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今有る手札でやるしかない!

ちょっとシリアス。

 


 お姉ちゃんか……


「調合の準備をしていてくれ」

「……まさか!?」

「俺達は冒険者だ。だから、成功報酬で頼む」

「……良いだろう。その自信に賭けよう」


 そう領主が答えた時、応接室に駆ける足音が近付いていた。


「お父さん!」

「ノックをせんか!」

「ごめんなさい。でも、お姉ちゃんが……」

「あまり、時間も無いみたいだな」

「……頼む」

「……お兄ちゃん達」

「何だ?」

「勝って! お兄ちゃん達!」

「待ってろ」

「うん!」


 領主にリッチの居場所を聞き、領主館を後にすると、目的地に早足で向かった。


「勝手に決めて悪かったな」

「別に構わないわ。私だって無茶なお願いしたしね」

「私は、ゼン様の従者です。否はありません」

「そうか。ロザリアは、離れての回避に専念で、万が一の時の逃走要員だ。その時は、俺を背負って逃げてくれ」

「分かったわ」

「リンは、基本的にはロザリアの護衛だ」

「分かりました、ゼン様」


 約40分後に、山の中腹にある目的地である廃虚と化した教会に到着した。


「来たのは良いけど、倒せるの?」

「……多分な」

「多分?」

「まあ、何とかなるだろう」

「ちょっ! ゼン!」


 俺は、無造作に教会前の広場に出た。

 すると、広場の中央の地面からリッチが現れた。


「疾!」


 いきなり雷属性が付与された刀で首を斬ってみたが、無駄でダメージらしいダメージを受けていなかった。

 リッチの攻撃を避けながら、今度は雷属性の付与を発動した状態で斬ってみた。


「ダメージは負っているが……」


 ライフポイント1000に対して、ダメージが5ポイントとか8ポイントみたいな感じだな。


「黒獅子の素材を使った武器なら、まだ深いダメージを与えただろうが、無い物を欲しても意味が無いな。

 ま、人生なんてこんなもんだ。今有る手札でやるしかない!」

「……」

雷撃槍ライトニングランス

「……」


 さっきよりかは深いダメージを負っているが、ドングリの背ぇ比べだな。

 つまり……


精神疲労メンタルダウン

「……!」

「……うわぁ。この世界の死霊系はス○イヤーズ寄りかよ! それなら……」


 向こうが、俺をダメージを与える者と認識して、更に攻撃が激しくなったが、躱しながら魔法攻撃の隙を探す。


「……今だ! 黒雷竜霊衝砲ルドラ・マハ!」

「Gishaーーー……」

「……勝った!」


 流石に、第8位階魔法なら一撃で滅ぶか。


「……あ! リッチの魔石、見っけ」


 俺は、ロザリアとリンに合図を送り集合する。


「素晴らしい魔法でした、ゼン様!」

「第何位階魔法よ、ゼン!」

「第8位階魔法」

「流石です!」

「……第8位階魔法!?」

「ああ。雷属性の魔法を放って、物理系の魔法ではダメージが浅いって分かったからな」

「だからって……」

「それで、精神とか魂にダメージを与える魔法を使った」

「ゼン!」

「どうした、ロザリア」

「あんたは、何処で知ったのよ、第8位階魔法なんて!」

「魔法全集」

「……魔法全集!?」

「ああ。 ……ほれ」


 俺は「倉庫」から魔法全集を取り出してロザリアに渡す。


「……第10位階魔法以上が載っている!?

 第10位階魔法以上の魔法が存在していたの!」

「ロザリア、私にも」

「……はい」


 我慢出来なかったリンも……


「……凄い!」

「とりあえず、まだ仕事が残っているぞ」


 そう言って、右手をリンの前に出す。


「……分かりました」

「また、見せるから」

「……はい」


 俺は魔法全集を「倉庫」に仕舞うと……


雷撃弾ライトニングバレット四連!」

「……!」


 廃虚と化した教会の窓から覗き見をしていた馬鹿に雷撃弾ライトニングバレットを四肢に撃ち込む。


 そして、教会に入ると、四肢から受ける激痛に七転八倒している奴が居た。


「がぁああ……」


 コイツが、リッチを召喚したか、使役した奴だろう。

 抑え付け、拘束すると質問した。


「後ろに存在する奴は誰だ?」

「ふん! ……がぁあああーーー!」


 俺の雷撃弾ライトニングバレットで穿った傷口にナイフを刺しグリグリする。


「後ろは誰だ?」

「……亡霊ファントム……がはっ」


 奴の背中に刺さった矢は、心臓を貫いていた。


「ちっ……雷撃弾ライトニングバレット

「……え!?」

「……躱された!」

「なら……」

「無駄だ、リン」

「ゼン様……」

「もう、追い付けない」


 矢に毒を塗っていたみたいで、奴は死んていた。


「……」

「一応、持って帰るか」


 適当な布地で奴を包み「倉庫」に仕舞うと、3人で手分けして何かないか探したが、無かった為に街に戻る事にした。



 街に戻り、領主館に到着すると、直ぐにリッチの魔石を渡す。


 ……数時間後


「貴方達のお陰で命が救われました」 

「良かったな」

「ありがとう、お兄ちゃん!」

「良かったな」

「うん!」

「アマリアの命を救けてくださり、ありがとうございます」

「救う事が出来て良かった」

「そう言えば、まだ妻を紹介していなかったな」

「そうでしたね。初めまして。この街カジンバラを統治する領主カジンバラ伯爵の正室アレンシアです」

「初めまして。冒険者のゼンだ」

「ロザリアです」

「リンです」


 この後、アマリアは念の為に私室に戻り静養する事になり、俺は「奴」を領主に引き渡すと、奴の所持金は受け取ったが、それ以外は、証拠兼手掛かりとして受け取らなかった。

 勿論、奴が言った「亡霊ファントム」という言葉も伝えてある。


 この後は、領主からの勧めで泊まる事になった。



厳しくも温かいメッセージを待っています!

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