本当に必要な事なんだ!
説明文が長いかも?
ギルドマスターが、あの「銀の腕輪」が見たいと言ってきた。
「何故だ?」
「……確認する必要があるからだ」
ギルドマスターの真剣な顔から、俺が思っている以上の大事か「裏」が有るみたいだな。
「分かった。しかし」
「……しかし?」
「俺の秘密を何処まで守れる?」
「どういう事だ?」
「言葉通りだ」
「ギルドマスターとして、冒険者の秘密は守る」
「相手が、国王や冒険者ギルドの本部とかの1番偉い奴でもか?」
「……ああ」
「言い淀んだな。見せる必要は無さそうだ」
「待て!」
「俺は、心を殺されて人形にはなりたくない」
国とかに囚われて、使い捨ての道具はゴメンだ。
「本当に必要な事なんだ!」
「……魔法誓約書で誓えるか?」
「……分かった。魔法誓約書で誓う」
15分後に、ギルドマスターは魔法誓約書に自身の名前を記入した。
俺は魔法誓約書を「倉庫」に仕舞う。
内容は、俺の秘密を例外無しで秘匿する事と、俺と、俺と共に旅する仲間と、俺の仲間だった者達に、危害を加える事と、それに繋がる言動をしない事……にした。
勿論、違反したら、ギルドマスターは死ぬ。
「……異空間収納か」
「まあな」
そして、俺は「銀の腕輪」を出してギルドマスターに渡すとじっくり確認してから俺に返す。
そして……
「……ワード、覚醒!」
俺は、銀の腕輪を装着してキーワードを唱えたが、玩具だから宝玉が光るだけで終わる。
「……偽物だと!?」
「偽物? どういう事だ?」
「いや……しかし……それだと……お前……」
「ゼンだ」
「ゼンは、あいつらを、素の身体能力だけで倒したのか!」
「そうだ!」
「……何者だ?」
俺は、設定のバックグラウンドを話した。
「その祖父かもしれない者の名前は?」
「本人も偽名だと言っていた名前でも良いのか?」
「それなら、外見は?」
「白髪、目は青で、身長は約170cmで、顔や身体に傷無し、四肢は健全で、不得意な武器や魔法は無し」
設定の祖父の身体的特徴は、この世界の標準だし、白髪は年寄りなら当たり前の事だ。
「……そうか」
向こうの質問は終わったから、次は俺のターン。
「その腕輪を偽物と言った理由は?」
「偽物と言った理由は……」
内容は、この世界の冒険者が、AランクからSランクになる為には、特別な「アイテム」が必要となる。
因みに、此処までは冒険者ギルドの受付嬢から教えて貰えて、冒険者になった時に知った面白い話の1つだ。
そのアイテムの名前が「神遺物」と言う。
それで、名前が「神遺物」だが、別に封印されていたダンジョンの、最下層に設置されている祭壇に納められていた伝説の○○とかでは無い。
この神遺物は、形は色々だし、効果も色々だが、共通なのは強力な戦闘力の増加だ。
どれくらいかと言うと、俺のイメージで置き換えると、孫○空(無印)からスーパーな孫悟○に変わるぐらい。
次にギルドマスターがプチパニックになった理由は、この神遺物は、神々が地上に遺したと言えるからだ。
……故に「神遺物」と呼ばれる。
先ず、手に入れた者にしか使えない。
他者は、奪えても奪ったままに出来ない。
どうやら、一定時間以上持ち主から離されると神遺物が自動で転移して持ち主の手元に返るし、不壊で、他者からの形状や効果の変化は無効にされる。
因みに、持ち主が死んだり持ち主である事を放棄したら神遺物は消失するし、破棄は本人の脳内でも出来るらしい。
つまり、拷問等で喋れなくなっても破棄は出来る訳だ。
そして、他者に譲渡は出来ない。
これらの情報は、過去に数百年掛けて調べ上げた事だ。
これは、検証する為のモンスターを見つけるだけでも超大変だからだ。
しかも、各国・各種族が協力してだ。
この神遺物は、自分達が生存する為に必要だったから、確実にお互いの情報を共有したらしい。
それと、1人で複数の所持も可能らしい。
最後に、この神遺物を手に入れる方法だが、自我を持つ強大なモンスターや神獣や悪魔を「単独」で倒す事だ。
どうやら、仲間が近くで声だけの応援なら大丈夫みたいだが、ポーションを投げ当てるどころか、只の干し肉の欠片を投げ与えるだけでもダメみたいで、事前の「罠」とかの設置もダメらしい。
まるで、神々が監視しているかの様に、例外無しでダメらしい。
そして、勝つと神遺物に変わるみたいだが、その形は千差万別みたいだ。
俺は、此処までの説明を聞いて、背中に冷や汗を流した。
最初に降り立った森の最奥には、桁外れな強さを持つ紅いバ○ムート的なドラゴンが居て、超瀬戸際ギリギリで倒したら、真紅の腕輪に変化した。
装備して頭に浮かぶ「キーワード」を言うと、正にスーパーサ○ヤ人みたいに戦闘力がアップするから、ピンチの時の切り札にしようと「倉庫」に仕舞ったままにしてあるんすけど……うん、黙っとこう。
因みに、ロザリアやリンに教えていない。
それは、驚かそうという浅い理由で。
「……以上だ」
ギルドマスターの確認も終わり、俺達はギルドマスターが居る部屋から退室した。
最後に言い忘れていたが、ギルドマスターが居る部屋に行く際に階段を上ったが、チーフ受付嬢さん……ピンクが眩しかったよ!
そして、精神的に疲れた俺は、ロザリアとリンにお願いして、宿屋でのんびりした。
俺は、当時を思い出していた。
あの時は、相手ドラゴンと会話が出来て、俺は「流石は異世界だ!」とか「ドラゴンが喋っている!」とかテンションが上がっていたが、この世界でも珍しい事だったんだ。
「ねえ、ゼン」
「ロザリア、何?」
「もしかして、神遺物を持っているの?」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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省略していますが、魔法誓約書は、1枚で金貨2枚必要です。
神遺物は、レガリアとレリックを合わせた造語です




