55:ミステリアスなあの娘は小悪魔らしい。
泥しいなの能力お披露目回!
キミの目で確かめろ!
次に対戦相手となったのは俺たちの後輩、泥しいなと西野真子だ。彼女たちはお互いに戸惑いが顔色から見られた。二人とも俺を見つめてきたが、俺は二人に両手でサムズアップで答えるしかなかった。
『さあて、二回戦はなんと一年生対決! 西野真子選手と泥しいな選手です! 両者とも情報では現出装使いということしか入っておりません! 一体どんなバトルがみられるのでしょうか!! それではグラン、レディー・ファイトーーーーーーーーーーー!!!』
先手を取るために真子がハニーワークスに装いを変え、黄色のハイヒールのピンを針に見立てて蹴りを入れた。
「ホーネットスピアーーー!!! オラァッ!!」
「ほんと単純な動きね。あくびが出ちゃうわ」
しいなはゆらゆらと揺れながら蹴りを的確に避けていった。真子が焦ってさらに猛攻を掛けるがかすりもしなかった。
「あまり、人に本性を見せたくはなかったけど。一撃で終わらせるわ。<現出装・メイドインデビル>」
そういうとしいなの周りが赤黒く変化し、悪魔のような幻影が見えるとたちまちゴシックな黒と赤を基調としたメイド服に変わっていた。後ろにはちょろっと悪魔のしっぽのようなものが生えていた。ちょっとかわいい。いや、だいぶかわいい。
しいなはキュートでありながらどこか狙いを定めたハンターのような計算高い小悪魔ちゃん系で真子は単純チョロ系ツンデレな感じが対照的に現れてどちらも引けを取らずかわいい。真子のハニーワークスはしいなを捉え切れず、しいなは逆に尻尾を巧妙に使って翻弄していく。ついにしいなの細長い尻尾は真子を巻きつけて捉えた。
「くっ…離しなさいよ!」
「だーめ、離さないもんね。これで終わりよ! 信男先輩は私のものよ…。ってもう!何言わせてんのよ!ブラッド・レイ・アウト!!」
尻尾から赤黒い閃光が走っていき、真子を襲った。決着はあっさりと決まった。
『き、決まったぁぁぁ!! 初参加の一年生戦は泥選手に軍配が上がったぁ! 』
「どう? 私の強力なわ・ざ!!」
「ふん、認めてあげてもいいわ。今回は私の負けね。」
「ていうことは先輩のそばにいるのは私ってことで」
「それは、なんか違うというか...」
「好きなの?」
「ち、違うし! 全然! 違うし」
真子は赤面して答えていた。しいなは完全に彼女が信男のことを好きだと理解した。彼女はいたずら心に信男に対して大声でそのことを言おうとしていた。
「せんぱーい!! この子が負けたのにも関わらず言いたいことが...」
「にゃ、にゃめろ~~~~~!!」
二人がじゃれあう姿も可愛いなぁ、何言ってるか知らないけど。と思いながら二人の喧嘩を尊いものを見る目で見つめていた。すると今度は小津がへこんで帰ってきた。
「し、師匠~。負けちゃいました~。 一瞬ですよ! 」
「早すぎんか?? 誰にやられたんだ?」
「佐伯ももっていう一年っす! あいつエージェントがどうとか言ってましたから多分SSSのメンバーですよ!」
なるほど。佐伯ももか、一年だから愛海の情報も当てにできないし、二回戦以降どこかで出会うことになるだろう。そう考えて、覚えておこうとただ一言伝えて彼の肩に手を置いた。さて、次は誰かな?
「次は私ですね。きらりさんは別場所での対戦でしたよね?」
「そうね!うちとあんたは決勝の蹴りをつけてないんだから、勝ち上がってよね!」
二人は火花を散らしあい、待機場所を後にした。亜莉須先輩や愛海さん、そして廉、天使ちゃんは完全に応援に回っている。そこに小津と真子が加わって、、あれ? あやさんの対戦相手、どことなく、いや完全に小津じゃねえか!? どういうことだ?そんなことを思っているとアナウンスが入ってきた。
『ここで驚きの情報です。なんと札杜礼選手の次の相手は小津雅選手! あのとんでもない大敗を見せた小津虹郎選手の双子の兄だそうです! 小津選手が少し心配です!!』
「舐められたもんだねえ、弟の出来が悪いというのもつらい」
「独り言にしては大きいですね。たしかに虹郎くんは頼りない所がありますが信男マスターの弟子です。期待しています!」
「へー、そうなんだ。じゃあ君らが言ってたハーレム王の取り巻き集団の一人か。俺の声をよく聞けよ?そしてソウルを響かせろ、準備はいいか!? yeah!?」
「いぇっ!? えぇ? ええ」
礼と小津(兄)との戦いは始まり、そしてきらりはまさかの二階堂との対戦になっていたのだった!どうなるの? ふたりともがんばえ~~!!
次回は札杜礼VS小津虹郎の双子の兄、小津雅!!
きらりは二階堂との対決!
次回「氷の淑女と雅に踊る紳士~キラッと光るウソを添えて~」




