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掌編.「亡命者」

作者: ゆめみるる
掲載日:2025/12/14


 アタシは、貂蝉ちょうせんと言って、超国家主義で、超戦闘的な軍事独裁主義の、某国のスパイなんです…


 スパイになるために、想像を絶する過酷なサバイバル訓練を受けて、超人的な肉体と精神の強靭さを養って、日本の”ニンジャ”のような戦闘マシーン、軍事アンドロイド、に生まれ変わった…


 貂蝉というのも、コードネームで、本名は朴訥美という平凡な名前。三国志で、かの英雄呂布を暗殺した女刺客にちなんでいます。


 スパイに志願したのは、もちろん、特権階級・SSSクラスの栄誉市民になるため…終生の、栄耀栄華に包まれた、贅沢三昧の暮らしが約束されている…ですが、それまでに3年間スパイとして優秀な勤務成績を上げなければいけないのです。


 スパイというのはいわば「存在X」。いるかいないかわからない謎のシャドウ、と、そういう立場なので、普段は普通の市民に隠れて、何食わぬ顔で生活していて、他にどんなスパイがいるとか、上司がどういう人物かとか、そういうことはアタシにも全く分からなくて、だから機密漏洩が怖いからだろうけど、アタシたち?はただ指令をこなすだけの末端の使い捨ての猟犬みたいなものなのです。


 ブラックカードと、特殊なパスポートは支給されていて、どんな場所、どんな国にも顔パス。というより顔を持たない透明人間のような立場です。


 某国の最高峰エリート大学をトップで卒業したアタシは25か国語がペラペラで…あ、だけど自慢はこれくらいにして、「ストーリー」を始めていかないと?なにしろ、話自体はすごく短くて、むしろシンプルなんです。


 最初の指令をこなすべく、アタシは日本の東京に潜伏していました。連絡手段は、最新鋭の、だけどメーカーとかは不詳の、アイフォン100でした。


 暇つぶしにスマホで100手詰めの朝鮮将棋を解いていると、本部から緊急連絡が打電された。


「貂蝉か?困ったことになった。クーデターが起きて、国家が転覆しそうだ。指令はキャンセルで、至急帰国せよ!次の指令を待っているように」

「ええ?!クーデター?じゃ、じゃあ、祖国はどうなるの?アタシの身分は?」

「全くわからんし予断を許さん状態だ。身分の保証も不可能だし今後の状態もブラックアウトだ」

… …


 それっきり連絡は本当に”ブラックアウト”して音信不通。やがて、大規模な内戦が始まって、到底帰れない状態になった。


 が、アタシは持ち前の適応性を発揮して、日本で人気者になることに成功して、今は巨万の富と成功、人気を得ているのだ。


 誰も本気にしないアタシの来歴を真実そのままに語って、動画サイトやネットのいろんなサイト、SNSで「大ウソつきか?正真正銘の亡命者か?」と話題を呼び、人気者になったのだ。


 で、ついでに「ガールズEXILE」というKPOPグループを作って、リーダーになって、メガヒットも飛ばしたりしている。


「EXILE」はもちろん「亡命者」という意味なのである…



<了>

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― 新着の感想 ―
コメントありがとうございました。 早速伺わせていただきました。 亡命者、面白かったです。続き、読みたくなりました。 また伺わせていただきます。
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