俺に文句が有る奴、全員練武場に来い!
地球には幾つもの神話があるけど、その中で「糸」に関わる逸話は……
すみません。
また、ちょっと長いです。
1週間の集中鍛錬で実戦で使える様になった俺は王都に戻り、冒険者ギルドで1週間分の狩ったモンスターを売り、冒険者ギルドを後にしようとしたが……
「待て!」
「……俺か?」
「お前以外に誰が居るんだ!」
「用件は?」
「ボクと勝負しろ!」
「何故だ?」
「……さ、サラさん達を解放するんだ!」
「……は?」
身なりは良いが、何を言ってんのこのバカは?
「お前が遊び歩いている間、サラさん達はお前の為に命懸けで働いていたんだぞ!」
「それで?」
「だから、寄生虫のお前が居なくなれば、サラさん達は解放されるんだ!」
「……以上か?」
「な!」
「俺達の事を、他人であるお前に文句言われる理由は無いし、ましてや、お前の不満でチームを解散する事は無い」
当然、いつの間にか集まった冒険者達が野次馬をしていたが、大抵の奴らは俺の意見に賛成していたが、バカのサクラかは分からないが、数人が「そうだ、解散しろー!」とか吠えている。
……はあ。
「俺に文句が有る奴、全員練武場に来い!」
先程のバカと4人のバカの賛同者が付いて来た。
勿論、野次馬な冒険者達は練武場の観客席に移動して、どちらが勝つか賭け始めていた。
それと、カウンターに居た受付嬢が、俺達の移動に気付いて付いて来た。
「面倒臭いから、何でも有りで殺人は無しでやろう」
「「「「「……な!?」」」」」
「よろしいのですか?」
「ああ。その代わり」
「その代わり?」
「負けた方は、冒険者カードと服と靴以外の全ての所持品と所持金を没収な」
「「「「「は!」」」」」
「当たり前だ。こんな茶番に付き合うのだからな」
「……良いだろう。その条件をのんでやる!
構わないな、皆!」
頭に血が上った啖呵は、周りにも強制したが、残った4人も承諾した。
「聞いたな、受付嬢」
「は、はい」
「じゃあ、開始と終了の合図をよろしくな。
因みに、俺の名はゼンだ」
「ボクの名前はリリックだ」
「分かりました。では構えて……始め!」
「「「「「死ねぇ!」」」」」
「……ふう」
全て右ボディブローで沈めよう。
「……がはっ!」
「ごばぁ!」
「ぎぃ!」
「げふぅ!」
「ぐはっ!」
バカ達は10秒過ぎても立ち上がれずにいた。
俺は、受付嬢に視線を向ける。
「……勝者ゼン!」
勝負が決まり、観客席では少人数が喜び、大多数が絶望していた。
「……む、無効だ!」
「何故だ? 俺が攻撃して、お前らが防げず躱せずに喰らい、10秒以上も立ち上がれなかった。
充分な判断理由だと思うが?」
「それは、お前がズルをしたからだ!」
「どんなズルだ?」
「そ、それは何か魔道具を使ったんだ!」
「俺が最初に『何でも有り』だと言って、お前らも承諾した筈だが?」
「そ、それは……」
「俺からの『何でも有り』に承諾して於いて、更に1人対5人でやったにも関わらず負けたら無効か?」
「「「「「……」」」」」
「……ち、父上に言ってやる!」
「……はい?」
今、こいつは「父上」と言ったよな!?
「ボクの父上は、この国の伯爵で、2番目の兄上は国王陛下の側近なんだからな!」
「「「「そうだそうだ!」」」」
「ボクが言えば、お前みたいな平民はどうとでも出来るんだからな!
分かったら、お前みたいな寄生虫は、サラさん達の前から消えるんだ!」
そんな事を、腹を押さえて立ち上がれないバカ共がギャアギャア言っていると、誰かが伝えたのか、バカの父親らしき貴族のオッサンと私兵らしき野郎共5人が練武場に来た。
「リリックが苦しんでいる!
これはどういう事だ?」
受付嬢は一部始終を聞いていたみたいで、貴族のオッサンに説明した。
「……なる程な。おい!」
「「「「「はい!」」」」」
「あのガキを捕らえろ」
「お待ちください。この勝負は正々堂……」
「黙れ! そんな事は関係無い!
平民のガキがリリックに勝つなんてあってはならない!」
……バカの親はバカか。
「……受付嬢さん」
「は、はい!」
「無関係者全てを追い出して」
「わ、分かりました」
俺の言葉に応じて受付嬢は、無関係者全てを練武場から全て追い出した。
「……大人しかったな」
「ふん! 最後の慈悲だ」
「そうかい」
「さあ、貴様の最期だ!」
「お前等には出来ないかもしれない」
「……やれ」
「「「「「死ねや、ガキが!」」」」」
貴族のオッサン以外は、俺の腹パンや回し蹴りとかで沈んでいる。
「……よ、良いのか?」
「何が?」
「平民である貴様が、貴族である私に手を出せば分かっているのか?」
「お前等こそ、分かっているのか?」
「何をだ?」
「誰に剣を向けたのか」
「……?」
俺は、アルファーザス国の王家の短剣を「倉庫」から出して見せる。
「……あ!?」
「さて、問題だ。この短剣は何でしょうか?」
「そ、それ、それはお、王家のた、短剣」
「正解。では、この王家の短剣の意味は?」
「……も、申し分ございません!」
「何が?」
かなり重く低い声で問うた。
「……そ、それは……」
「言い訳無用。この国の王家は、この短剣の持ち主と、何人も居る伯爵の1人。
どちらを守るかな?」
「……く」
この後、受付嬢に衛兵を呼んで貰い、その間にコイツらの所持品と所持金を全て没収して、衛兵達が来たら王家の短剣を見せてコイツらを拘束させて、バカの取り巻きと私兵共は衛兵達の詰所の牢屋へ、俺とバカ親子は馬車に乗って王城に向かった。
王城に到着した俺は宰相と、このバカ親子の長男を呼んで、バカ親の引退手続きと嫡男への爵位相続の手続き、バカの貴族籍の剥奪と王都追放の手続きをした。
……ざまぁみろ!
翌日は、マリーベルだけ身を守る駒が無いなと思って、転生後、マリーベルと一緒に初の奴隷館に行ってみる事にした。
「執事のエンザルの地図だと、この辺りの筈だけど……有った!」
「アレですね」
「じゃあ、予定通りに」
「はい」
緊張しつつ入ってみる。
「ようこそ、奴隷館ターザスへ。
私、当奴隷館の館主ターザスでございます。
今日は、どの様なご用件でしょうか?」
形的には、マリーベルの従者を装う事にした。
「では、お嬢様。戦闘が出来る女性で10代半ばから20代半ばまでで、よろしかったでしょうか?」
「それで良いわ」
「分かりました。それで頼む」
「承知しました。少々お待ちください」
俺達は、応接室に案内され待っていると、10分程でターザスが10人の女性奴隷を連れて来た。
「この奴隷達が、お勧めです」
……ハリ○ッド系アクション女優な女性奴隷を除外したら1人だけしか居ない件について。
残った1人に色々と質問したが、奴隷になった理由は、仲間に騙されて借金を背負わされ払えなかったからみたいだ。
それと、一応は裏切った冒険者パーティーの名前と外見を聞いておく。
外見は、綺麗系の顔と長身でスレンダーな魔術士で、元リーダーで元子爵家令嬢(21歳)。
本人曰く、14歳ぐらいまでは平均身長だったが、18歳までにどんどん伸びて180cmぐらいまで伸びたお陰で、婚約破棄からの貴族籍を除籍され勘当される。
運良く人格者な冒険者に拾われ実力を付けたが、その冒険者が結婚する事になりパーティーは解散。
その後、3人組の女性だけのパーティーに加わり話し合いの結果、そのパーティーのリーダーになるが、この3人は別の冒険者パーティーの借金を騙されて背負わされていて、3ヶ月後にちょっと無理して大きな仕事をやり遂げ、依頼達成パーティーで酔わされ借金を押し付けられる。
その借金の書類自体は正式な物だった為、彼女が返すしかないが、借金が莫大で全て返す事が出来ず借金奴隷になる……と。
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