表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

能力者・ナツと愉快な妹たち~4~

「オト……」

「なに?」


 オトの手がゆっくりと母さん…カホの頭の上で動く。

 カホが気持ちよさそげに目を閉じている。

 オトの意外な属性に俺は驚いた、普段の学園生活とはかけ離れすぎているオトの行動に少し引き気味だ。

 いつものオトなら『なに、クヨクヨしてんのさ! アハハハ!』と、こんな感じで相手の頭を軽くはたくはずだ。

 それが、ものすごく優しく撫でているのだ。


「おまえ、慣れてるな」

「うーん。なんでだろうね」


 そういえば…オトには実の妹がいると聞いたことがある。

 妹をかわいがるあまり、両親から何度も注意されたという話だ。

 どうりで撫で方が尋常じゃない。

 あの手の開き具合、手首の角度、腕を動かすタイミング。

 すべてが完璧だ。

 生まれてこの方、人の頭なんて撫でたことがない俺でもわかる。


「カホちゃん、泣かないの」

「うっ」


 まるで本当の姉妹の姿がそこにあった。


「カホのことを任せる」

「え?」


 俺はオトにカホを任せ素早く靴を脱ぎ、足早に台所へむかう。

 これ以上、妹化した母親の姿などみたくない。

 背後からオトの声が聞こえたが無視だ、無視。


 俺は台所に入ると、一息をついた。

 冷蔵庫を開け、中からゼロカロリーの炭酸飲料水を取りだしコップに注ぎ、いっきに飲み干す。

 炭酸はいい。

 ネバ付いた口内をすっきりとさせ、脳に軽い刺激をあたえてくれるのだからだ。

 空になったコップをテーブルに置き、俺は買い物袋からカホ…母親が買ったものを取り出し冷蔵庫に入れていく。


土鍋を棚から取り出して、土鍋に鍋の素を入れ沸騰させた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ