05事件解決??
俺は銃の受け渡し阻止の方に振り分けられた。
まぁ先輩が持ってきた話だからね。
ジャムパン「・・全員配置についたようだな。」
ジャムパン「今、ホームレスとおぼしき者たちが建物の中に入っていった。」
ジャムパンさんが、インカムで全員に状況を伝える。
ジャムパン「建物の中には怪しい人物が5名、ホームレスが8名いる。」
ジャムパン「突入はホームレスたちが外へ出てから・・そっちは別動隊が対応する。」
ジャムパン「何事も終わった後が一番油断しやすい。」
ジャムパン「受け渡しを無事に終わらせ緊張の糸が切れたところを狙う。」
ジャムパン「・・が、こちらも油断は禁物。相手は銃を所持している可能性が高い。」
防弾衣は着ているけど、常に”万が一”があるからな。
一度死んだら二度と生き返ることはできない以上、完璧をもってまだ足りないって言われる。
パン!パン!
パン!パン!パン!パン!
え・・?建物の中から派手に銃声が聞こえた。
ピザパン「ジャムさん!これは・・」
短パン「連中トラブりやがった!」
ジャムパン「・・・・・・全員突入!!!」
俺たちは一斉に建物の中へ入った。
捜査員の命は大切だ。
だけどそれは・・建物の中にいる連中の命だって同じこと。
放っておけば多くの死体が転がることになる。
危険な判断だけど、そんなの刑事になる前からわかっていたよ。
命を懸けて命を守るのが俺たちの役割だって。
ジャムパン「警察だ!!!お前たちは既に包囲されている!」
ジャムパン「武器を捨て投降しろ!!」
不意を突かれ抵抗しても無意味だと思ったのか、みんな武器を捨て投降してくれた。
コロッケパン「・・FPSみたいにはならないもんだな。」
近くにいたコロッケパンさんがぼそっと言った。
まぁあれは撃って解決するもので、俺たちは撃たないで解決するのをよしとするからね。
・・
・・・・
救急車を呼んだり逮捕したりやることはまだ終わらない。
ええい!防弾衣動きにくいんじゃ!安全確保できるまで脱げないんじゃ!
その分、防御力は高いんだけどね。
ホームレス1「・・あいつら、これで日本に復讐しろって・・日本人を殺せって。」
ホームレス1「話してわかったんだ。あいつら日本人じゃないって・・だから・・」
ホームレス2「こいつらが日本で好き勝手してると思うと許せなくて・・・・」
ホームレス2「そりゃ社会に恨みもあるし金ももらえるからって来ちまったけど・・」
ホームレス2「・・・・もう・・何もかも許せない・・」
ホームレス3「みんなが撃ったので自分も撃ちました。」
ホームレス4「オレは別に・・金がもらえりゃそれでいいなって。」
ホームレス4「急に撃ちあいが始まって、オレも撃たなきゃやられると思ったから撃っただけですよ。」
ホームレス4「みんながルールを守っていないのに、自分だけルールを守っても殺される。」
ホームレス4「正当防衛でしょ?」
ホームレス5「仲間が戦ってたら自分も戦いますよ。」
ホームレス5「あなたは仲間を助けないんですか?」
ホームレス6「オレ・・撃ってないです。びびっちゃって・・」
ホームレス6「あの、救急車で運ばれたやつ友達なんです。治療、よろしくお願いします。」
ホームレス7「よく覚えてない。」
ホームレス7「あいつらの話を聞いたら頭の中真っ白になって・・気が付いたらあんたらがいた。」
ホームレス7「ババ、引いちまったな。」
・・
・・・・
転売屋「す、すげー!あっという間の解決!電撃戦っすね!」
ジャムパン「捜査協力ありがとうございました。」
ジャムパン「おかげで大きな被害を防ぐことができました。」
転売屋「感謝状とかもらえるの?金一封とか?」
ジャムパン「金一封になることが多いですね。」
ジャムパン「感謝状はなくとも警察の公式な記録に残ります。立派なあなたの功績です。」
転売屋「へへへ・・ところでさー、ここだけの話だけど・・」
転売屋「罠ってことない?金一封もらいに行ったら・・いきなり・・お縄とか・・」
ジャムパン「ちらっと耳にしましたが、不透明なお金があるとか。」
ジャムパン「警察はうわさ程度で逮捕なんかしません。」
ジャムパン「しかし・・うわさが真実なら、いずれ逃れられない証拠を警察は見つけ出すでしょう。」
ジャムパン「仮に忘れていたお金があるのなら・・早いうちに申告して手続きすれば小さな問題で済みます。」
ジャムパン「時間は有限です。逃げた責任は重い利息と共に返って来ますよ。」
転売屋「やっぱそっすよね。」
転売屋「あーあ、悪いやつは上手に悪銭稼いでいるのに、オレみたいな小市民は叩かれバカにされてばかり。」
転売屋「転売の何が悪いんスか?」
ジャムパン「高く売るから。」
ジャムパン「物価の上昇は庶民の不利益なんですよ。」
ジャムパン「特に、利益を増やすための値上げは嫌われる要因です。」
ジャムパン「消費者に利のある追加サービスや、質の向上による値上げは受け入れやすいですよ。」
ジャムパン「例えばこれをやっているのが商店や商社です。」
ジャムパン「あちこちで生産されている品を一箇所で買えるという便利なサービスを提供している商店。」
ジャムパン「国内で不足している品を遠く離れた海外から大量に代理購入してくれる商社。」
ジャムパン「本来なら面倒な購入を楽にしてくれることに消費者はお金を払います。」
ジャムパン「1983年に発売されたぴこぴこは14800円でした。」
ジャムパン「同じ会社が発売した最新のぴこぴこは29980円です。」
ジャムパン「約40年前より価格が2倍になったから不満・・という人は殆どいません。」
ジャムパン「明らかに質が高くなっているからです。」
ジャムパン「正規ルートで買える物を買い占めて高く売れば批判もあるでしょう。」
ジャムパン「正規の無料修理サービスが受けられなくなることもありましたよね。」
転売屋「それは置いといて・・転売にもいいところあるっすよね。」
ジャムパン「良くも悪くも経済活動です。」
ジャムパン「消費者に望まれる形でサービスが定着すれば国家の利益になります。」
ジャムパン「2020年にマスクの転売が一時的に禁止されたように、行き過ぎると規制されますが。」
ジャムパン「このあたりは江戸時代の株仲間が似ていますね。」
ジャムパン「米の買い占めは庶民の暴動を誘発しました。」
ジャムパン「マスクの転売が一時禁止されたのは、コロナの蔓延を防ぐため。」
ジャムパン「ちゃんと国もあなた方を見ています。」
ジャムパン「自由経済に基づき上手な形で社会に溶け込むことが望まれています。」
ジャムパン「期待されているんですよ。」
ジャムパン「発展途上の中では問題も多く生まれます。」
ジャムパン「だから諦める・・ではなく、乗り越えた先に転売のいいところが残っていくのではないでしょうか。」
転売屋「ま、とりあえず転売は問題ないってことで。」
転売屋「・・問題ないよな?」
ジャムパン「本当に問題がないと思っているなら他人に聞いたりしません。」
ジャムパン「あなたは悩んでいるのでしょう。」
ジャムパン「逃げるのは簡単です。ですが、疑問を払拭できるよう立ち向かい道を切り開くのも大人の役割です。」
転売屋「・・オレなんかがそんなのできねえよ。」
ジャムパン「教えていただいた情報がなければいくつもの死体が転がっていました。」
ジャムパン「あなたのおかげで誰も死なずに済みました。」
ジャムパン「これは誰にでもできることではありません。」
ジャムパン「何人もの命を救ったあなたに挑戦できないことなんてありませんよ。」
転売屋「そんなこと・・初めて言われたぜ。」
ジャムパン「人は善性と悪性の両方をもっています。」
ジャムパン「悪性を抑え込んでも規律が緩めば再び悪性が表にでます。」
ジャムパン「これに失敗したのが旧ソ連・・スターリン時代は厳しすぎるほどの規律が求められました。」
ジャムパン「しかしその後・・規律が緩められると役人は腐敗を始めました。」
ジャムパン「大切なのは善性を高めることです。」
ジャムパン「あなたの善なる行いは悪性を抑え、例え地獄にいても規律正しくいられるでしょう。」
転売屋「脅されての善行だけどな。」
ジャムパン「いいんですよきっかけなんて。」
ジャムパン「あなたの善性を高められればそれで十分です。」
転売屋「あんたすげえな。まあ、最初に電話をかけてきたやつもある意味すごかったが。」
転売屋「あいつさあ、マジやばかったぜ。鬼気迫るってゆーか。」
転売屋「股間が縮こまっちまったよ。あいつ人でも殺してんのか?」
ジャムパン「(後輩くんの電話相手だよな・・そんな風には見えなかったが・・)」
・・
・・・・
俺たちはやるべきことを済ませ警視庁に戻った。
ピザパン「あー疲れたあ・・」
ピザパンさんは椅子の背もたれに寄りかかり、顔を天井に向け大口を開けた。
短パン「みんなー喜べ!聴取は他の人がやってくれるぞーおーおーつー。」
短パンさんは机に突っ伏したまま喋ってる。
コロッケパン「もうダメ、動けない・・午後からハードすぎた。」
コロッケパンさんは、ソファーで横になりながらコピー用紙に助けてと書きまくってる。
体力的にも精神的にもハードだったよね。
もう夜遅いし。
・・あ、ジャムパンさんが部屋に入って来た。
ジャムパン「みんなお疲れ。別動隊の方もうまくいったそうだ。」
ジャムパン「銃撃犯を捕まえたぞ!」
ピザパン「やったぜ~」
コロッケパン「事件解決ーうーうー?」
短パン「そうであってくれ・・・・」
ジャムパン「私も疲れた・・あー悪いが後輩くん肩を揉んでくれないか。」
後輩「はい。」
ふふふ、俺の肩もみスキルは既にカンストしていて神の手を呼ばれて・・いたらいいなぁ。
普通レベルです。
サンドパン「失礼します・・・・なんでお客さんに肩揉ませてるんですか?」
サンドパン「それにみなさんそんなだらけた姿を警視庁の外から来た人に見せないでください!」
短パン「え・・?あ、忘れてた!」
コロッケパン「後輩くんって長年一緒に働いてきた仲間じゃなかったっけ?」
ピザパン「嘘だろ?オレたち出会ってまだ半日なんだぜ。」
ピザパン「この溶けこみスキル絶対チートだろ。」
ジャムパン「???」
ジャムパンさんは何が起きたか理解できないようだ。
サンドパン「はあ・・とりあえず報告を聞いてもらえれば構いませんから。」
サンドパン「捜査はひとまず終了です。続きは・・上層部に引き継がれます。」
ピザパン「なんだ?やばい案件なのか?」
コロッケパン「説明してくれないとおもらしするぞ。」
短パン「ガチでテロ!?公安案件?」
サンドパン「・・・・そこまで話すようには言われていませんので。」
サンドパン「みなさん今日は帰って問題ありません。明日は書類仕事でしょう。」
サンドパンさんは行ってしまった。
ピザパン「ど、ドラマじゃないんだぞ。これで終わり?」
コロッケパン「BAD END.」
短パン「ジャムさん!」
ジャムパン「???」
しかしジャムパンさんは混乱したままだ!
続きは明日かな?
・・
・・・・