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わたしの永遠の故郷をさがして 第三部 第一章 第七十三回


 ************   ************



「あらま、地球上の人間はみな脱出したみたい! これも、結局はシナリオ通りなのかな?」

 

 ポプリスは、いささか拍子抜けしたようにつぶやいた。


「まあ、切符買って乗ったんだから、きちんと行き先までは行かなければ。」


 キラール公は平然としている。


「そうだね。じゃあ、占領させてもらいましょう。でも、我々がここから脱出できないと、意味ないわね。」


「ああ。もうひと仕事だね。」



 **********   **********



 警部2051は、いささか困惑ぎみになっていた。


「なあんか、おかしいよなあ。どうも、筋が通らない。ビュリアさんは、なぜあっさりと地球を撤退したんだろう? 仕方ないよなあ。この際、ぼくのほうで打開してさしあげようかな。まずは、様子を聞いてみようかな。 ビュリアさん、ビュリアさん、こちら『警部2051』応答願います。」


『はいはい。聞こえてますよ、警部さま。』


「これは、どういうことなのでしょうか? このままだと、地球は奪われますよ。もっとも、大将を確保しているから、まだこっちが優勢ですがねぇ。もしよろしければ、ぼくが手を入れますが。」


『そうですわね。警部さま。あまりに多くの方が人質状態になるのは避けたかったのです。でも、ポプリスちゃんたちの御一行は、地球上で立ち往生となります。わたくしが、地球を閉鎖します。出ることも入ることも、もうできませんわ。自分たちが掛けた鍵はそのまま有効です。なにも使えない状態のママですから。いい気味ですわ。」


「はあ・・・いやあ・・そりゃあ、なんか意地悪ですなあ。」


『はい。お互い様ですわ。』


「しかし、このまま、にらめっこでは困るでしょう。こちらの人質を消去する事は簡単ですが・・・。職務上そうした事はやりたくないのです。仲裁しましょうか?」


『まあ、警部様。思ってもみないご援助です。是非お願いいたします。さすが警部様ですわ。どうも、あの娘と仲良くするのは、嫌なのです。まあ、やはり、見るだけで身の毛がよだつのですもの。』


「ははは。いやあ、ははは。」


 人(?)の良い警部は、それでも、まんざらでもなかったのである。



 **********   **********



「なんか、変ですなあ。」


 デラベラリ先生が言った。


「変かな?」


「変ですよ。ドク。女王・・・お嬢とポプリスの争いだけでこうなっているのか、というと、どうも、疑わしいんですなあ。どうやら、もうひとりか、ふたり、誰か、カンでるんじゃないか。と、ぼくは、思うのです。勘ですがね。」


「だれ?って、だれだ?」


「さあてね。まず考えらえれるのは、当然、消えてしまった、前の『女王』ですな。これまでの話では、前の女王は消滅した。それ以上の情報は、はっきりとは開示されていないでしょう。」


「ふん。消滅していない。とな?」


「まあ、姿なき怪人ですからね。疑ってしかるべきだ。それから、更に気になるのは、『光人間』ですよ。」


「うむ。そうだな。そこは失念していたな。」


「でしょう。彼らはすでに存在していた。確実にね。でも、その実態も実力もまったく分からないです。」


「うん。そうだな・・・あやつはどうしているかな。」


「ジニーなら、第9惑星に向かったようですな。」


「そりゃあ・・・『光人間』に関してかなあ・・・」


「そうでしょう。たぶん、きっとね。彼女も、そこを疑ってるんでしょう。」


「ふん。じゃあ、こっちは、地球に降りられないかな。」


「それが、どうやら遮蔽されていて、近づけないようなのです。」


「ほう・・・面白い。わかった。じゃあ、金星に行こう。」


「はあ? あそこには、何もないですよ。」


「温泉さ。地下のね。君なら、降りられるだろうが?」


「まあ、たぶん。」


「よっしゃ! あそこには、何かがあるに違いない、と見た。勘だよ。カン!」



  **********   **********



 『光人間」の指導者は、言うまでもなく、アレクシスとレイミである。


 しかし、このふたりは、ビューナスと共に『真の都』に消えてしまったはずだった。


 しかし、実はそうではなかったのだ。


 アレクシスとレイミは、『真の都』に入れなかった。


 『女王』によって、入口から排除されてしまい、よくわからない異空間に封じられてしまった。


 それを、助け出したのも、『女王』だった。


 ただし、『女王』は、ひとりではない。


 現在、ビュリアに入っている『女王』は、火星が怪物ブリューリによって征服された時に、分身を残して脱出した、元『女王』である。


 その分身は、永い間自分が分身だとは、知らなかった。


 『女王』は、分身を自由に形成でき、また吸収も、できる。


 ただし、自分が作った分身以外の分身の吸収は出来ないのだが、総元締めと言うべき、『真の女王』は、全ての分身を自在に回収できる。


 問題は、誰が『真の女王』なのかは、今のところ解っていない、ということである。


 この宇宙には、ビュリアの中の『女王』と、お情けで回収を免れたその『分身』がいる。


 ほかにいないのかと言うと、実は、絶対的な事はわからない。


 ビュリアの『女王』は、自分が『真の女王』だと思っているが、それは『分身』もそうだったのである。


 アレクシスとレイミを追放したのは『ビュリアの女王』だったが、解放したのは『分身』の方だった。


 そうして、それは、実は『分身』には、本来、出来ない事の、はずだったのだが・・・





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