……どうせなら、最上級の方が良いだろ?
ある種の非道を行う主人公。
形の上では「祈り」を捧げていた俺に対してシスターが声を掛けて来た。
「それは良い事です。創造神アドラディア様も、貴方の様な敬虔な信徒には、良き導きを与えられる事でしょう」
「ありがとうございます」
そう言って胸部装甲スイカ級のシスターと別れると、神殿の正面玄関で待っていたと思われるロザリアとリンがナンパされていた。
「……だから、さっきから言っているでしょう!
私達は仲間を待っているのよ!」
「その通りですね」
「分かった分かった。本当はそんな仲間も居ないし、恥ずかしいだけだろ?」
……宇宙人を発見!
「待たせたな」
「お、おい……」
「遅いわよ!」
「そうですよ」
「悪いな。こう見えても、俺は創造神アドラディア様の敬虔な信徒だからな」
「……ウソ」
「ウソですね」
「2人共、酷いな」
「「「……」」」
宇宙人なナンパ野郎3人を完全無視して俺達は会話をしていたから、宇宙人なナンパ野郎がブチ切れそうだ。
「しかし、この神殿は門が広いよな」
「何を言っているのよ?」
「いやだって、ゴブリン3匹が敷地内に入っているのを認めているからな」
「確かにそうですね」
此処でリンが、宇宙人なナンパ野郎3人をチラリと見るという煽りをする。
「「「……巫山戯るな!」」」
……はい、3人の抜剣を確認。
「「「ゴバァッ……」」」
右リバーブローで宇宙人なナンパ野郎3人の左肋骨を折る……だけに終わらず、ちょっと「デンプシー○ール」が入った所為で、折った肋骨が内臓に刺さったみたいで3人共、血を吐いた。
「小治癒」
俺は、折れた肋骨が内臓に刺さる手前の所まで回復させた。
そして、ちょうど何事かと様子を見に来た先程の胸部装甲がスイカ級のシスターが来たのが見えたから、小治癒の時に迷惑料として徴収した全所持金を1つの袋に纏めると話す。
「どうされました?」
「どうやら、身体の調子が悪いみたいで……」
「そうでしたか」
「それで、このお金を寄進しますので面倒を看てくれませんか?」
俺は、シレっと徴収した全所持金をスイカ級シスターに渡した。
「分かりました。苦しむ者を救うのは私達神殿の者の務めです」
「それと、少し会話が出来たのですが、どうやら女性が極度に苦手な様なので、男性の方にお願いしたいのですが……」
「分かりました。その様にいたしますね」
「ありがとうございます」
俺がアカデミー賞並みの名演技で嘘を吐く。
……こら、ロザリアとリン。
他人のフリをしないの!
こうして、宇宙人なナンパ野郎3人は、服の上からでも判るボディビルダーな身体の男性神官が、嬉しそうに運んでいる。
そして、スイカ級シスターと別れを告げた俺達は、屋台でオーク肉の焼き串を買い、近くの公園でのんびりした。
「ねえ、ゼン」
「何だ、ロザリア」
「これから、どうする?」
「……そうだな。ロザリアが、徒歩での移動が大丈夫になったし、馬車でも買うか」
「……矛盾してない?」
「いや。ブルムドラから出発してから、その日の夕食前に足のマメを治癒しただろ?」
「……うん」
ロザリアが、ちょっと恥ずかし気に頷く。
「あの頃に決めたんだ。
徒歩での旅が大丈夫になったら、乗り合い馬車を利用して本格的に……と思っていたが、今は馬車を買っての冒険の旅も良いなって」
「ゼン……」
「それに、この都市ギールベルの周辺には都合の良いモンスターが存在するしな」
このモンスターの情報は、宿屋の女将ヘレンさんから聞いた。
「あ!」
「そう、真紅星馬だ!」
この真紅星馬は、冒険者ギルドでAランクモンスターに認定されている。
どんなモンスターかと言うと、種族的には戦闘魔馬の一種で、外見は深紅の身体に艷やかな黒い縦髪、額には鮮やかな銀色の星模様がついて、その星の中心に真紅の角が生えている。
そこから、この「真紅星馬」の名前が付いた。
そして、何よりも騎馬用としての最上級なのだ。
……どうせなら、最上級の方が良いだろ?
そんな最上級の戦馬が、この都市ギールベルの南東の大草原に居るのだ!
「本気なの?」
「そうだが?」
「……ハァ。行きましょう」
「リンは?」
「私に否はありません」
「決まりだ!」
そんな訳で、馬車の制作を先にしておこうと冒険者ギルドに向かった。
「……どうされました? 何か忘れ物ですか?」
運良くチーフ受付嬢のライラさんに声を掛けられた。
「いや、馬車を購入したいから、良い馬車屋を紹介して貰おうと思って来た」
「……畏まりました。私の紹介で良ければ教えします」
「それは良かった。最も信頼する人から教えて貰える」
「……ふふ。分かりました。私が知る1番良い馬車屋を紹介させて貰いますね」
俺は、オーダーメイドに強い馬車屋をチーフ受付嬢ライラさんから教えて貰い、その馬車屋に向かった。
……因みに、個室で聞いたからチーフ受付嬢ライラさんから良い匂いが漂っていた。
「……この辺りだな」
「ゼン様、アレでは?」
南の正門に近い所に、目的の馬車屋が有った。
「誰か居ますかー?」
中を覗いたら誰も居なかったから、ちょっと声を出してみた。
「……お待たせしました」
中から出て来たのは、ガン○ムの「水○の魔女」で、ハエ叩きをした彼女に似た女性が、俺達の対応した。
「オーダーメイドの馬車を依頼したい」
「それは構いませんが……」
金なら有る!
「白金貨1枚を前払いで!」
「……え!?」
外見年齢10歳の少年と、2、3歳年上に感じる黒猫人族に、18歳ぐらいの美少女の3人組が、貴族にとってもそこそこの大金である「白金貨1枚」を出して、俺達の相手をしたお姉さんが機能停止した。
……10分後
「大変、失礼いたしました!」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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