03 俺のスキル
ハイピーの声が聞こえるようになった。
『僕、しゃべれるよ』
「あの、ネルさんにも聞こえてますか?」
「なにがですが?」
ハイピーがしゃべっているしかも俺にしか聞こえていない。もしかしてこれが先に説明された転生特典なのか?
異世界にきて全く良いことがなかったが、はじめて感動した。ハイピーとお話ができるなんて……
「ヘビの話ができるみたい何です。これって転生特典ですか?」
「アナライズしたらわかると思うので、アナライズしても?」
「はい、お願いします」
「アナライズ、送信」
自分のステータスが直接脳内に流れ込んできた。
名前:赤野大将 lv.3
ジョブ:ヘビ使い
HP :20
MP :3
攻撃力:15
守備力:10
スキル:
言語理解
ヘビの主 Lv.5
ヘビ語理解 Lv.MAX
ヘビ鑑定 Lv.MAX
ヘビ収納 Lv.MAX
ヘビ召喚 Lv.5
ヘビ無効
ヘビ魔法 Lv.1
すげー、かなりヘビに特化したスキルが集まっている。レベルがMAXの物もあるし、結構いい感じなんじゃないか。
ただ、スキルに関してよくわからない物もあるな
「ネルさんから見て、俺のステータスはどうですか?」
「はっきりいって弱いです」
「スキル結構ありますよ」
「スキル量はいいですけど、特化しすぎで攻撃系統がヘビ魔法しかないうえに、レベルが弱いです。
しかも、あなたのステータスが5歳時なみで、特にMPは赤ちゃんぐらい低いです」
「あっ、なんかすいません」
スキル数が多いので、なんとなく強いのかなんて思ったのだが、全くではっきり言って弱いらしい。
赤ちゃん並みの、MPって一体どんな魔法が使えるんだと俺でも思うけど、そもそも魔法なんて概念がない世界から転移してきて、魔法がバカみたいに使えるというのが、おかしい話なので納得だ。
俺のステータスを見て、ネルさん自身が落ち込んでいる。1年もかけて召喚したのにステータスが低いから落ち込んでも仕方ないか。でも俺のせいじゃなくてね?
「落ち込んでいる所、悪いんですがわからないスキルがあるので教えてもらえますか?」
「そうですよね。どのスキルですか?」
「ヘビ鑑定、ヘビ収納、ヘビ召喚、ヘビ無効の四つが全くわかりません」
「スキル鑑定、送信」
ヘビ鑑定:ヘビのステータスや弱点、習性の鑑定できる、ヘビ系のスキルも鑑定できる。
ヘビ収納:ペットのヘビを無限に収納できるが、引き出す力はヘビ召喚のレベルに依存する。
中は快適で冬眠状態に近く、ヘビにエネルギーも供給されるため飢えることはない。
ヘビ召喚:ヘビ収納に入れられたヘビを出せる。
ヘビ無効:ヘビの攻撃が一切きかない。
「これってスキルすぐに使えますか?」
「はい、頭に思い浮かべるだけで使用できます」
「呪文はないですか?」
「相手に使う際に、礼儀として何を使うか言うだけなので、自分に使う際はいいませんよ」
この世界ではスキルは思うだけで自由に使えるらしい。他者に使用する時だけ言うのが一般常識のようだ。覚えておこう
ってことで、スキル鑑定(ヘビ鑑定)でヘビ収納を見てみよう!
ヘビ収納:ペットのヘビを無限に収納できるが、引き出す力はヘビ召喚のレベルに依存する。
中は快適で冬眠状態に近く、ヘビにエネルギーも供給されるため飢えることはない。
収納されているヘビ:
コーンスネーク、コーンスネーク、コーンスネーク、コーンスネーク、コーンスネーク、コーンスネーク、コーンスネーク、コーンスネーク、ボールパイソン、ボールパイソン、ボールパイソン、ボールパイソン、ボールパイソン、セイブシシバナ.etc
もしかすると、ペットのヘビが収納されているのでは思い、自分のスキルを鑑定してみたが、運がいいのか自分が飼育していたヘビの名前がどんどん出てきた。
ただ、品種は確認できないし、名前も表示されないが1年後に無残なヘビの死骸を見るというのだけは免れたようだ。
『ねぇねぇ、ごはんまだ』
「ちょっと待ってくれよ。これが終わったごはんあげるから、スキル鑑定」
名前:ハイピー lv.15
HP :400
MP :50
攻撃力:150
守備力:150
スキル:
ヘビ魔法 Lv.5
火耐性 Lv.5
身体強化 Lv.5
ネズミ優位 Lv.20
えっ、うちのヘビ俺よりも確実に強いだけど、もしかしてハイピーも転生特典もらって感じなの?
「あのすいません、うちのヘビがかなり俺よりも強い気がすんですけど」
「そうなんですか、ちょっとだけ見せてもらいますね」
「お願いします」
「ちゅっ、中隊長クラスじゃないですか!?」
俺を鑑定した時とはうって変わって、ハイピーのステータスを見て驚いている。中隊長クラスってそんなに強いのか?
「強いの?」
「普通に強いですし、レベル15だから伸びしろを考えたら隊長クラスにはなりそうです」
すると、横にいた召喚士たちが急にネルの元に駆け寄ってきた。
「ネル様はこのヘビを召喚したに違いありません」
「えっ、違うとおもいますけど」
ネルは否定したが、すぐさま他の召喚士が話をかぶせる
「違うにしてもヘビを召喚したことにしましょう。隊長クラスになるヘビならまだメンツが保てます」
ネル以外の召喚士たちが、集まってきてヘビを持ち上げようとか、ヘビを召喚などおかしいとか、まだ召喚中にしようとか話し合っている。
俺の対する評価部分は低いようだが、ハイピーの評価は高いようだ。
俺がじゃなくて、ハイピーが評価されているが、ヘビ好きにとっては、それはそれでうれしい。
俺は、みんなが話し合っている間に、ヘビ収納でハイピーを収納した。エネルギーが供給されるらしいからね。
収納がなければ、ラットを捕獲して食べさせようと思ったが、野生ラットは寄生虫も多そうなのでしまうことにした。
「ハイピー様がおられないぞ」
「ほんとだ、ハイピー様は一体どちらへ」
ハイピーをいないことに気づいた召喚士たちが少し慌てている。いつのまにかハイピーが様づけになってるし
ボールパイソンやセイブシシバナという名前が出ましたが、本格的に登場したら紹介しようと思います。
また、登場させるすべてのヘビが決まっていないので、「.etc」表記にしています。よろしくお願いします。