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47:小津虹郎は如月信男の弟子である!?

ハーレム王のうわさはすでに1年の中でも話題になるほどであった!!

王の凱旋に1年は固唾をのんだ。

 「一年生諸君、その目で見るがいい! こちらに御座おわすは、噂のハーレム王:如月信男である!」


信男は少し恥ずかしがりながらも威厳を保ったまま見渡しているとやはり噂は広がっているようで男子はうらやましがるように彼を見つめ、女子は食い入るように信男の顔を見つめていた。中には目が合っただけで倒れている人もいた。信男は自分の力が増大していることに気が付いた。


(いままで見つめたと言っても力をこめたり、よしやるぞって感じだったのに......。今ではただ視線を合わせるだけでもこんな感じかぁ。強くなったなぁ)



可愛い女子たちののぼせる姿を鼻を伸ばして情けない顔をしてると正面から気の強そうな女子がにらみを利かせて道をふさいでいた。


「ハーレム王っていうから、どんなイケメンかと思ったけど、別に大したことないわね!」


「ほおーん、君は俺の魅力がわからないわけ?」


「どういう小細工使ってるか知んないけどね、あんたみたいなジャガイモ世の中に反吐が出るほどいんのよ!」


ジャガイモと言われたとき、少しチクッとしたがここは寛大にかつ今まで言いたかったことを言ってみようとニヤッとしながら信男は彼女に近寄り、顎をクイッとあげて決めた。


「俺に惚れないなんて おもしれぇ女......」


周りはざわめき始めた。女子は黄色い叫び声を上げ始めた。男子たちは発狂しながらも状況を飲み込んだ


「す、すげー!! 100年に1度のイケメンがいいそうなことランキング一位を恥ずかしがらずに言いのけた!! そこにシビれるアコがれるゥ!!! 」


アゴクイ女子は少し顔を赤らめながら顔をプイっと横を向きまたもこちらをにらみつけた。


「絶対絆されないんだからね! 二度と会いたくないわよ! この変態! 」


「あの子、ペキュラーか......? なんというか、言葉にトゲがある? というか、トゲを現出したのか? 一年も個性あふれる奴らばっかだな」


「信男さん、部員! 増やすんでしょ? ナンパしてどうするんすか?」


そう、彼らの目的はあくまで部員増強。手芸部の宣伝をしなければ始まらない。信男は一年が見ているところでとりあえず活動内容を話した。


「手芸部は~俺と一緒にイチャイチャしたり...イチャイチャしたり! えーと、編み物したりしてまぁす! ぜひ来てください!!」


小津は困り果てた顔で信男を見た。信男は何だよというような顔をすると


「信男さん、宣伝する気あるんすか? ていうか、部活ってそんなことしかしてないんすか?」


「しょうがないでしょ!? 手芸部は仮の姿、真の姿はハーレムクラブなんだから。でも文化祭では人形作って劇やったし!!」


「ああ......だめだこりゃ。 一旦対策しましょ!!」



あまりの荒唐無稽さに参った小津は家庭科室に戻ってきた。すると亜莉須が何人かに紙を配っていた。髪を見るとそれは部活のビラだった。


「へへへぇ。 まぁ新入部員にやらせるの気が引けるからねぇ。実は春休みに作ってたんだぁ」


「さっすが、部長だな。 すいません先輩、無策で飛び出しちゃって」


「いいよぉ。だってそれがのぶくんのいい所じゃなぁい?」


信男の無策とは打って変わり、意外とちゃっかりしている亜莉須であった。礼や麗美はビラ配りに出ているようだ。きらりと愛海はなぜか腕相撲をしている。廉はレフェリーをやらされていた。


「何してんの?」


「見れば、わかるっしょ! 腕相撲よ!」


「なんで力の弱い...私が! あんたとやらなきゃいけないわけ!?」


「まぁ俺は楽しいから審判してるけど......。 で、集まったのか?」


「先輩聞いてくださいよ! 信男先輩ってばナンパし始めるんすよ!?」


廉はかわいそうにと小津をなだめた。


「モブ男はそういう奴だから、気にすんな。 後、俺はむらじ れんな」


「はい! 連先輩!」


和やかな雰囲気に包まれていると礼が一人連れてきた。


「ビラを見たら、興味あるみたいで一人来てくれましたよ」


そういうと礼の後ろから可愛げな子がひょこっと現れた。その子の印象というとすこしフリフリしたスカートにクリッとした目が特徴的な女の子って感じの子だった。その子はか細い声で話し始めた。


「あ、泥 しいなって言います! お裁縫に興味があってきました。できれば入部したいです!」



その言葉に部長である亜莉須を差し置いて信男が話し始めた


「全然OKよ! とくに条件は設けてないし! 男でも入部できる部活だから安心して!」


「ふぁあ......よかったぁ。厳しい先輩かもって思ったけどうれしいです! よろしくお願いします!」


また一人家庭科室の扉を開けてきた。


「たのもぉ! 女子力磨くために来ました! 西野にしの 真子まこで...... って! あの変態がなんでこんなとこにいんのよ!」


廉はこそこそと信男の横で声を掛けた

「お前、あいつにかんかしたのか?」


「いやぁ、ちょいとナンパをしたくらいっすよ?」


ヨっと軽く挨拶するとこちらに向かってきた。


「別にあんたのことが気になって入部決めたんじゃないんだからね!?」


「いや、知らんよ! 聞いてないし! え? 気になってるの?」


「うっさい バァカ!!」


しょぼんと思いつつも少し頬を赤らめる彼女に少し好感を覚えた信男であった。信男が西野に絡まれているところに麗美も帰ってきた。


「ダーリンただいま! おお、結構勢ぞろいね。 あたしの今日の収穫はその西野ちゃんだけね。礼ちゃんは?」


「私はそちらの泥さんです」


「俺は...こいつかな? 小津虹郎」


「おっす! とりま、新入生であいさつした方がいいっすか? 師匠!?」


「俺はまだ、お前を認めてないからな! まぁ、俺はいいけど亜莉須先輩、どうですか?」


亜莉須は腕で大きく円を描き、にっこり笑った。


「いいよぉ。 ついでにうちらも紹介しよぉ~」


そしてそれぞれ自己紹介が入った。


「まずは、俺からっすね! 改めまして、小津虹郎です。<太鼓持ち>のペキュラーです! よろしくお願いします!!」


「泥 しいなといいます。 私もペキュラーなんですけど、今は秘密にしておきますね♪」


「西野 真子と申します! 個性は...うちも秘密! ていうか変態には知られたくない!」


「ええ...。二年は俺からにしようかな? 如月信男! 噂の通り、ハーレム王目指してます!! よろしく!」


「あ! 次私ね!? 天使あまつか 月姫るなです! 同じく二年です! 仲良くしてね!? 次廉くんね?」


「連 廉。 よろしく」


「れんちー 短すぎっしょ!! じゃあ次うちね! 蒲生がもう きらりです! 気軽にきらり先輩って呼んでね!!」


「次、行かせていただいてよろしいでしょうか? 札杜ふだもり あやと申します。剣道部と兼任していま...す。よろしくお願いします」


「二年では最後ですね。 結城ゆうき 愛海あみです。 よろしくね」


「次は三年ね? 御笠みかさ 麗美れみで~す! 実は最近入部しましたぁ!」

信男は少し口をはさんだ。


「麗美さんって三年...だっけ?」


「あら? ダーリン知らなかったの? 先輩よ、せ・ん・ぱ・い♡」


信男はそうだったかぁと頭を下げた。亜莉須が待っていたのでバトンを渡した。


「じゃあ行くね!? 最後になりました。3年生で 部長の 結城 亜莉須 (ゆうき ありす)です! 愛海は妹です! よろしくお願いします!」


新たに3人の加入が決定した新生手芸部。如月信男の新たな青春の1ページが幕を開ける!!

次回はいよいよ本格始動二年生編!!(え?)

そしてあの顧問が暴れだす!?

次回「西京 貴は時間にうるさい」

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