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ヘビ好きが異世界でヘビ使いの勇者になる!  作者: 鳶野
第一章 ヘビ使いの勇者になる?
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02 コーンスネークの衝撃の事実

「あのすいません 起きてもらえますか?」

「あっ、はい」


目を開けると、胸まである茶髪に、赤色の宝石がついている杖を持った、とてもきれいな女性が俺を見ていた。手には、コーンスネークがいて一安心だ。

当たりを見渡すと、広々とした神殿のような空間に、女性と同じような杖を持った男が3人おり、俺が寝ている場所に天井から光が差し込んでいる。

下を見ると魔法陣のような物があるので、さしずめ俺を異世界召喚したのは彼らではないだろうか?

目に見える風景があまりにも、クリアなので一瞬でこれが現実なのだと実感させる。


「目が覚められましたか? お名前をお伺いしても?」

「はい、俺は赤野大将っていいます」

「わたくしは、ネル・スクワイズと申します。ネルとお呼びください」

「じゃあ、俺はヒロマサと呼んでください」

「唐突ではございますが、ヒロマサ様はこの世界の秩序を守るために戦士としてあなたを召喚させていただきました」

「その話なんだけど、元の世界に帰してもらえませんか?」

「え?」


目前の女性は頭を抱え、後ろの男たちはざわつき始めた。そもそもきちんと返答もしていないのに、無理やり連れてくれるのがおかしい。

召喚するなら、最後までこっちの話は聞いてほしいし、分かるように言葉が届けてほしい。


「召喚の際に、了承してくださったのではありませんか?」

「それなんだけど、ノイズがうるさくて聞こえなかったんだよね」

「でもハイと言ったではありませんか」

「ハイじゃなくて、ハイポ!ヘビの品種(モルフ)ね。ちなみにこの子の名前は〈ハイピー〉ですよろしく」

「遠すぎて、言語魔法がうまくいってなかったようです。召喚する異世界にも距離がありまして、近い異世界ほど簡易に召喚することができます」

「なるほど、それで俺は遠い異世界から召喚されたと」

「はい、そのため話は通じにくく、召喚地からこの場所に来るまでの時間も多くかかってしまったのです」


遠い場所から召喚されたからのミスということか、それはなんとなくわかったが、なんで遠くから召喚したのかわからない。


「だったら、近くから召喚すれば良いじゃないの?」

「それでも良いのですが、遠い世界から召喚するほど、転移特典が多くなり強くなると言われます」

「転生特典ってなに?」

「あなた様が、こうして私たちと普通に話せるのも転移特典のおかげです。この言語理解に関してはどの距離でも付加しますが、近いと言語理解しかつかないこともあります」

「強い人を召喚するために、無理にもでも遠い俺を召喚したわけね」

「はい、こちらの手違いです」


こうして、深々と頭を下げているし、帰してもらえるのであれば問題ない。

召喚されたことでヘビのエサの時間をなくしてしまったが、ヘビは大人であれば1週間食べなくても平気だし、多少ずれても問題はない。

それに、普通の会社じゃなくてブリーダーなので、時間的な余裕は十分にある。


「じゃ、戻してください」

「それは……」


ネルは、申し訳けそうな表情ともに、俺の顔を見ずに目が遠くの方を見ている。


「もしかして無理なの?」

「ごめんなさい…… 距離が遠いので送り届けるのに魔力が足りず、1年はかかってしまいます」

「え、そんなにかかるの!」

「はい、今回はできるだけ遠くから召喚しようと、1年も魔力をためて召喚したのですぐには無理です」

「国中から集めて賄うとか」

「国中から1年かけて集めて召喚しました」


普通に、国の威信をかけた召喚だった。さすがにヘビは1年も耐えられないので、家に買っていた貴重なヘビが死んでしまう。

ハイピーだけでも助けられたのは良かったが、悲しすぎる……


「なんで泣いてるんですか?」

「1年もこの世界にいたら、俺のペットが全滅しちゃいます。誰かが早く見つけてくれるのを願うしかできません」

「なんとか、早く帰還できる方法を探しますのでお許しください」


なんてこったエサをあげるヘビが、ハイポじゃなくて隣のブラッドレッドだったら、こんな事にはならなかったのに、そして、一番悔しいのは俺が管理が甘くて逃がしそうになったのが、原因だということだ。

なんど悔いてもこの世界に来たばかりの、俺でもどうしてもないせめてハイピーだけでも地球に帰還させてやろう。

俺は、膝から崩れ落ちて、手をついた。もちろん、ハイピーはそっとそばにおいた。


『ご主人様、お腹すいた!』

唐突に結構近くから、少年のような声が聞こえてきた。召喚って結構厳格なイメージがあったのだけど、意外と子供も入れるようだ。


「だれかがお腹がすいたって言ってますよ」

俺は何日も食事ができそうにないのに、子どもの無邪気さときたら…… 大きくなるためにはしっかり食べるのが大切だというし、仕方ないか

「え?どこからですか?」



『ご主人様、僕だよ、僕がいったの!』

「ほら、また聞こえた」

こんなに、大きな声で聞こえているというのに、召喚士たちときたら、きょとんした顔をしている。

一体どういうことだ?


俺は声をした方角を見てみると、そこには一匹のつぶらな瞳をした生物がいた。

『お腹すいたよ』

「ハイピー!! お前しゃべれるのか!?」

衝撃な事実がここに!



名前がでたヘビの解説


ブラッドレッド(コーンスネーク):

大人になると模様が喪失し、赤一色になる個体の品種

個体差があり色が少し残ってしまうこともある。


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