『僕』或いは『彼』の終焉
タイトル募集中です!
人間には『光』の部分と『陰、闇』の部分があると言うのはよく言われてる。
僕はどちらかというと『陰、闇』多い方の人間だった気がする。中学校の頃は部活も入らず、喋る友達もいない。いわゆるぼっちというやつだった。勿論彼女なんているはずがない。
ただ『陰、闇』が強い分そこに少しだけでも『光』がある。
そんな事を気付かせてくれたのは誰でもなく『彼』だった。高校に入って最初の1年は前と同じぼっちだったけど、高2になってから『彼』と同じクラスに入った。
『彼』は誰にも気兼ねなく話し掛けてくれる。僕は初めて位に他人と喋るようになった。『彼』とは帰る方向も同じだったようで一緒に帰ったりもした。
「俺達親友だよな!」
『彼』が言ってくれた言葉で多分1番嬉しかったんじゃないかなぁ。それからの生活は『光』の多い生活だったんじゃないかな。
ただ、『光』に満ちた生活には当然『陰、闇』も出てくる
。元々『陰、闇』の多かった僕だ。すぐにボロが出てしまう。
そしてバレてしまった。バレたバレたバレたバレたバレたバレたバレたバレた。
しかも『彼』にバレた。
その時に多分僕は壊れた。何かが外れた。
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あの日あの時何か違う選択肢があったのではないか、そう思う時もあった。でももうそんなもんはやめた。というより感じなくなった。
僕と『彼』でやってきたことを後悔はしていない。
ここは学校の屋上。いつもは閉まってるけどもう僕が開けている。
風が気持ちいい。遠くには都市部のビル群が見え下を覗けば学校の中庭。今は授業中だから誰もいない。
「心の準備はいいかい?」
僕が茶化すように言う。きっと『彼』は僕を狂人のように思っているんだろう。
「ああ、いいよ」
『彼』はそんな風に言ってくる。親友は持つべきだ。なんて生温い。そして居心地がいい。そして何より……
使いやすい。
気づいたら僕の顔は笑っていた。
そうだね、君の言う通り僕は狂ってるのかもしれないね。
そしてそっと目を閉じる。
「なあ、親友だろ?取引、いや交渉をしよう」
多分これが1番印象に残っている言葉かもしれない。
風を感じる。
ただただ身体は落ちていく。
もう堕ちきっている僕にお似合いだ。
「さよなら、僕の人生」
きっとこれで『彼』は1人だ。『彼』は孤独だ。
そう、全ては僕の中にある。