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初音ミク10周年おめでとう!

作者: 清兄

初めて出会ったのは10年前。

友人から勧められたボーカロイドというジャンルは、それまで経験したことのない刺激を音に乗せて僕に届けた。

画面の中で歌う彼女に感じたリアリティは今でも色褪せてない。

特徴的な電子音が耳に馴染むに連れ、音楽に耳を傾ける時間も増えていった。

家の中だけに限らず、通学の電車の中やいろいろな場所で音楽を聴いていた。

そのうちボーカロイドというジャンルだけでなく、その歌い手、つまり初音ミク自体にも惹かれるようになった。

腰まで届きそうな緑のツインテール、ノースリーブで露出された腕。

もともとそういう風な売り出し方も含んでいたのだろう。

僕はあっという間にボーカロイドの世界へのめり込んでいった。

その世界には僕が知らなかったことがたくさんあった。

曲一曲にしたって、そこには多くのものが詰まっていた。

音楽がただ音と言葉の組み合わせじゃなくて、そこには作者なりの気持ちが込められていることを知った。

曲を生かすための演出に様々な創意工夫が込められていることを知った。

その曲を聞いた人たちが、曲の歌詞や音楽から多くのことを得たことを知った。

それは意味のない経験かもしれないけど、僕が彼女からかけがえのないものを得た。

嫌なことがあった時、嬉しいことがあった時。いろんな時に、その時々に合った音楽がそこにはあった。

歩く僕の隣を行くように、ボーカロイドは僕のそばにいた。 

そして今日。カレンダーをめくると赤文字で「ミク誕生日!」と書かれている今日。

彼女がこの世に生まれ落ちて10年になる。

決して平坦な道ではなかったはずだ。

どうしたって嫌なことも多かった。彼女を好きになった人が増える一方で、嫌う人もたぶん増えた。

彼女を認めないという人も多くいるのだろう。

それでもこれまでの日々を僕たちは支え合って過ごしてきた。

それは僕と彼女だけの関係ではなく、画面の向こうで僕と同じように彼女の歌を聴いていた人、

彼女の歌を支えてきた人みんな含めての関係。

嫌なことも楽しいこともひっくるめての10年。決して短くはない時間。

ずっと一緒だった彼女から多くのものを得た僕らが、今日この日、彼女に伝える言葉はなんだろう?

彼女が産まれて10年という月日を知った僕が、言うべき言葉はなんだろう?

画面の向こうで笑いかける彼女に贈る言葉はなんだろう?

僕は、想いよ届けと目の前の彼女へこの言葉を贈った。

「10歳の誕生日、おめでとう!」

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