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01:如月信男は無個性(モブ)である。

お久しぶりですね。

はじめましての方は始めまして。小鳥ことり ゆうと申します。

投稿しようか迷ったんですけど勢いで出しました。

不定期連載になりますがまた、お付き合いの方宜しくお願いします。


感想、意見、等していただけると励みになります。

高校生活が始まって一か月、俺たちの世界は大きく分断された。一方は、俺たちとは違う持てるもの、そして俺たちのような持たざる者......。それでも、俺だって友達くらい作れる。


「なにじろじろ見てんの?」


「れんれん、ずっとスマホばっか見てるけど暇なの?」


「いや、ヒマッターみてる」


「やっぱ持て余してんじゃん」

 

 隣でスマホをいじりながら歩いている彼の名はむらじれん。読めなかったので、出会った当初かられんれんと呼んでいる。彼も類まれにみるモブ顔だ。俺と同じような趣味を持っていて、とても気のあうメガネだ。 帰り道、俺達は漫画の話をしたり、ゲームの話したり......普通モブの生活を送っていく。 


......そんなのつまんないよな。


 つまらない日常に辟易としながら、れんれんを見つめる。彼は俺の暇そうな顔を見て提案する。


「モブ男、暇なら俺んちでスパブラする?」


多くの人は俺のことをモブ男と呼ぶ。如月きさらぎ 信男のぶおのノブとモブが似てるし、俺は無個性モブだ。れんれんも同じようにモブだ。二人とも普通にゲームをしたり、冗談言える仲だ。


「お、いいねぇ。ぼっこぼこにしてやんよ」


「ほーん」


 れんれんの家でだらだらとゲームをしたり、二人が好きなアニメを見あったりして帰る。これが平日の日課のようになっている。俺はこの時間がなんだかんだで好きだ。今日はれんれんと格闘ゲーム「スパブラ」をしながら適当な会話を続けていた。すると、彼の口から衝撃的な一言が放たれる。


「俺さ、なんか告られたんだけどさあ......。どうしたらよかったんだろ」


カタカタと音を鳴らしていたゲームコントローラーが一瞬に凍りつく。コンマ数秒遅れて自分のキャラがK・Oされかけた情けない所でポーズボタンを押した。


「は? どういうことだってばよ?」


「告白、されたの。女子に」


「いつ、どこで、何時何分、地球が何回廻ったんだ」


「別になんでもいいだろ」


「いいや、よくないね。こういうのはハッキリさせないと気が済まない」


そういって俺が眉をひそめてガン詰める。呆れてため息をついた廉が顔を背けて話し始める。


「ハァ、今日、お前と帰る前、俺、掃除だったから残ってたんじゃん? そんときくらい」


「誰だね、相手は!」


「知らん」


知らんは無いぞむらじくんよ。いくらクラスの半数以上覚えていない君だったとしても、だ。知らないでは済まないぞ? 普通。

いくら聞いても相手の名前は教えてくれることも、思い出すそぶりも見せない。しかたなく、諦めて俺は仮にその人をA子さんと呼称し、話を進めた。


「それで、だね......。仮にA子さんだとして、A子さんは、どうして君の事を好きになったのかな」


圧迫面接官のような尋問を引き続き、連廉に問い詰める。


「その子、どうやら黒縁眼鏡男子が好きらしく、顔もまあまあ好みなので一目ぼれしたらしい」


 はい、外見至上主義です。ありがとうございます! で、問題は彼女をどうしたかですよ。


「それでどうしたんだよ」


「『君のこと知らないし、今は好きになれない。ごめん』って」


「はああああああああ......」


むらじくんの良いところは、そこで彼女に断ったところである。この男はまっすぐな性格というか、舞いあがらない性格なのだろう。だが、その事は俺をひどく傷つかせた。至極勝手なまでに傷ついた。だって、俺はモテたいのだから!! 

恋愛の一つや二つ、駆け引きの一つや二つやってもバチは当たんないでしょ! それなのにこいつときたら、「恋愛」と縁遠そうなボケッとした奴が俺より先にモテてるんだよ!? はぁ、でも起きちまったことは言っても仕方ないか。俺は負け越したゲームを適当に切りあげ、気持ち上の空で帰宅したのだった。


「なんだよ。この世は不公平かぁ?」


気が抜けた炭酸のように味気のなくなった俺は、彼の家から帰るもいつも通りの道もなんだか、色あせて感じた。玄関を開けて帰宅してから一階から聞こえる母の言葉もテレビを見ながら俺を呼ぶ妹にも生返事で返して二階へ上がり、自室へと戻る。



「よいっしょっと」



自室のベットで横たわる。

音もなく、ただ、空虚に過ごす。まるで禅僧の座禅の時間くらい静かだ。


…………


空虚はオレをむなしくさせた。

聞こえないようにベットで暴れ倒し、顔にまくらをあて、叫び倒す。


「あああ! なんで俺にはそういうの無いの? モテたいっていう物欲センサー働き過ぎ? なんであいつちょっと甘酸っぱい青春送ってんだよ! ガッデム!」


『お取り込み中、いいかな? お困りのようだね?』


誰だ? 俺に直接脳に語りかけるようなおしゃべりをするのは!


『君 如月信男だね? はじめまして、神様です❤』


目の前にいる清廉潔白な衣装を身にまとい、かわいらしい笑顔を振りまく少女は、物音を立てずに不法侵入し、挙句神だというイタイ子だ。自称神さまは俺の勉強用のイスに背もたれを前にして座ってくるくる回っていた。

 関わりたくはないが、僕は紳士だ。


「か、神様が何のようですか? モブの様な僕に。暇なんですか?」


神さまは見れば見るほど、いたいけな少女だ。少女は肘をつきため息交じりに


『この世にあるのはモテる者か、モテないものか......。個性の強い者、ペキュラーになりたくはない?』


急にそんなこと言われても......。ただの異能力使えるやつになりたいわけじゃないんだよな


「モテたいけど......。 てか、それってモテることと関係あんのか? 大体、なんだよペキュラーって!!」


『大丈夫、あなた才能あるし!』


「そういう問題じゃ......。 うわ、まぶし!!」


そう言うと彼女の周りから光がさし、ついには白く、強い光が俺を包んだ。

前作「冴えないワタルは異世界勇者より勇者らしい。」より明るくテンポのいい(投稿のテンポは悪いです。)ラブコメを描いていけたらなと思います。

なにぶん、ラブコメは初めてなので心配ですががんばります。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 文は読みやすいです ストーリー的に気になるので次へと見てしまう 結果的に面白いです [気になる点] あらすじの1番最後の部分、みんなが知ってる何かだと読み手を減らしてしまう可能性ありです …
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