表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

105/133

全力で俺の横へ翔べ!

楽には死なせません。

 


 ???side


「王妃……いえ、母上。何時まで私達は隠れねばならないのです?」

「信じるのです。レフィーナがベータグシム国からの支援を得て、ベータグシム国の騎士達と共に帰ってくるのを」

「しかし、隠れ続けるのは難しくなっています」

「そうです、王妃様。何時までも贔屓にしていた商会の地下に隠れるのも限界が有ります」

「それでも、レフィーナにはバルドエルも付いています」

「しかし……」


 確かに、バルドエルは我が国最強の騎士だが、多勢無勢と言う言葉がある。


 ドッパーーーン!


「今の爆音は!?」


 ……30分後


 あらかじめ決めていたパターンでのノックが扉から響く。

 このパターンは、逃亡の必要は無いが、緊急事態の報告が有る……か。


「入れ」

「失礼します、王太子殿下」

「事は緊急であろう。早く申せ」

「は! 先程の爆音ですが、南門の外側からの様です。

 更に、その爆音が合図だったみたいで、見知らぬ鎧を装備した騎士団と共に、レフィーナ王女殿下が進軍されました」

「「「レフィーナが!?」」」

「はい!」

「それなら我らも……」

「待ちなさい!」

「何故です?」

「レフィーナも決して愚鈍ではありませんから、勝算が有るのでしょう」

「それなら……」

「しかし! もし万が一が有れば、残るのは貴方だけなのです。

 辛いですが、今暫くは我慢するのです」

「……はい」


 ……レフィーナ、無事でいてくれ。




 ゼンside


 さて、レフィーナが囮になってくれている間に王城を制圧するか。

 それに、レフィーナからは王城の間取りを聞いてあるからスムーズに行く筈だ。

 そんな訳で……


「……何者だ!?」

睡眠強化魔法ハイスリープ


 ……バタバタバタン!


「次は、騎士団宿直室だ」

「この部屋です」

睡眠強化魔法ハイスリープ

「次は、王城管理室だ」

「この部屋です」

睡眠強化魔法ハイスリープ


 こうやって、王城の要所を次々に強化した睡眠魔法で、無力化していった。


「次は、近衛騎士団の宿直室だ」

「この部屋です」

睡眠強化魔法ハイスリープ

「次は、王宮財務室だ」

「この部屋です」

睡眠強化魔法ハイスリープ


 勿論、通りすがりの騎士や文官やメイド達も強化した睡眠魔法で無力化している。


「次は、調理室だ」

「この部屋です」

睡眠強化魔法ハイスリープ

「次は、メイド達の休憩室だ」

「この部屋です」

睡眠強化魔法ハイスリープ

「次は、メイド達の更衣室だ」

「この部屋です」

睡眠強化魔法ハイスリープ……」

「次は、風呂場だ」

「この部屋です」

睡眠強化魔法ハイスリープ……」


 風呂場では、野郎は放置して、女風呂場に居た女性には風邪を引かせる訳にはいかないから、身体を拭いて適当に服を着せた。


 ……他意は無い。


 因みに、リンは此処でも通常運転だ。


「……執務室には居ないな」

「では、次は私室ですか、ゼン様」

「そうだな」


 ……私室に入ると2人の男が居た。


「何者だ! 余はマリネリア国の国王なるぞ」

「……なる程。お前が王位簒奪者か」

「この無礼者が! 誰か居らぬか!」

「無駄だ。周辺の騎士達は全て眠らせてある」

「そんな嘘を……」

「嘘なら、何故、誰も来ない」

「……貴様、何者だ?」

「レフィーナ王女の依頼を受けた冒険者だ」

「レフィーナだと!」

「ああ。さて、ベータグシム国からの本隊が来るまで大人しくして貰おうか」

「ベータグシム国が動いたというのか!?」

「そうだ」


 位置的に手前に居るのが王弟で、奥に居るのが宰相とかかな?

 この後、王弟は色々と文句を言い、宰相は金、女、地位、権力で俺を味方に引き入れようとしたが、俺は「だが、断る」と返した。


「こうなったら、アレしかない」

「宰相よ。策が有るのなら、遠慮は要らぬ」

「……分かりました……よ!」

「……が……さ、宰相……」


 宰相は、懐から出した短剣で王弟の背中から心臓の位置で刺した。

 そして、王弟の右手の1つだけ嵌めている指輪を奪うと、そこら辺の椅子や物を俺やリンに投げる。

 投げた物で一時的な俺達の間に障害物が出来ると、宰相は本棚から1冊の本を傾けると隠し扉が出現して脱走した。


「リン」


 リンは、俺の意図を察して宰相を追い掛けた。

 俺は、王弟に完全治癒パーフェクトヒールを掛ける。


「……かはっ!」


 ……ちっ! 生きていたか。


「……救けてくれたのか?」

「いいや。この国の法で裁く為だ」

「……な!?」

睡眠強化魔法ハイスリープ

「後は……と」


 俺は、王弟の両腕両足を拘束して猿轡さるぐつわをして、リンの後を追った。


 隠し通路をリンの後を追っているのだが、足止めや殺害用の使用済みの罠が溢れていた。


「……結構、長いな……出口か?」


 かなり歩いていると、隠し通路の出口かと思える扉が全開で開いていた。

 警戒しながら出口から外に出ると、完全な山の中だった。


 俺は、魔力探知や気配察知を使い探ると、2つの反応が有った。


「……奥か」


 俺は反応する方角に移動すると、そこにはリンに襲い掛かる50を超えるキメラ……いや、実験体と言える「存在もの」が居た。

 周りには同じ実験体の亡骸が30以上が有った。


 そして、宰相は更に奥で、何か儀式的な事をしていた。


 ……ヤバい!


「全力で俺の横へ翔べ!」

「はい!」


 俺がそう言った瞬間に、リンは残像を残す程の速さで翔んだ。

 そして……


竜滅閃光覇ドラゴンノヴァ!」


 視界を失う程の閃光とモンスターを消滅する程の熱が収まった後は、辺り一面の荒野と山が2つ消え失せ、宰相が居た辺りは結界が張ってあったお陰か無事だった。


「……ゼン様の竜滅閃光覇ドラゴンノヴァを受けて無事だなんて!」



厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点とブックマークをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ