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とある少女の回想

若干、胸糞シーン有ります。


2話連続投稿の2話目です。

 


 とある少女side


「おじさんはだあれ?」

「お母さんの友達なんだけど、お母さんは居る?」

「うん。おかあさん、ともだちがきたよー」


 わたしは、おかあさんのともだちをおうちにいれて、あんないしたの。


「逢いたかった、ターナ」

「ガンドルフ殿下!?」

「お母さん、この人と大事な話があるから外で遊んでいてね」

「うん。わかった」


 おかあさん、おどろいていたけど、なんかよろこんでいた。


 ……数年後


「お母さん! お母さん!」

「ごめんなさい、エル」

「お母さん!」

「お母さんも、エルを愛しているわ」

「私も、お母さんが大好きだよ」

「……ガンドルフ殿下」

「分かっている」

「お願い……します。 エル」

「お母さん!」

「お母さんは……エルを空の上から見ているから……ね」

「お母さん!」

「……エル……愛し……て……い……」

「お母さん!?」

「ターナ……エルの事は責任を持って育てるから安らかに眠ってくれ」

「お母さーーーん!」



 ……1年後


「エリシア」

「はい、おとうさま」

「エリシアのお姉さんのエルーテだよ」

「わたしのおねえさま!」

「そうだよ。 エリシア、仲良くしてくれるか?」

「はい、おとうさま。 はじめまして。 わたしは、エリシアです」

「初めまして。エルーテよ」


 嬉しい!

 私に妹が出来たわ!

 なんて、可愛いの!



 ……数週間後


 お勉強や、礼儀作法を覚えるのは大変だけど、お父様やエリシアが居るから平気。

 でも、ちょっとストレス解消に厨房に行ってつまみ食いするぐらいは良いよね。


 ……あら?


 お父様が入ってはダメと言われた禁書室が開いているわ。


 ……ちょっとだけなら良いよね?


 凄い古い本ばかりだわ!


 ……光っている本がある!


 ちょっとだけ……


「……エルーテ!」

「……はい! ……お父様!?」


 ……いけない! いつの間にか眠っていたわ。


「入室を禁じていた筈だが?」

「……ごめんなさい!」

「……もう良い。 今後は入ったらダメだぞ」

「分かりました」


 ……その夜


「あれ? 真っ暗だわ。 それに動けない!?」

「目が覚めたか」

「誰!?」

「私の事はどうでも良いわ」

「私をどうするの?」

「魔王様の復活の生贄になって貰うわね」

「な!?」

「では、お前の身体を頂くわ」

「……え!?」


 そんな!?

 私の身体が、少しずつ黒く染まっていく!?

 嫌よ!


「……く!」

「無駄よ。 お前の身体は、私が有効に活用してあげるから、安心して」

「……あ…あぁ……」


 ……エリシア!


 ………………お父様!


 ………………………………お母さ……ん……


「……ふ……あははは! 遂に手に入れたわ!

 あぁ、魔王様! もうしばらくお待ちください!

 このムエルーテが、貴方様をお迎えします!」



 ???side


「お父様」

「どうした?」

「はい。 帝都の防衛力を、もう少し上げてみてはどうでしょうか?」

「何故、そう思う?」

「大臣達が話していたのを聞いたのです。

 最近、帝都内での犯罪が増えているとか?」

「確かに、報告が挙がっていたな」

「どうですか、お父様」

「そうだな。 次の会議で挙げてみよう」

「ありがとうございます」

「それにしても、急にどうしたのだ?」

「大切な存在を守りたいだけです」

「そうか! 私は、良い娘をもった。

 これからも頼むぞ」

「はい、お父様」


 ……ふふ……あははは!


 上手くいったわ!

 これで、帝国の中枢に食い込む足掛かりを得たわ!

 それに……


「おねえさま。 えほんをよんで」

「……」


 私の障害になる可能性を早めに摘んだ方が良いわね。


「近寄らないで!」

「……おねえさま?」



 ……数年後


「まだ居たのね」

「あんなのに、税金を使うなんて無駄よね」

「そうよねぇ。 あの方は、今までに幾つもの政策を御父上である皇帝に献上しているのに、此方の方は全く無いものねぇ」

「そういえば覚えている?」

「何を?」

「数年前のアレも酷かったわよね」

「……! ああ、アレね」

「そうそう。 盗作騒動よ」

「あの時は、醜かったわよねぇ」

「全くよ。 あの方に盗まれたなんて大法螺吹いて……ねぇ」

「資料は全て、あの方の部屋に有ったし、資料を管理している者が、見ていないし来てもいないと言っていたのに……ね」


 ……あははは!


 純粋な者ほど、おとしいれるのは簡単だわ!

 そして、皇帝を含めた主要な人物の洗脳は終了したわ。

 本当に簡単だったわ。

 あの2人を罠に嵌めて、生まれたばかりのガキを、目の前でモンスターに喰わせた時の顔は傑作だったから、笑いをこらえて、泣き顔の演技をするのが大変だったわ。

 お陰で、心が壊れて操り易くなったし、他の連中も強い酒を飲ませ、ちょっと足を開くだけで良かったんだから。


「さあ! 必要な材料を揃えるわよ!

 私が持つ、この皇帝の『玉璽ぎょくじ』でね!」



 ……見える……聞こえる……でも、それ以外は出来ない……誰か助けて!


 ……そんな! お父様、止めて! 

 い……嫌ぁあああーーー!



厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点とブックマークをお願いします。

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