楽はいまだ生まれていない


白い鳥はまっすぐにかえってゆく

あるべき場所へ

フィナーレは必ずある

拍はきちんときざまれてゆく

あなたはそれを

忘れていやしないでしょうか


2012年頃の詩。

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― 新着の感想 ―
[一言] 私が私の声に心が震えるとき 歌っているのは私ではなくただ、理想の音楽を私の声というあまりにも未熟な器官をとってかろうじて拾い上げてるような感覚だ その、”向こう側”から汲み上げるような感覚と…
2018/10/19 14:18 退会済み
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