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矢車図書館の黒き猫  作者: 九瀬蝶
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噂に聞く謎の図書館

その図書館は、一見風変わりな場所に建っていた。

誰が建てたのかを知る人は少なく、門や塀には茨が絡みつき、ふとすれば図書館とは分からない。

それでも、それが図書館だと皆知っていたのは、思いのほかそこが人気のスポットだったからだ。

今ではほとんど店頭に並ぶことの無い古い本から、新作のものまで、どうしてと思うほどに揃えられていて、幅広い世代の人々が、毎日訪れている。

ひっそりと建つその図書館は、決して無人というわけではない。噂によると、年老いた男と若い男女数人がそこで働いており、建物内はいつも綺麗だそうだ。図書館を囲うようにして生えている矢車草は、見事としか言えない。そして、ステンドガラスを通して壁に映る色とりどりの太陽の見事な光が、密かに若い人の人気を呼んでいるらしく、そこに向かって願い事をいえば願いが叶うとか、その他諸々の噂も存在する。


僕は今年の夏、その図書館の近くにある別荘が多く点在する森に訪れた。幼い時、よく父さんに連れてきてもらった事はあったけど、その父さんが海外に出張中で、母さんも親戚の結婚式に出席しているから、今日は一人だ。

それでも僕が、どうしてもまたここに訪れたかったのは、理由があったからだ。とある少女に会うため。


去年の夏、古ぼけた図書館、矢車図書館で出会った黒髪の少女。



「……キミは、どんなのがお望みかな?」



「…本は「世界」だ。作者の思う通りに動く望みの「世界」」


「今の世界が住みにくいと思うなら、思う通りの世界を、自分で作れば良い」


「わたし達はいつでもキミに力を貸すよ」



「本の世界を「セカイ」にする力を」



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