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わたしの永遠の故郷をさがして 第三部 第一章 第九十三回


 ************   ************



「もう一度、侵入角を直角にして突っ込んでみよう。」


 ジニーが言った。


「もし、大きな山とかが隠れていたら、ばらばらかもしれないですよ。なにせ、中身が見えない。」


「まあね。でも、可能性は低いわ。このさい、突っ込みましょう。」


「了解。どうせダメならもろともに。」


「そういう、壊滅思想はダメよ。あくまで、楽観的に楽しくゆきましょう。それが、海賊の極意。」


「はいはい。では、行きます。船体直立。最大推進。保護幕最大。ゆけ!~~~~~~!」


 『えびす号』は、猛スピードで第9惑星の地表に突っ込んでいった。



「あと、5000メートル。3000・・・1000・・・突っ込みます。・・・・・」


「おわ!!抜けた。」


「逆推進、水平飛行!」


「そう簡単には行きません。あああ、引っ張られてます。おかしいです。」


 周囲の光景が、どんどんと流れてしまう。


「こりゃあ、時空を超えてます。」


「ばかな!」


「現在地不明。測定不能。速度不明。角度不明。」


 『えびす号』は、消えた。



 **********   **********



「親分、『えびす号』が消えましたぜ。」


 通信担当海賊が叫んだ。


「消えた?! なんだそりゃ。」


「文字通り、消えた。探査不能。位置不明。」


「消えた場所は特定できるんだろう?」


「はいな。」


「そこに向かえ!」


 マオ・ドクが指示した。


「いいんですか? 危ないですよ?」


「やってみなくちゃ何も得られず! 行け!」


「地獄は紙一重、ですなあ。」


「地獄か天国か、行って見なくちゃ分からない。」


 『ぶっちぎり号』は、猛スピードで『えびす号』のあとを追った。



  ********   ********



「おれたち、捕まった?のであるのか?」


「つかまったのであるのですのだったりもする。」


「うそだろう、である。このようなことが起こるとは、想定外であるのであるのだ。」


「想定外も、想定の内なのだったりもする。言わないだけだったりする。」


「これは、誰の仕業か?であるのだ。」


「こんなこと可能なのだったりもするとしたら、『女王』であったりもする。」


「あいつは、滅亡したのだったりもする。」


「しなかったりもしたのだったりもする。」


 いずれにせよ、『光人間』たちは動きが取れなくなっていた。





 虫取り用のペーパーにくっ付いた『火星ばえ』のような感じだ。


 しかし、視覚的には、はっきりとはしない。


「ビュリアさん、うまく捕まえたようです。光子が多量に観測される。」


「ふんふん。ダレルちゃんのやり方より、はるかに確実で間違いがない。さあて、どうしましょうかねぇ。」


 ビュリアはつぶやいた。



  ********   ********



「親分、大気圏に突っ込む。」



「よっしゃ! ゴーゴー、ブッチギリ!」


 眉根をきっと持ち上げながら、デラベラリ先生が自分の席でさまざまなデータを確認している。


「大気圏突入完了。視覚では何も見えないです。」


「減速しろ!」


 マオ・ドクが命じた。


「いや、このまま突っ込みましょう。」


「はあ? 先生、木っ端みじんになるぜ。」


「えびす号は、猛スピードで突っ込んで消えた。同じ速度を出しましょう。」


「だから、それはまずいんじゃないか!」


「いいえ、えびす号は破壊はしていない。」


「証拠があるのか?」


「破壊した証拠がまったくみられません。かけらひとつない。行くべし! 行くべし!」


「あああ・・・知らないぞお・・・」


 ぶっちぎり号は高速で急降下した。


「あらら、なんだこれは・・・おかしいぞ。」


「ええ、ですね・・・次元の壁を越えました。」


「じゃあ、どこだ?」


「どこでもない場所です。目印になる星もなにもない。どこでもない場所です。天国とか、地獄とか、そうした種類でしょう。」


「またまた、先生・・・・」


「えびす号発見!」


 通信担当海賊が叫んだ。


「え?!」



   **********   **********



 ウナの意識が戻った。


「やたああ、ウナ、ぼくだよ。わかる?」


 パル君が叫んだ。


「おはよう、ウナ。よく寝たかい?」


 マヤコがパル君に次いで声をかけた。


「はあ・・・・寝たという感じじゃないです。アレクシス様とレイミ様の指示が消えました。」


「解放されたんだよ。」


「はあ・・・・抜け殻になったみたい。」


「まあ、良くはわからないけど、とりあえず、元のウナに戻ったんだ。覚えてはいる?」


「いやあ。・・・覚えてます。やってたことは。それが正しい事だったようにも。」


「過去に同じ症例がないので、はっきりは言えませんが、まあ、いくらか後遺症が残るんでしょうな。自分の意思が、再び主体性を確立するまで、少し時間がかかりそうです。」


 ロボット医師が言った。


「時間の問題です。体に問題はない。」


「まあ、良かったとしようよ。」


 楽観的なマヤコがズバリと言った。


「ウナは、あれこれ気にしないで、しばらく休もうね。」


 パル君が優しく言った。




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「幸子さん、もう、台風来ないようにしてよ。」


 ぼくが言いました。


「管轄外です。」


 お饅頭を頬張り、テレビを見ながら、幸子さんが答えました。


「まあ、言って見ただけですけど。あまりに狙われ過ぎですよ。いつ前の川があふれてもおかしくない。」


「たしかにね~。まあ、自然の行いには、地球の人間は、まだ歯が立たないですから。女王様が言うには、宇宙にはこうした自然現象を、ほぼ完璧にコントロールできた種族もあったそうですよ。大昔には。」


「その技術、欲しい。」


「時空間の差が大きくて、地球人が出会う事はないそうです。」


「じゃあ、いないのと同じだな。」


「あなたと同じです。やましんさん。」


「うぎゃ!」




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