……いや、興味が無い訳じゃないからな!
通過儀礼である、最初の盗賊です。
……きちんと異次元収納は有るな。
でも、異次元収納は長いから通称を「倉庫」にしよう。
俺は「倉庫」から小太刀を出す。
実は、俺の目の前に有る街道を西に進めば「アリタハ」という名前の村があるけど、暫くの間は、自己鍛錬したいとお願いしたら、アドラディア様から色々と物資を頂いたのだ。
この小太刀も、その1つだ。
因みに、短剣ではない理由は、この世界は既に、何度も異世界からの「勇者召喚」をしている為に、その辺りが周知されている。
だから、「オセ◯」や「プ◯ン」等で商業チートが出来ないんだよな。
序でに言えば、前任の創造神が、そっち系の沼に足を踏み入れた為に、日本人のヲタクには馴染みの深いアレコレが、様々な分野で痕跡等が有るらしい。
さて、この街道を東に進めば、他の村や街等に繋がっている。
「それじゃあ、自己鍛錬をしながらサバイバルライフを始めるとしよう」
因みに、頂いた物資の中には「サバイバルライフ・初心者編」とか「モンスターの解体の仕方」とか「薬草全集」とか「魔法全集」とか「野営の仕方」とか、実際に使う物資として「テント2人用」や「解体用ナイフ」2本に「鉄串」が数十本に「野営用結界石」等、至れり尽くせりな内容だ!
アドラディア様、ありがとうございますっ!
3週間後には、戦闘術や魔法の鍛錬をしながら、森の浅層を越えて中層がメインの狩り場となり、村に卸すモンスター素材や薬草の「単価」が上がった。
あ、冒険者登録したよ。
この世界の冒険者は「Eランク冒険者」になると、冒険者ギルドに無許可で他の村や街等への移動が可能になる。
もしくは、メンバーにEランク以上の冒険者が居れば大丈夫らしい。
もし、全員が規定のランクより下で冒険者ギルドに連絡無しで移動すると、捜索隊が結成され、強制的に戻される上に、その捜索隊に掛かった費用の全額を支払う事になる。
ローンは組めるが、拒否すれば借金奴隷行きになる。
この世界には、奴隷制度が存在するが、俺には無縁だろう。
……いや、興味が無い訳じゃないからな!
「訳有り貴族令嬢や、獣人族の美少女とか、いるのかなぁ」
まあ、この捜索隊を含む制度は、新米冒険者の無駄死を減らす為だろうと考えている。
次に冒険者登録だけど、当然だが目茶苦茶に緊張した!
あの冒険者ギルドや冒険者登録だぞ!
やっぱり、酒場に居た冒険者達からの「視線」の洗礼は有ったが、残念ながら魔力量や使える魔法属性を調べる水晶球の類は無かった。
それと説明の中に、かなり興味深いネタが幾つか有ったが、今の俺ではまだまだ先の話の為に割愛させて貰う。
それで、俺の設定は、東の辺境の寒村から移動中で祖父と俺だけとしているが、この祖父が偏屈で人族嫌いだと周りには言ってある。
ただ、この祖父は「元Aランク冒険者」だとも周りに伝えている。
そして、試験に出るポイントは、この「元」で、これを付ける事で、架空の祖父の冒険者のギルドカードを見せる必要が無い訳だ。
そして、「元」が付くとはいえ、「Aランク冒険者」だから、それなりの「物」を持っている筈だから、俺みたいなガキが「マジックバッグ」を持っていても問題が無いのだ!
やっぱり、ギルドマスターに目を付けられるのは面倒臭いよな。
因みに、モンスター素材等を売って得たお金で、衣類等の日用品や調味料等を買っている。
……まあ、調味料は残念ながら塩しか売ってないけどな。
更に2週間後には、村で買う必要があるものは全て買ったし、森の深層で、ユニークスキルの特性を生かした充分な戦闘力向上も果たしたが、魔力枯渇でもユニークスキル発動条件をクリアするとは思っていなかった。
お陰で、かなりな無茶もした。
その結果として、この森では正直な話、遊び相手すら居なくなった。
……そして、俺はEランク冒険者になった。
「ゼン。辛くなったら、何時でも帰ってくれば良いからな」
「ゼンお兄ちゃん、行かないでー!」
「ゼン。身体を大事にするんだよ」
「早くAランク冒険者になって、この村に金を落とせよ、ゼン」
「皆、行くよ」
設定の祖父は、1週間前に死んだ事にして、これを旅立つ理由にしたが、本当の理由は、超ギリギリの限界バトルをして、3日程寝込んだからだし、その3日間を「喪に服していた」にした。
後、残念ながら、ヒロイン的な美少女は居なかったよ。
何故なら、年が1番近い女の子が御年5才で、次が上で「18歳」で、下が「1才」な上に、更に下が母親のお腹の中だ。
3人中、2人が女の子なら、限界集落みたいにはならないだろう……多分。
村を出てから、丸1日が経つが、異世界ラノベに於いての金字塔のテンプレの1つとの出逢いを果たした。
「おい、ガキ。死にたくなければ、服と靴以外を置いて消えな」
「死にたくないだろう?」
そう……盗賊だ!
あの時、異世界転生を選んだ時から心構えだけはしていた。
だから……
「雷撃弾16連!」
「「「「がっ……」」」」
雷属性の弾丸を放ち、盗賊3人を討伐し、1人を行動不能にすると、怯んだ隙に太刀を「倉庫」から取り出して抜刀し2人の首を斬る。
そして、太刀を「倉庫」に仕舞い、行動不能にした盗賊に近付き、腰の小太刀を抜き、盗賊の右腕に刺す。
「ぎ…ぎゃあああーーー!」
「アジトは何処だ?」
「し、知らん!」
「……」
盗賊の右腕に刺した小太刀をグリグリする。
「がぁあああーーー……」
「アジトは?」
「し、知らんわ!」
「あっそう」
結果報告
盗賊の両耳を切り、膝刺しグリグリや、股の間の「棒と球2つ」を破壊すると、やっとアジトの場所を吐いた。
剥ぎ取り等の処理を済ました盗賊6人を片付けて、アジトの場所に向かうと、盗賊共が居たから、此方も金銀財宝目当てで頑張って盗賊共を斬首したりして後始末をした。
所持金が、合計で大金貨3枚ほど増えたし、囚われた人達は運良く居なかったよ。
結局、最後まで吐き気等が来なかった事に感謝しながら、自身の人間性の不安からちょっぴり落ち込んだ。
……もしかして、アドラディア様が善意で、グロ系の精神耐性を高くしてくれたのだろうか?
街道に戻ると、お世話になった村「アリハタ」からの街道を西に進み、本日の目的地である辺境の都市「ブルムドラ」に到着した。
因みに、国の名前は「アルファーザス」
「坊主、此処に来た目的は?」
「俺は冒険者だ」
「……分かった。ようこそ、ブルムドラへ」
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