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ヘビ好きが異世界でヘビ使いの勇者になる!  作者: 鳶野
第一章 ヘビ使いの勇者になる?
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01 エサやり中に異世界に召喚される

「よーしエサの時間ですよ」

俺は毎日の日課になっているヘビのエサの時間を楽しんでいた。

俺の名前は赤野大将(あかのひろまさ)、物心つく前から動物のことが好きで、最初は自宅で飼っている犬を可愛がり、外に出るようになると野良猫やハトなどを見て楽しんでいるごく普通の少年だった。


ある日、虫を捕りに山に出かけた時に、アオダイショウを見つけて、俺は一瞬でヘビの魅了にとりつかれた。

最初は、山で捕まえたアオダイショウやシマヘビをこっそり、捕まえては観察していたがいつしか自分の手で育ててみたくなった。


最初の頃はヘビが怖いと親も反対したのだが、ヘビを逃がさない事と、エサは自分で管理することを誓い、俺の熱意に押されてヘビを飼うことが許された。

そうなると、俺はもはや止まらなくなっていた。最初は山で見つけたヘビを飼育するだけだったが、自分でヘビを飼育して販売するようになり、ペットショップに出向いて気に入ったヘビがいれば購入した。


こうして、俺はいつのまにか、へビのブリダーになって、ヘビの飼育だけで生活ができるようにまでなっていたのだ。

今となっては、自宅の近くにヘビを飼育するためだけに購入した中古の物件があり、朝起きると毎日のように、出勤している。

近所の人には、ヘビの事を話していないので、無職だと思われているらしい。親もヘビのブリダーと思われるよりましなのか訂正はしない。


ヘビ可愛いけどな、みんながヘビを怖いとか、気持ち悪いと思う理由が一切わからない。まあ、人には苦手な物が一つや二つはあるものなので、仕方ないとは思っている。


『ザっ……助けてくれませんか?』

「うん?」


ヘビにエサをあげていると、どこからともなく助けを求めている声が聞こえたような気がした。

部屋を見渡しても、どこにも人影は見えない、そもそもこの家に人が入ってくるようなことはない。

ヘビが話かけてくる可能性もなし、それから1分ほど待ったが何も聞こえなかったので、そのままエサをあげるのを再開した。


『ザッ……けて、ザッザか?』

「なんて?」

『ザッザザッザザッザ………ザすザ』

「何言っているか、聞こえないですけど?」


しゃべっているのは分かるのだが、電波が悪い携帯電話のように、音が途切れたりノイズが入ってしまったり、いったい何かを相手が伝えたいのかわからない。


『ハイかイイエでお答えザザザい!』

今度は、ノイズが少なくなったがすでに二択に入っている。質問の内容がわからないのにハイかイイエで答えろとは怖すぎる。


「質問がわかりません」

『ザイかイイザ……えください!』


多分さっきと同じように、ハイかイイエで答えさせようとしているのがわかる。こちらの質問については答える気がないのか、返答がない。


「わからないから答えませんよ!」


返答がかえって来ない限り、何かあったら怖すぎるので返答するのをやめることにした、いずれは諦めてくれるだろう。

というよりも、もしかすると幻聴なのかもしれないと思っている。疲れるようなこと知ったかな?

そして、俺は考え事をしていて、一つのミスをしていることに気づくのが遅れてしまった。それは、エサをあげようとして、コーンスネークのフタを開けたままにしていたのだ。


「あれ、ハイポは?」

逃げ出したヘビは、コーンスネーク(品種:ハイポメラニスティック)だった。ヘビは逃げ出すとすみに隠れるので、見つけるのが大変になってしまう。周りを見渡すとすぐに発見できたのが、聞き捨てならない言葉が聞こえてきた。


『ありがとうございます』

そうさっきまで、聞こえていた幻聴らしき物が、俺に対してお礼を言ってきているのである。

返事してないのにどういう事なんだ。思い返してみると一つだけ思い当たる所があった。


「あの、さっきのは『ハイ』ではなくて、ヘビの品種のハイポです!」

そう、いなくなってしまったヘビの品種を言ってしまった。その中に「ハイ」が含まれていたのだ。


『転移中の質問にはお答えできません!』

「ハイじゃないし、転移前も質問にも答えてなかったじゃん」

『転移中の質問にはお答えできません!』

「待って、イイエだから、イイエだから」

『転移を開始します』


もはや問題無用で転移が開始され、足先からくるぶしまでが消失しており、徐々に体の消失が進行していた。

このままでは、ヘビが脱走したままになってしまう。逃げ出したコーンスネークだけでも元の場所に入れさせて……

何とか、コーンスネークを捕まえることができたが、すでに胸のあたりまで、体が消失しており、飼育ケースに返すのは不可能だった。


体がすべて消失し、目を開けてみると当たりは真っ暗で一切見えない。ただコーンスネークを持っているという感覚はある。

つまり、捕まえたコーンと一緒に転移をしているわけだ。どこかに流されている感覚があるのだが、一行に目的につかない。体感時間で1時間経っても目的地に着かないので、俺は諦めて寝ることにした。

もしかすると、これが夢かもしれないからね!




読んでいただいてありがとうございます。

ヘビの品種について分からない人もいると思いますので、簡易な説明を使用と思います。


ヘビの説明


コーンスネーク 品種:ハイポメラニスティック

コーンスネークは赤色が特徴的なヘビで、品種の「ハイポメラニスティック」とは黒色の色素が少なくなった個体のことを言います。

黒色が薄くなることで、体色の赤色の発色が良くなることが知られる品種です。

コーンスネークは、その赤色の見た目から、アカダイショウと言われることもあります。


アオダイショウ

アオダイショウは、日本で見かける最大級のヘビで、海外ではペットスネークとして人気があります。

警戒すると、臭いにおいを出すことが知られていますが毒はありません。

幼少期は、マムシに擬態することで、他の動物から襲われないように見を守っています。



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