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番外編 アルネ王子が思っていたこと

今回はアルネ王子からの視点のお話です!

本編は後ほど投稿させて頂きます…!

僕はアルネ・デュエル。この国の第二王子だ。その為か周りの皆は僕の顔色を伺いながら接してくるので気味が悪い。周りは僕が何と言おうと反論して来ない。そんな日々はとても嫌だった。


8歳の頃、マナ・ガードナー公爵令嬢と婚約させられた。この女も他の貴族と同じく権力を使ってやりたい放題でとても見ていて吐き気がした。


それに僕の弟に好意を寄せているらしく、僕には眼中に無かった。それはそれで楽で特に何とも言わなかった。


だが10歳になりマナ・ガードナー公爵令嬢が階段から落ちたと報告された。普通、このことを知らされたら「大丈夫でしょうか?」「お怪我はありませんでしょうか?」など言うべきだが、僕の場合は


「天罰が下ったのだ」


その一言だった。幸い、周りには誰もおらず僕以外聞いていなかった。


その時、空から声がした。


«階段から落ちて出来た傷が気味が悪いと言って婚約解消しちゃえば?»


「誰だ!」


振り返っても何処にも誰もいなかった。だが婚約解消…とてもでは無いがそれはいい案だと思った。


その後、僕は婚約解消の為にガードナー公爵の元に行った。


ガードナー公爵家に着くと僕は仮面を作りマナ・ガードナー公爵令嬢の部屋に向かった。勿論、僕は「天罰下った」などと言わず心配する顔を作りこう言った。


「マナ様、ご体調は大丈夫でしょうか?」


僕ながら完璧に演じきった。この後、マナ・ガードナーは弟の事を尋ねるだろう。そう思っていたが、


「アルネ様、わざわざ起こし下さりありがとうございます。体調は見ての通り大丈夫ですので気にしてわざわざ来なくても大丈夫です。」


僕は自分の耳を疑った。弟の事を尋ねないだけでも驚いたのに、まさかあのプライドが高い女がお礼を言うなんて…。それに遠回しに帰れと言われた。


その事に驚いてしまい僕は仮面を一瞬外してしまい思っていたことを言ってしまった。


「…マナ様はそのような挨拶が出来たのですね。」


普段は仮面を作って接しているのでこんな事は絶対に言わない。前言撤回しようと思った時だった。


「こんな挨拶、私だって出来ますよ!!何でそんな上から目線なんですか!偉いんですか!確かに偉いですけどそんな上から目線に言われると腹立ち…ま……す…よ……………………………。」


彼女はみるみる顔が悪くなった。だが今度は強気な顔になった。その変化だけでも面白かったのに僕に反論し、怒ってきた。こんな人は初めてだったから思わず聞いてしまった。


「僕が誰だか知って口出ししたのですか?」


彼女ら僕から視線を逸らし答えた。


「は、はい…。」


こういう時、忘れたなどと言えば良かった筈なのに正直に答えた彼女はとても新鮮で嘘を吐かず僕に接してきた。こんな人は初めてで僕の中に溜まっていた物が膨れ上がって来た。


「はははははっ!」


目の前にいる人が新鮮で思わず笑ってしまった。僕は人生で初めてこんなにも笑ったのかもしれない。


だが彼女は他の解釈をしてしまったようだ。


「怒りを通り越したからといって笑うことは無いじゃないですか。」


怒り?何のことだろうか。今の僕は彼女から見たらそんな風に見えるのだろうか。


「…?何を言ってるんですか。僕はあまりに可笑しくて笑っただけですよ。」


正直に言う彼女に僕はいつの間にか正直に言うことが出来るようになっていたようだ。


「僕に反論したのは君が初めてですよ。ましてや怒るなんて…。」


僕は彼女を褒めたつもりなのにまた彼女は変な思考に辿り着いたようだった。


「国外追放と死刑は嫌です。すみません。何もしないで下さい!!!」


国外追放と死刑…?何故、僕に反論しただけでそこに辿り着くのだろうか。やっぱり彼女の思考はとても面白い。顔色を伺って接してくる奴らと違い思っていることが全然分からない。


「国外追放…?何を言ってるんですか。これくらいでしませんよ。」


そう言うと彼女はとても安堵した顔になった。


コロコロと変える表情といい、理解出来ない思考に僕はいつの間にか目が離せなくなったようだ。


元々、ここには婚約解消をしに来たつもりなのに逆に僕は彼女を気に入ってしまったようだ。婚約解消をするのは辞めよう。


「マナ様、僕は貴方を気に入りました。本当は婚約解消をしに来たつもりですが引き続き婚約お願いしますね。」


これは僕の本心だ。だが彼女は


「私は婚約解消しても良いですよ!と言うかして下さい!」


彼女はキラキラした瞳を見せた。そんな瞳を見たら僕は仮面をした笑顔や仮面を外した笑顔と違う笑顔をしていた。


「何を言ってるんですか。しませんよ。」


そんな顔に彼女は怯えていた。


「は、はい…。」


「分かってくれて良かったです。」


彼女はこれから婚約解消などと言わないだろうと思い安心して僕は笑っていた。

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