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サービスするから!

実はリンは……

 


 翌日は、旅に必要な物資を補充したり、一応は領主館に行って明日の出発の報告をした。

 まあ、本命の報酬の内容はバレたみたいだけど、我慢してくれるみたいだ。

 アマリアは、俺を見て耳から首まで赤くしていたが、別れの挨拶は出来た。


「……お、お元気で、ゼン様」

「アマリアお嬢様もお元気で」


 翌日、つまり出発日だが、普通に乗り合い馬車に乗って出発した。

 勿論、優秀なクッションを持参している。

 数多の異世界ラノベでは、現地の馬車は最悪の評価だったからな。

 俺に抜かりは無い!


 ……優秀過ぎて、周りの視線が痛い。


 俺は外見がガキである事を利用して、周りの人達から色々と情報収集をしたが、面白い話を聞けた。


 ……ガタッ!


「キャッ!」

「ごめんなさい、お姉さん」

「良いのよ」


 温かくて柔らかい胸と、フワッとした太もも!


 ……ロザリアさん、そんな冷たい目で見ないでくださる?

 だって、男の子だもん。


 因みに、ちょっとツン気味の口調と態度のロザリアのお陰で、姉ロザリア、弟俺、ロザリアの従者リンみたいに周りに思われている。


 しかし、楽しい旅は、途中の村で終わった。


「ねえ、ロザリアさんはどうかな?」

「……」


 途中の村で追加で乗った男が、外見は良いがチャラ男だった。

 このチャラ男は、対座の俺の左右に座っているロザリアと良いクッションを胸に持つお姉さん「ヘレン」をターゲットにしていた。


 ……因みにリンは、馬車の屋根に居る。


「弟君も大事だと思うけど、ロザリアさん自身の幸せも大事だと思うよ」

「……」


 ヘレンさんが、既婚者だと分かった途端に狙いをロザリア1本に絞ってきた。


 それと、ロザリアは散々に、この手のチャラ男を、侯爵令嬢のベリーシアのメイドとして見てきたからガン無視している。

 後、名前は俺との会話で知られた。


「こう見えても、結構稼いでいるから、良い服も買ってあげられるし、弟君の面倒も見てやれる。どうかなぁ?」


 それにしても、チャラ男は、ロザリアの首の奴隷紋が見えないのか?

 隠れる様な服を着ていないぞ。


 しかし、ここでアドラ様が視ていたのか、救いの手を与えてくださった。


「盗賊共だー!」

「死ね!」

「ぎゃ……」


 そう馭者が言った瞬間、盗賊共の一言と、馭者の断末魔が聞こえた。


 普通は、こういう乗り合い馬車は、格安にする代わりに冒険者が対応するって聞いたのだが、乗ってないのか?

 そんな事を考えていると、屋根からリンが提案した。


「ゼン様。私が片付けましょうか?」

「偉そうな奴と、その周りの2人以外を処理してくれ」

「畏まりました」


 すると……


「何だ、この獣人族のガキは?」


 ……と、いう言葉を最後に、盗賊共の断末魔が響き、1分も経たない内に静かになった。


 俺達は馬車から出ると、処理された盗賊共は首と胴体を分けられ、俺の指示通りに3人を拘束していた。


「お疲れ様」

「そんな事はありません」


 リンは謙遜……通常運転で答えた。


「リンは、処理した盗賊共から剥ぎ取りをしていてくれ」

「分かりました」

「俺は……」


 俺は拘束された3人の前に立つ……あ!


「乗り合いの皆さん。ちょっと耳が汚れるかもしれないから馬車に乗ってて」


 ロザリアが動いてくれたから、馬車から降りていた皆さんは馬車に乗った。

 そして、馬車の乗口から此方が見えない様に、ロザリアがちょっと馬車の向きを変えた。


 それを確認した俺は、3人に平和的なお願いをした。


「アジトは何処かな?」


 ……意外と、ナイフでグリグリは有効だった。


 留守番をリン達に任せて、俺は駆け足で盗賊共のアジトに向かい、最速でアジトを処理して帰った。


 ……運良く、囚われた人達は居なかったよ。


 帰ると、馬車の屋根にはチャラ男が簀巻きにされて固定されていた。


「アレは?」

「ゼン様。アレは、ゼン様が留守の間、ロザリアを口説き続けたので処理しました」

「見事だ、リン」

「恐れ入ります」

「ロザリア、災難だったな」

「全くだわ!」


 俺は、皆さんに声を掛けた。


「皆さん、お待たせして申し訳ありません。

 お詫びとしてですが、どうぞ受け取ってください」

「「「「「「……?」」」」」


 俺は皆さんの手を握りながらお詫びを言い、皆さんの両手の間には金貨1枚を入れた。


「……ちょっと!」

「受け取ってください」

「……分かったよ」


 1人が受け取ると、残りの皆さんも受け取ってくれた。

 最後にヘレンさんに詫びると言ってくれた。


「何処で降りるの?」

「最終の都市ギールベル」

「それはちょうど良かった。うちの宿屋で泊まりなよ。サービスするから!」

「……良いのですか?」

「命の恩人だからね」

「……ありがとうございます」


 ……何か、宿屋の人に縁が有るな。


 馭者は適当な布地で包み「倉庫」に仕舞い、馭者が出来るリンが手綱を握った。


 1回野営をして、翌日の午後2時ぐらいに終点の地である都市「ギールベル」に到着した。

 皆さんは、それぞれに散り、俺達とヘレンさんは正門の詰め所に行き、事情説明と盗賊の討伐報酬を受け取った。

 勿論、馭者さんも引き取って貰ったが、笑い話が1つ有った。

 あのチャラ男は、指名手配された詐欺師だった。


 しかも、結婚詐欺の。


 当然だが、報酬が出たのだが、受け取りたくなかったから、馭者の遺族に渡す様にお願いした。

 それで、この乗り合い馬車は、届け出が必要な為に身元が分かるから、遺族に渡す事が出来るみたいだ。


 やる事が全て終わり、ヘレンさんの案内でヘレンさんの宿屋に向かった。


「此処が、私の宿屋よ」

「……デカい!」

「まあね。この都市でも1、2位を争う宿屋だからね」

「……その分、お高いんですよね?」

「勿論よ! うちの宿屋は決して安くないけど、満足させる自信はあるわよ」

「……じゃあ、お願いします」

「3名様、ご案内~」


 まあ、これで満室とか、スィートルームしか空いてないって言われたら笑ったけど、4人部屋が空いていた。

 因みに料金は、1泊1人銀貨3枚だが、ヘレンさんの命の恩人って事で、銀貨1枚になった……が、下げ過ぎだから、銀貨2枚にして貰った。


 ……普通は、4人部屋で1泊銀貨1枚が多い。


「とりあえず、7泊で大銀貨4枚に銀貨2枚だな」

「はい、ちょうどね。後、食事は別途払いだから」

「美味い飯を今から期待しているよ」

「任せておくれ。自慢のシェフよ」


 ヘレンさんに部屋を案内されて入ると、目を疑った。

 部屋の間取りが中世ヨーロッパ風ではなく、現代の日本風だった。


 ……前創造神様時代に色々と有ったのだろう。


「……凄いわね」

「……そうですね」


 因みに風呂とトイレはユニットでは無かった。

 アレ、個人的には嫌なんだよなぁ。


「……掃除は当然だけど行き届いているわね」

「ベッドもフカフカで良い匂いです」



厳しくも温かいメッセージを待っています!

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