御忍びで来た貴族様のご子息ですか?
先ずはジャブで!
俺は更に言った。
「盗賊に捕まった女性の未来なんて絶望しかない。それを分かっていた彼女達は、時間稼ぎの為、お前達に少しでも希望を持たせる為の犠牲になったんだ」
「……」
「仮に、本当に売られたとしても、経験の有無が値段を大きく変わる。
高く売れれば、売られた先で大事にしてくれるかもしれない」
「……」
「それに、盗賊に捕まっている間に救けられる可能性だってある。
そうなれば、綺麗な身体のままのお前達3人は、受ける傷が浅くて済む」
「……ごめんなさい」
俺は、顔の腫れを治さず放置した。
翌日、あの馬鹿は、俺達が6人部屋に行くと聞いて付いて来た。
そして、馬鹿は部屋に入ると土下座した。
「昨日、あんな暴言を吐いてごめんなさい!」
彼女達も、熱が引いても腫れはそのままの馬鹿を見てびっくりしていた。
どうやら、馬鹿は心を入れ替えたみたいで、彼女達6人を自分の商会で働かないかと申し出た。
……結果報告だが、あの馬鹿……いやレザリーは、全員を引き取った。
それと、本当に大商会で街の顔役の1つで、レザリーの両親や商会長の祖父に大変感謝されて、全商品4割引きの権利を貰い、調味料とかを買いまくった。
他にも、万が一的な時用に、男女兼用の服をSMLに3Lを上下合わせて20セット買い、他にも麻布や絹の布地を20セット買ったり、外套を5セット買った。
更に有ったら便利なサバイバル道具も、これを機に買った。
「いや~、買った買った」
「ゼン殿、沢山買ったであります!」
「幾ら何でも買い過ぎです。4割引きで白金貨1枚を超えたのですよ」
「気にするな。全部、何処かで使える物だしな」
「そうでなければ、止めています!」
次に、赤い巨大蜘蛛なんだが、討伐難易度がSランクで名前が「クリムゾンクィーンスパイダー」で、素材の「糸袋」だけ残して、それ以外を全て売った。
「大金貨3枚に金貨9枚になります」
因みに、残した「糸袋」は、大金貨5枚になる。
……やっぱり、ギルドマスターに呼ばれたが、案内してくれた受付嬢さん……紫の総レースをありがとうございます!
「オレがギルドマスターだ」
「Cランク冒険者のゼンだ」
「それで呼んだ理由だが……」
呼ばれた理由は予測としては2つ有る。
1つは、俺の強さに付いてで、もう1つは「それなら、頼みたい依頼が有るのだが」って、感じだろう。
最初の内容をスキップしよう。
「騎士団長が冒険者になっても、戦闘力までGランクにはならない。 他には?」
俺がそう言うと、ギルドマスターは口をパクパクさせていると、諦めた顔をして言った。
「……無い」
「退室しても?」
「許可する」
宿屋で夕食を頂いた後、リンとランに言った。
「ちょっと遊んでくる」
「明日の夕食までには戻ってください」
「わ、分かった」
ランという前例が有るからなぁ。
「……気を付けよ」
そんな訳で、フィリープ大商会の買い物中に小耳に挟んだ情報が、大変気になり行ってみる事にした。
因みに、その情報とは歓楽街の最上級娼館でオークションが有るらしい。
1人の娘を娼婦として働かせるが、本人の強い希望で、最初の「水揚げ」をオークションに掛けると。
……到着したが、当然だが俺の外見で止められそうになったが、マジックショーの要領で、両手の指に白金貨を合計12枚を見せたら丁寧にオークション会場まで案内された。
「オークション参加者は、俺を抜いて8人か」
暫く待っていると、如何にもな男性と見事な黒髪の美少女が現れた。
しかも、その美少女の身体を覆う布が、身体の3ヶ所を隠しているが、その面積は最小限だった。
俺は、周りから「ゴクリ!」という音が確かに聞こえた。
確かに、あれ程の美貌とスタイルならオークションも「有り」だな。
因みに、外見のイメージは、JKverの佐天○子だ。
「それでは時間になりましたので、オークションを開催したいと思います」
「「「「「「「「おお!」」」」」」」」
「それでは、金貨10枚から!」
「金貨11枚」
「金貨20枚」
「金貨30枚」
「金貨41枚」
「金貨……」
……うわぁ。
どんどん値が釣り上がっていくな。
一応、案内してくれた男性からルールを教えて貰っていたが……凄いな。
それで、俺の居る位置だが、金は持っているが、外見年齢が10歳な為に、最前列の彼女の真ん前だ。
だから……聞こえた。
『……仕方ないよね』
……彼女の呟きを日本語で!
「……しゃーないか。金貨210枚だ!」
「金貨250枚」
「金貨270枚」
「金貨300枚だ!」
「金貨350枚」
「金貨500枚だ!」
「金貨550枚」
……しつこい!
「金貨900枚だ!」
「……」
王都のオークションなら兎も角、幾つもある街のオークションなら大した事は無い筈だ。
「他に居られませんか? ……それでは金貨900枚で落札です」
俺は応接室に通され四方を武闘系のオッサンに囲まれていた。
理由を察した俺は「倉庫」から小袋を出して、その中から白金貨9枚取り出す。
四方に居るオッサンに確認して貰うと、空気が軽くなった。
その時に、向こうの人が現れ、白金貨9枚を確認すると白金貨9枚を回収され、彼女が待つ部屋に案内された。
そして……
「あははは。まさか、最前列に居た君が落札するなんてね。
御忍びで来た貴族様のご子息ですか?」
……さて、制限時間も有るし、やるか。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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