わたしの永遠の故郷をさがして 第三部 第一章 第八十回
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「よろしんじゃございません? 来るものは、まずは拒みません。ただし、定員には達しそうなので、選抜試験はしたいと思います。」
ビュリアが言った。
「ほう。どうすれば、よいのですか?」
副師団長が尋ねてきた。
「そう、まずですね、ポプリスちゃんたちを追い払ってください。殺す意図などは、さらさらございません。それはもう、やめです。帰ってくれればそれで良い。時期が来たら、また交易も考えましょう。しばらく大人しくしていてくださればよいのです。」
「なるほど。」
副師団長は、やや、ぼんやりと肯く。
「あなたがたを、火星が、地球地域の防衛師団と位置付けることなども、たとえばですが、あっても構わないですよ。そこんところの権限は、リリカさまやダレルちゃんにお任せしても良い。」
「なんで、あんたが決めるんだ。」
ダレルが反発した。
「提案です。て・い・あ・ん。」
ビュリアが手を交互に重ねながら告げた。
「ああ、リリカ閣下は、お認めになりますか?」
副師団長がリリカの顔を見た。
「はあ、まあ個人的には、認める用意はございますが、やはり、総会での承認はこの際、必要でしょう。」
リリカは、慎重に答えた。
「仲間割れなら、また、戦闘になるぞ。」
ダレルが、こんどは巨大な釘を刺した。
「そこは、回避してくださいな。」
ビュリアが、そっけなく、また、こともなげに言う。
「簡単に言うなよな。」
そっぽを向きながら、ダレルが応答した
「自分一人では、荷が重いでしょうなあ。」
副師団長が、いささか自信なげな感じで、つぶやいた。
「覚悟ですよ、覚悟。言い出したんだから、ね。副師団長さま?」
「ええ、そうですな。」
「まあ、まずは結果を出しましょうよ。総会が再開出来たら、その成果を、ダレルちゃんが説明すればよい。」
ビュリが、あっさりと決めつけた。
「だから、あんたが決めるんじゃないだろう。」
「あなたがお決めになればいいですわ。いかがですの?」
ダレルは、仕方なく言った。
「まあ、・・・この際、それで行こうか。あの宇宙警部とかには、どうするつもりなの?」
「わたくしがお話しいたしましょう。それに、もうひとり、味方したくてうずうずしている方もいることですし。さらに、協力してくださりそうな方もいますよ。力を合わせたら、ポプリスちゃんなんか、ちょいちょいですわ。」
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アレクシスとレイミは、もちろん、この様子を観察していた。
「これは、チャンスと見るべきであるのかであるのか。」
「あるのかなんてあるのか、なんて、言ったりしたりもする。」
「慎重に、チャンスはモノにするのであるのであるのである。」
「そうであるのであるのであったりもする。」
「光人間に招集を掛けるのであるのであるのであるぞ。」
「ウナはどうする?」
「あのまま、利用させてもらおうなのであるのだ。」
「もらおうであるのだな。マヤコは?」
「あれは、まだ進化が出来ない。体質が鈍感であるのであるのだ。」
「ドンカンなのだ、だったりもする。」
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