70:ダブルデートでスニッキーと握手!
きらり、信男、廉、そして天使の四人でダブルデートすることとなった。
廉と天使の二人はより仲良しになれるのか?
きらりから最近ダブルデートの作戦がチャットで何度も来ている。この作戦には天使ちゃんと廉の許可が必要だった。俺も廉にメールで何度も説得を計ったことにより、ようやくデートが開始することができた。
あいつ天使ちゃんのことになるとウブすぎるだろってくらい顔や態度に出ている。きらりの言うとおり、あいつは天使ちゃんが好きだ。俺も好きだが、あいつの恋愛が一番かわいいと思う。だから俺は今回は土台を作るだけ。まあ、きらりとデートしたいっていうのもあるけど。
「スニッキーランドの入場ゲート集合っていったけど大丈夫かなぁ」
「ま、あの子らは予定に遅れる子じゃないっしょ」
「待たせたな」
「みんなおはよー!! 私ちょー楽しみなんだけど!!」
「お、来たね!! 二人とも、今日は急に言ったのに来てくれてありがとね」
「私の方こそ! こういうテーマパークって初めてだからさ! 信男くんもそうでしょ?」
「え? おおおお俺は......一度、しいなと」
「うわ、のぶっち抜け目なあい!」
「ちょっと! 今回はジェットコースターとかリベンジしたいし、フリーフォールとかやるし」
「お化け屋敷もいくんだよな? 約束したもんな、モブ男?」
「はい。ま、今日はいっぱい楽しもー!」
『おー!!』
こうしてあまりかかわりがありそうでなさそうなメンバーのパークダブルデートが始まった。スニッキー・ラビットとミジー・ラビットのカップルキャラとの撮影から始まり、目をつぶらずに乗るジェットコースター、ゴーカート、コーヒーカップの乗り物酔い三連戦した後、休憩がてらパレードを一通り楽しんだ後、お昼休憩に入った。
「私ホットドック~」
「るなっちも!? うちもチーズ入り~! 一緒に写真撮ろ?」
「おっけー」
きらり、ちゃんと趣旨覚えてるのか? ていうか、三連戦にやられて廉が無言じゃねえか!!
「おい、れんれん。もっと楽しめよ」
「あ? ああ、すまん。テーマパークなんて親としか着たことなかったから友達とくるってこんなに楽しいだなって」
「感傷にひたるのは後だよ。ほら、一緒に写真撮ってあげる」
「う、うん」
ウブな奴め。天使ちゃんとの折角のツーショットだっていうのに......。あいつめっちゃ笑顔頑なってんじゃん。
「みいつけた...。俺も一緒に撮ってくれよ」
れんが引きつっていたのはウブだからというのもあるが、後ろから比古が覗き込んでいたからだ。存在感の薄さで気づけなかったが、彼は廉を羨ましがっているようだ。
「比古っ! こんなプライベートなところまでくんなよ」
「そういうなよ、リア充さんよぉ。俺にも幸せを分けてくれよ」
「あんたみたいな陰キャと思い出作る気なんてないし! 行こ、のぶっち」
「おお。お前とはいずれ決着をつけるんだ。だが今じゃないことくらいわかるだろ」
「べぇー」
比古は舌を出している天使の腕を掴んで全身をなめまわすように見ると突然笑い出した。
「あんたが、収容番号000か。心之介からもらった写真そっくりだ」
「え!? 天使ちゃんが......」
「エージェント......」
「あなたの事なんて知らないし、SSS機関の事なんて......。し、知らないもん!」
「知っているはずだろ! お前がいたから個性が生まれたんだ! お前のせいだろ!」
「もう行こう、天使ちゃん。比古、今度会ったら俺たちはお前をぶっ倒す」
「逃げるのか!? 逃げたら負けだと教わらなかったのか? お前は弱い負け犬だ!」
「言ってろ。俺は彼女たちを守る使命がある。戦いの場は選ぶ」
「ふうん......。それでは楽しみにしてるよ。モブとペキュラーの血で血を洗う戦争で会えることを」
頭を手で押さえている天使ちゃんを介抱しながらきらりと共にテーマパークから逃げ出すように出ていく。
「連くん、君もこっち側の人間だろ? 理解してくれる人間はこちらにしかいないよ?」
「俺はそう思わない。確かに俺はモブかもしれない。でも、向こうにも交友関係ができている。信男はそういうことができる奴だ」
そういい捨てると廉は駆け足で信男たちの元へと駆けつけていった。比古は狂気に似た高笑いを多くの人間に浴びせる。それはこれからの学園生活下での戦争の火ぶたが切って下ろされるファンファーレのようだった。
まあた邪魔が入ったぞ!!
これだからアクション文芸は!(ブーメラン)
次回は真相解明!
次回「収容番号000」




