表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/106

わたしの永遠の故郷をさがして 第三部 第一章 第七十七回


 ************   ************


 美しい場所だった。


 太古の地球に、このようなエデンの園のようなところがあったということは、科学的には、まったく解明されていない。


 この天国的な情景が、タルレジャ王国から始まって、2憶5千万年後にまで伝説として伝わったということは、ちょっと考えられないことだ。


 それでも、ダレルとリリカは、わが目を疑ったのだ。


「これはまた、なんと、良い場所かしらね。火星でも見たことがないわ。なぜ? こんなことが。」


「どうせ、ヘレナのもたらす幻影さ。実体なんか、なんにも、無いに違いない。」


「でも、これは明らかに物質だわ。錯覚じゃない。この木も、花も、あの海も。そして、あの宮殿もね。あれは、まさに、火星の王宮そのものじゃない。なんだか、もっと奇麗になってる感じがする。きっと、太陽に近いせいね。」


「だから、幻影なんだよ。すべてがそうなんだ。だって、これまでに、何回も見て来ただろう。」


「ううん・・・そうかな。」


「そうだよ。もしかしたら、ぼくらはもう、生きていないのかもしれないね。」


「ばかな。ほら行くわよ。副首相さま。」


「はいはい、首相殿。」


 ダレルとリリカは、明るい光に、くっきりと浮かび上がる王宮に向かった。



 **********   **********



 出会う人すべてが、二人に敬意を表して挨拶して行く。


 服装は様々で、特に共通するものは見られない。


 暑すぎもせず、肌寒いと言う事もない。


 ほとんど、大方、露出状態の女性や、パンツだけの男性もいれば、火星の派手な民族衣装の人もいる。


 金星人は、合理性と調和した美を重んずる。


 通常は、比較的ビジネススタイル的に質素だが、何かの祭典とかになると、思いっきり派手になる。


 火星人のシンボルである、角や牙は、金星人に配慮してか、通常は、ひっこめているようだった。


 もちろん、ここは、今は昼間である。


 二人は、いかにもS.F的、異世界的な情景に、愛想よく答えながら、王宮の正門に到着した。


 アブラシオが、直接王宮の中ではなくて、明るい屋外に、ふたりを送転したのは、ビュリア=へレナの指示だったことは、あとから聞かされたことだ。


 気分的には、悪いやり方じゃあなかった、とダレルも思う。


 確かに、人間は多かれ少なかれ、気分屋であるのだから。


 正門に、かつてのような衛兵はおらず、その代わりに、ビュリアが出迎えに出ていた。




 **********   **********



 ウナは、意識がやっと、はっきりとしてきていた。


 ここは、アブラシオの中なのだが、そう、聞かされなければ、そんなことはわからなくて当然だ。


 パル君は、ずっと付き添っていた。


「パル君、元気?」


 ウナが言った。


「うん。元気だよ。すべてうまく行った。ママは金星から解放されたよ。」


「そう・・・よかった。ここは、どこ?」


「ああ、どうやら、また、アブラシオさんの中なんだって。でも、ぼくらは、まったく動いていない。おかしなことだね。でも、ウナは心配いらないって。」


「そう。マヤコさんは?」


「さっきまで、ここにいたけど、お腹空いたって言って、食堂に行った。もう、いちんち、あんまり食べてかったから。でも、ウナが大丈夫そうになったから、ババヌッキ茶と、ジャヤコガニュアン・ステーキ、食べるとか言ってた。」


「そう。あなたも、食べてないんじゃない?」


「まあね。でも、ドリンク飲んでるから問題ないよ。マヤコさんが帰ってきたら交代する。」


「ふうん、ありがとう。でも、行っても大丈夫だよ。」


「うん。まあ、すぐさ。」



 こうしたやり取りを、そっと空中から眺めていたものがいた。


 光は見えていない。


 『光人間』は、光るとは限らない。


 それは、かつて、ババルオナだった『光人間』である。


 すでに、変貌して時間がたってきた。


 人間としての意識や感情は薄らいでいて、『光人間』としての自覚が支配しているが、記憶が無くなった訳ではないようだ。


 ウナも『光人間』だが、『宇宙クジラ製』の体が、モノを言っている。


 しかし、その意識の中核は、アレクシスとレイミが、握っているのだった。




  ************   ************












 


 





























 
























 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ