まさか、この2人が負けるなんて……
やっぱり、修業シーンはカットしました。
俺はラノベの知識と現地の知識を参考にして、門番からのオススメされた宿屋を探した。
「……有った。小鳥の鈴鳴り亭だ」
俺は宿屋「小鳥の鈴鳴り亭」に入り、1人部屋を取る事にした。
「風呂付き1人部屋は有るか?」
「風呂付き1人部屋は1泊銀貨1枚で、宿屋から出す朝夕の飯は別払いだよ」
「とりあえず、銀貨7枚」
「7泊だね。 ……部屋は2階の1番奥で、コレが鍵だ。出る時には、受付に預けておくれ」
「分かった」
俺は2階に上がり部屋を確認すると、受付に鍵を預けて、冒険者ギルドに向かった。
冒険者ギルドに入ると、視線の洗礼を受けるが無視して、カウンターの受付嬢の所に向かった。
「ようこそ、辺境の都市ブルムドラの冒険者ギルドへ。今日はどの様なご用件ですか?」
「先ずは、この都市での注意事項は?」
「……そうですね。11日後に、ブルムドラ辺境伯の御嫡男『アルアラン』様の婚約者『ベリーシア』侯爵令嬢様が来られますから、ご注意ください」
「他には?」
「北の大森林の中層以上には行かない様にしてください。Bランク冒険者チームが、未だに行方不明のままです」
「分かった。後、冒険者同士の喧嘩で、ギルドとしての対応は?」
「死亡者が出る場合とギルド内の備品の損壊具合で介入しますが、それ以外は基本的に不介入となります」
「相手が、殺人表明して武器等を抜いたら?」
「その時点で、その者は盗賊と同様の扱いになります」
「分かった。それで、此処に来る途中に盗賊共を1つ潰したんだけど、何処に報告とかをしたら良い?」
「……盗賊共を潰した?」
「ああ」
「そ、それでしたら解体場にお願いします。
しかし、本当ですか?」
「それなら、一緒に来たらどうだ?」
「分かりました。一緒に行きます」
こうして、美人の枠内に確実に入る受付嬢に案内されて解体場に向かった。
……綺麗な桃が魅力的な後ろ姿だった!
「此処が解体場です」
この後、解体場のおっちゃん達の指示に従い盗賊共の首級を全て置いて、序でにオークを3匹出した。
「こ、これは! Bランクの討伐指定されている『泥狼』盗賊団だ!」
「おい、見ろよ! このオーク、全て首切りの一撃しか外傷が無いぞ!」
……Bランク討伐指定!?
俺は早々に覚悟を決めた。
だから言おう、あの台詞を!
「俺、何かやっちゃいましたか?」
……スルーされて、普通に受付嬢が言った。
「少々、お話ししたい事が出来ましたので、お時間頂いてもよろしいでしょうか?」
「……はい」
冒険者ギルドの3階のギルドマスター専用の応接室に通された。
しかし、此処で朗報だ!
覚悟を決めた事で、心に余裕が生まれて嬉しい誤算が発生した!
過去の先輩達の努力の結果か、この世界の下着は現代地球レベルだ。
つまり、階段を上がるのだが、案内する手前、受付嬢が先行し、背の低い俺が後から追従する。
……後は分かるな?
赤い布地と赤いレース……ありがとう!
「待たせたな」
「ギルドマスター。この子が、そうです」
ギルドマスターと呼ばれたオッサンの外見は、野盗とか山賊が似合う風体で、貴族が着る様な服装をしている。
「さて、早速だが本題に入ろう。
盗賊やオークを討伐したのは、本当にお前か?」
「俺だ」
「……それなら、実力を証明して貰おうか」
「何をすれば良い?」
「練武場で、此方が用意した人物と模擬戦をして貰う」
「分かった」
俺達は、冒険者ギルドと併設している練武場に移動した。
予め呼んでいたのか、待つ事30分後に20代前半のカップルが近付いて来た。
「ギルドマスター。オレ達は、昨日依頼を済まして、今日は休日だぞ」
「そうよ。割り増しじゃないと帰るわよ」
「分かっている。このガキと模擬戦したら、銀貨3枚だ」
「8枚だ」
「……5枚だ」
「分かった。5枚で引き受ける。このガキと模擬戦だな」
「ああ」
待っている間に、模擬戦のルールを聞いて、模擬戦用の武器も準備してある。
相手の準備が出来次第、模擬戦が開始された。
「しかし、ガキ相手にギルドマスターは、何を考えているんだ?」
「知らないわよ。とりあえず、銀貨5枚分の仕事をするわよ」
「分かったよ……おらぁ!」
開始の合図がされたにも関わらず、愚痴っていたと思っていたら、いきなり突撃してきたが、完全舐めプの大上段からの振り降ろしだったから、憧れの「彼」の真似をしてギリギリに左側に避けて右回し蹴りを放つ。
「疾っ!」
「くっ……」
……が、スウェーして躱したから、そのままの勢いで1回転して、再び回し蹴りを腹にぶち込む。
「……させないわ! 水矢!」
しかし、向こうの相方からの牽制と妨害目的の水矢が放たれた。
「ちっ!」
「おらぁ!」
俺が水矢を躱す事で出来た隙を突かれたが、野郎の中段からの一撃を掻い潜り、合気道や柔道的な足捌きで、向こうよりも一歩早く懐に潜り、裏蛇◯山を決める。
「ぐはっ……」
「クロード!」
「風撃槌」
「かはっ……」
向こうは仲良く同時に倒れると受付嬢の綺麗な声が練武場に響き渡る。
「勝者……」
「ゼンだ」
「勝者ゼン!」
……観客席では、賭けをしていたみたいだが、勝ったのは2人ぐらいで、両方とも銅貨が大銀貨に変わったみたいだな。
「まさか、この2人が負けるなんて……」
「全くだ。模擬戦とはいえ、ガキに負けるとは思わなかったな」
「全くよ。しかも、第2位階魔法を詠唱破棄で放つなんて……」
「ギルドマスター。これで分かったか」
「ああ。それと、ギルドマスター権限でお前のランクをDランクにする。リファ頼む」
「はい、ギルドマスター」
この後、カウンターで受付嬢のリファにギルドカードを渡してランクアップをして貰い、オーク3匹の解体が済み、討伐報酬とオークの肉に、盗賊団の討伐報酬で、合計が大金貨5枚と金貨8枚と大銀貨3枚を受け取り、冒険者ギルドを出ようと歩き始める。
「ちょっと待てよ」
テンプレか……と思って後ろを振り向くと、先程、練武場で模擬戦をしたカップルだった。
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