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革命~悪魔の声3.1~  作者: おぺ
8/18

08事件終結、そして帰省


仲間を疑ったサンドパンにみんなでおしおきえっちしていると、ジャムパンが戻って来た。


後輩「ナレーション間違ってる!」


・・

・・・・


ピザパン「お帰りなさい。何かありましたか?」


ジャムパン「あまりいい話じゃなければ。」


短パン「また!?」


ジャムパン「まただ・・おっと、サンドパンくんもいたか。」

ジャムパン「キミもサイバー対策課で聞かされると思うが・・今回の件は機密扱いになる。」


ピザパン「な!」


後輩「に!」


コロッケパン「ぬねの!」


短パン「え?え?・・オレの分も残せや!」


サンドパン「中国当局と話がついたのですね。」

サンドパン「・・コロナでがたがたになっている今、緊張を高めることはしないということですか。」


後輩「スペイン風邪の時は第一次世界大戦中で、戦争を早く終結させたとまで言われたそうですね。」

後輩「下手な衝突は日本の不利益と判断?」


ジャムパン「人権国家ほど身動きがとりづらい。」

ジャムパン「疫病無視して戦争なんかできないからな。」


ピザパン「それだけじゃないでしょう。」

ピザパン「アメリカの意向もあるんじゃないですか?」


ジャムパン「それは想像の域を超えないな。」

ジャムパン「ご想像にお任せする。」


コロッケパン「(想像・・アメ”お手”、日本”わん”)」


短パン「(想像・・やめて!もうすぐ夫が帰ってくるわ!)」


サンドパン「セクハラで訴えますよ。」


短パン「想像すら禁止だと!?」


サンドパン「それで?逮捕された犯人はどうなりますか?」


ジャムパン「・・言いづらいが・・中国に送還されることになった。」


短パン「そんな!日本で罪にするべきです!」


ピザパン「そうですよ!内乱罪でしょう!」


コロッケパン「おしりぺんぺんだ!」


内乱罪の最高刑は死刑だからかなり厳しい罰だ。

まぁ国家転覆だから厳しくて当然だけど。


しかし・・これでは・・


ピザパン「・・国民には真実を隠し中国政府とのやり取りだけで終わらせる・・」

ピザパン「民主党政権時代を思い出すな。」


サンドパン「尖閣諸島近くで違法操業していた中国漁船が、日本の巡視船に衝突した事件ですね。」


短パン「若いやつは知らないかもな。」

短パン「あの時は中国が”日本からぶつかって来た”とか言ってて憤慨ふんがいしたなあ。」

短パン「政府は否定しないし・・」


コロッケパン「sengoku38が衝突時の映像を公開してくれて真実が判明したんだよな。」


ジャムパン「sengoku38のやったことは犯罪だったが、あれがなかったらどうなっていたか・・」


日本は・・一体どうなってしまうのだろう・・


・・

・・・・


機密か・・そりゃ元々職務上知りえたことは軽々しく話していいものじゃないけど。

先輩にも話せないのか・・


俺は携帯を見ながら考える。

・・先輩に相談したい。


でも、もしかしたら盗聴されているかも・・んなわけないのはわかる。

でも万が一・・


俺は携帯の電源を切り、駅へ向かった。


・・

・・・・


ぴんぽーん。


ナレーション「ぴんぽんぴんぽんぴぽぽーん。」

ナレーション「ぴぽぴぽぴぽぴぽぴぴぴぴぴんぽぽーん。」

ナレーション「ぴぴぴぴぴぴぴぴぴぽぴぽぴぽーーーん。」


いやそんな迷惑なチャイムの鳴らし方しないから。

がちゃ。


先輩「ナレーションうるさいぞ・・って、後輩!?」

先輩「お、お前東京に行ってたんじゃ・・?」


後輩「はは、すみません。ちょっと勢いで来ちゃいました。」

後輩「予定入っているならとんぼ返りで東京戻ります。」


俺は新幹線で地元に戻っていた。

そのまま先輩の部屋へ押しかけた・・これなら盗聴されないよね!

・・バカかな?


先輩「ま、入れ。」


ナレーション「お邪魔します。」

先輩はナレーションを壁に埋めた。


ナレーション「ボクのののん!みんなよろしく!」


・・

・・・・


先輩「ほら。あんまいいもんなくてわりいな。」


後輩「いえ俺が突然押しかけたんですから・・・・あ、何か買ってくればよかったかも。」


先輩「パジャマパーティするわけじゃないし別にいいだろ。」

先輩「で、なんだ突然。非常事態か?」


先輩が鋭い目つきで俺を見る。

怒ってるって感じじゃない・・緊張してる?


俺は警視庁で起こったことを話した。


先輩「・・なるほどな。」

先輩の目が少し和らいだ。


後輩「先輩はどう思います?」


先輩「政治は夢物語でやられても困る。結果が大事だ。」

先輩「それが国民のためになるならいーんじゃねえの。」


国民のため・・になるのかなぁ。


先輩「オリンピックだって批判されているが、外国って面倒だと思わないか?」

先輩「開催しないよりさくっと終わらせた方が後々面倒がなくていいって考え方もある。」


先輩「ま、オリンピック自体よりピンハネと予算の大幅超えと手抜き設備とその今後の維持費とコロナ対策が問題なだけだ。」


後輩「問題だらけじゃないですか!」


先輩「昔の中国じゃ王に疎まれた太子(王子)が処刑されないようひとつのミスも犯さず努めたって逸話もあったが・・」

先輩「日本は平和だな。どれだけ問題を増やしても暴動すら起きない。」


後輩「生活保護がありますからね。ところでその太子さんどうなったんですか?」


先輩「罠にはめられ自害した。」


後輩「・・うーん、コメントに困る展開。」

後輩「まぁ暴動起こされても困りますよね・・対応するのは警察(俺たち)ですから。」


主に機動隊が中心だろうから俺たちはそこまで関係ないかもしれないけど。


先輩「気を付けた方がいいぞ~。ロシア二月革命は警官がデモ隊に発砲して始まったからな。」

先輩「死傷者出して軍の一部がブチ切れて反乱勃発だ。」

先輩「第一次世界大戦中でみんなやばい精神状態だったからな。」


先輩「今のコロナ状況下でも何が起こるかわからんぞ。」


後輩「お、脅かさないでくださいよ。」

後輩「・・まぁ、ロックダウンとか強権的に抑圧してきたら怖い気もしますが。」


先輩「よくある火にかけた鍋理論だな。」

先輩「火元を消さずに蓋をしても吹きこぼれてしまう。」

先輩「対処を間違うと大変なことになるって意味だ。」


先輩「政府が火種をじゃんじゃん放り込んでいるからな。まだまだ荒れるぞ。」


後輩「荒れますか?」


先輩「コロナで政府支出すごいからな。待ってるのは増税ってうわさだ。」

先輩「さらに経済は冷え込んで失われた40年コース待ったなし。」


先輩「・・荒れないと思うか?」


後輩「まぁ、不幸な人も増えますよね。」

後輩「・・あ、不幸な人は他人を殺すブログを作った人って、殺すだけで救われると思っていたんでしょうか?」


先輩「なんだいきなり。」

先輩「・・まあいいか。ブログに書いてあったぞ。」


先輩「【みんなが不幸な人を救わなければならないと信じること】が大切だって。」

先輩「だから”殺すこと”と”広めること”のふたつをやれってあっただろ。」


後輩「いえもっとこう・・文化財壊すとかの方が取り返しつかなくなりません?」

後輩「やりやすいでしょうし・・まぁそんなこと言っちゃダメでしょうけど。」


先輩「・・日本のコロナ死傷者数は?」


後輩「え!?・・1年半で約15000人・・でしたっけ。」


先輩「年間の自殺者数は約20000人だ。毎年だぞ。」

先輩「なんでコロナばかり大変大変ってなる?自殺者の方が急を要するだろ。」


後輩「そりゃまぁ・・自分がコロナにかかる恐れがあるから?」


先輩「だから殺すんだよ。」

先輩「自分が殺されたくなければ不幸な人を救えってことだ。」


先輩「だから無差別なんだよ。」

先輩「誰もが殺される可能性があるぞって警告だ。」


先輩「いくら文化財を壊しても、不幸な人が嫌われて終わりだ。」


先輩「場合によっては財政破綻を誘発して武力革命の下地くらいにはなるかもしれない。」

先輩「でもブログ作ったやつは武力革命を否定していた。」


先輩「権力構造が変わるだけだし民主主義も天皇制も危機に陥る。」


後輩「・・じゃあ、悪人を狙わないのは不幸な人が肯定されるからですか?」

後輩「不幸な人が悪人殺したら、不幸な人は救わず悪人と殺し合いさせることを国民が望んでしまう・・」


先輩「んーまあそこまでブログ作成者は考えてなかったな。」

先輩「ただ、最初は個人の殺人で、母数が増えれば徒党を組む者も現れ凶悪度が高まる。」

先輩「やがてその中の一部が権力者も狙うようになるってあったな。」


先輩「権力者が狙われると政府は本腰を入れるようになる。」

先輩「が、不幸な人の殺人が当たり前レベルに拡大していると対処しきれなくなる。」

先輩「そこはコロナと同じだな。規模が大きくなるほど対処が難しい。」


先輩「だから広めることが大事なんだとさ。」

先輩「不幸な人が殺しやすい空気を作るんだと。」


後輩「・・それ、ブログに書いていませんでしたよね?」


先輩「ああ、お前と一緒にブログの大元消しに行っただろ?」

先輩「お前には母親の相手してもらったが、オレはもう少しあいつが残した話を見たんだ。」


え・・じゃあ、先輩は最初の不幸な人は他人を殺すブログ作成者の気持ちを知ってる。

・・先輩が”不幸な人は他人を殺すブログ”を引き継いだ人じゃないかって疑ったことは何回もあった。


同調した可能性だって・・


後輩「先輩は・・それを見てどう思いましたか・・?」


先輩「んーそうだな・・聞き込みした人物像とだいぶ違う印象だった。」

先輩「みんな表面的な部分しか見てなかったんだなって・・」


先輩「世間体とか他人を気にせず書いてあったから、本当に素直で他人には見せられないことも多かった。」

先輩「おっと、犯罪とかそういうのばかりじゃないぞ。」


先輩「そうだなあ・・”復讐心は生きる動機になる”とかな。」


後輩「犯罪しろと違うんですか?」


先輩「ちょっと違うんだ。復讐しようと思うだけで楽しい気持ちになるんだと。」

先輩「復讐心が娯楽の代わりなのかな。」


先輩「自殺したい人は復讐心で生きてほしいとか書いてあったが・・」

先輩「ま、そこは懐疑的に思ってる。復讐心程度で死から逃れられるもんか?」


俺は・・わからなかった。


先輩「少しスマホに保存もしちまったがな・・お前は見ちゃだめだ。」

先輩「・・同情、してしまうからな。」


後輩「同情するような内容なんですか?」


先輩「・・人間なんだよ。不幸な人も。」

先輩「オレも少し考えが変わった・・後輩は壺の魔物を知っているか?」


後輩「・・アラビアンナイトの”漁師と魔物”ですか?」


先輩「話が早くて助かる。」

先輩「壺に閉じ込められた魔物は助けを待ち続けた。」


―――――

魔物は思った。

もしここから出してくれるやつがいたら、世界一の大金持ちにしてやろう。


100年が経過した。しかし助けはなかった。


魔物は思った。

もしここから出してくれるやつがいたら、この世の宝をみんなくれてやろう。


100年が経過した。しかし助けはなかった。


魔物は思った。

もしここから出してくれるやつがいたら、そいつを王にしてやろう。願いもかなえてやろう。


100年が経過した。しかし助けはなかった。


魔物は思った。

もしここから出してくれるやつがいたら、そいつを殺してやろう。

―――――


先輩「救いを待ち続けた魔物は、やがて無差別な復讐の道を選ぶ。」


先輩「不幸な人は他人を殺すブログを作ったやつも同じだ。」

先輩「・・救いを待ち続けたあいつは、絶望して復讐心を抱いた。」

先輩「これは人の自然な感情なんだよ。」


後輩「でも魔物は壺から出してくれた漁師を殺しませんでしたよ。」

後輩「まぁ漁師の機転もありますけど。」


先輩「そうだ。壺から出たことで魔物は救われた。」

先輩「強い復讐心を抱いても、救われれば復讐心は薄れていく。」


先輩「救われさえすれば・・」


後輩「・・他人を殺しても救われるとは思いませんが・・」


先輩「オレもそう思う。だが、他にどうすればいいんだ?」

先輩「正義は見捨てられた不幸な人を救ってくれない。」

先輩「みんな他人事で口だけだ。」


・・俺は答えることができなかった。


・・

・・・・


高速バスに乗る時間が来たのでおいとますることにした。


後輩「すみません突然来てしまって。」


先輩「いやこっちこそすまないな。役に立たなくて。」


後輩「いえ助かりました。」


先輩「バス乗り場まで送るぞ。」

先輩「コンビニ寄るから飲み物とか買っとけ。」


後輩「ありがとうございます。」

高速バスでひと眠りだぁぁ。眠い。


・・

・・・・


その人は、携帯を見た。


―――――

風邪にも負けず インフルエンザにも負けず

コロナにも デルタ株にも負けぬ

引きこもり体質な体を持ち


何もなく 決して表に出ず

何をしてるかわからない


毎日お菓子を食べ 氷水を飲み

あらゆることを 無視し

すべてのことから 逃げ続け


田舎にある 実家に籠っていて


東にオリンピックがあれば 本を読み始め

西に大阪万博があれば 魚の煮つけを作り始め

南に海があれば 窓から恐る恐る外を覗き

北は 自主規制により記載できません


炎天下に慣れ 氷点下に慣れ

みんなから エアコン使わないの? と言われ

腫れ物を触るような扱いをされる


そういう人に なってしまった

―――――


?「・・こんな宮沢賢治のパクリを書くこともあれば・・」


―――――

残された人生のすべてをかけて、この国に、社会に復讐する

―――――


?「・・なんてことも書き残している・・こいつはただの人間だ・・」

?「ただの人間が復讐心にとらわれるまでのことがこの携帯に保存されている・・こんなの誰にも見せられない。」

?「オブラートに包まれていないむき出しの感情・・ぞっとする。」


?「見捨てられた不幸な国民を救う方法は必ずあるはず・・」

?「・・不幸な人は他人を殺すブログの続きを書かないと・・」


・・

・・・・


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