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わたしの永遠の故郷をさがして 第三部 第一章 第八十八回


  ************   ************


 カシャは、ビュリアから特別なプロジェクトを任されていた。


 だいたい、『第9惑星』に移住するなどという『暴挙』を、なぜ行ったのか。


 ここに移住してきた人の多くは、研究者、各種科学者、その助手、その家族たちである。


 ほかには、行政の専門家と軍事防衛関係者、それから自主的な志願者がそれなりに(はっきり言って人体実験に近かったのだが。)、あたりである。


 カシャがリーダーになった事には、ビュリアの意図が働いていた、


『リーダーは、科学者ではない方が良い。いざという時に、間違った判断を下しにくいから。』


 という、ことだったのである。


 『青い絆』での働きもまた、評価されていたことは事実だ。


 ビュリアは、『光人間』のなぞの解明を進めようとしていたのだ。


 その真実をすべて(一応は・・・)知らされていたのは、カシャやアンナ、と、トップにいる数人の科学者だけだった。


 とはいえ、『未知の危険性が高い場所』であることは、全員に知らされていたし、『命の保証が完全には出来ない』とも言い渡されていた。


 そのかわり、アニーによって、移住地としては破格の環境が作られていて、生活上の苦労はまったくなかった。


 金星や火星での生活よりも、また他の植民地よりも、ずっと良かったのである。


 クレアは、まあ、中間どころだった。


 大方は、知らされていたのである。



  ********   ********



 一方で、金星の作ったレジャー施設は、金星崩壊後も、ここに留まっていた。


 『ビュリアに全面的に協力する。』という約束をすることで、双方の話はまとまっていたのだ。


 しかし、彼らには秘かな任務があった。


 【金星の『空中都市』が帰還するまでに、『光人間』の世界を、確立させておくこと。】


 その場所は本来『第9惑星』であるべきだった。


 しかし、ビュリアが『第9惑星』に、植民地を実際に作るとは想定できていなかった。


 そんな危険なことをするはずはないからである。


 しかし、そうなった。


「まあ、最初から、読まれていたんだろうなあ。」


 司令官はそう言った。


 そこで、当面『協定』は結んだ。


 のらりくらりと、うまくかわそうとも思ったが、どうやら、カシャという人は、見た目よりも狡猾で、そうもゆかない様子になってきた。


 このままだと、遠からず『光人間』の秘密が守れなくなる公算が強かった。


 そこで、今回の混乱である。


 ここに乗じて、最低でも『月』を、うまくゆけば、『地球』をも確保できるかもしれない。


 『光人間』の製造は、大方、もう『第9惑星』が、すぐそこになくても、可能になったのだし。


 ただし、一定期間ごとの『エネルギー採集』は、どうしても、まだ必要である。


 『放射線』の人工製造には、いまだ遠く及ばない。


「いささか冒険だが、ポプリスさんが協力してくれると言うから、まあ、やってみようじゃないか。」


 のらりくらり、変化球タイプの司令官は、そう決めたのである。



  **********   **********



 この惑星の生活は、悪くなかった。


 というよりも、はるかに良かったのだ。


 ヘレナリアは、要求するすべてを満たしてくれるし、まだお釣りがくるくらいだった。


 ここで生活したいと言う金星人も次第に多くなった。


 まあ、当然のことだろう。


「それだって、悪くないさ。たとえ女王の意図であったとしても。」


 ブリアニデスは情報局長に言った。


「やはり、そう思われますか?」


 情報局長は、大きなドームから空を見上げながら言った。


 この指令本部も、実に快適である。


「ああ。我々を、あの宇宙から排除しておきたいんだ。それは間違いないよ。ヘレナリアは、絶対に言わないだろうけどね。」


「ここも、やはり、女王の息がかかった世界ですかなぁ。」


「証拠はないよ。きっとね。いくら探したって出てこないさ。」


「まあ、ヘレナリアは、結局人間じゃあないことだけは、確かですよ。でも、人間ですがね。」


「ああ、あんなに安定した人間はいない。老化だって、きっとしないだろう。でも、人間だよな。」


「そうですね。」


「希望者の募集は、どうかな。」


「まあ、予想よりは少し多いくらいですよ。いまのところ、3千人くらいです。でも、まあ、これからですからね。ね! なんでも締め切りまぎわにならないと、ものごと、動かないですよ。」


「まあな。」


 ブリアニデスは、ババヌッキ酒を口に含んだ。






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「やましんさん、なんかいまだにまったく冴えてないですよお?」


 幸子さんが突っ込んできました。


「いやあ、そうなんですよ。実際ねぇ。」


「冴えてたことがあったらば、だけど。」


「はあ・・・いやあ、ないなあ。自分が冴えてる!と思ったことは、金輪際ない。自信もって断言します。」


「おと・・・でもまあ、それでも書いてると言う事だけは、まあ事実なんだな。やましんさん以外に、幸子の事を書いてくれる人類はいないからね。まあ、書き終わることがすべての目標として、あとはお饅頭食べてリラックスですよ。」


「お饅頭は、禁止です。」


「ふうん。中身のないお饅頭とか。おいしい、あんこは幸子がいただきますから。」


「まあ、糖尿病食って、実際、そんな感じですでけどもね。」


「見た目の形が整ってることに、まずは意義があるんですよ。女王様がおっしゃっていましたよ。やましんさんは、むかし、文学の先生にみんなの前で言われたんでしょ? 君は形式不備だって。」


「うん。そうなんですよ。まあ、でもね、あんこだけで、お饅頭とは呼ばないものね。ただの、あんこ。」


「ぶ!」





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