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わたしの永遠の故郷をさがして 第三部 第一章 第五十三回

************   ************


 絶叫マシーンは、ぎりぎりと登って行く。


 どこまでも。


 恐ろしい高さまで上がってきていた。


「うわあ・・・すごいなあ。でも、向こうの方には、雲の上まで上がってるところがあるよ。」


 パル君が言った。


「まだまだ、その向こうには、宇宙空間にまで届いてるところがあるんだ!」


 『ママ』が嬉しそうに言った。


「え? じゃあ、息ができないよ。」


「大丈夫。この軌道空間は、全体が保護されてるんだ。」


「ふうん・・・すごいなあ。」


「よし、スタートするぞお!!」


 『ママ』の言葉と共に、ゴンドラは最高地点に達し、いよいよ滑空し始めた。


「うわ~~!!」


 パルくんが叫んだ。


「あひょ~!」


 『ママ』も叫んだ。


 真っ青な『架空』の空の中を、二人の乗ったゴンドラは、まさに猛スピードで進んだのである。




 **********   **********



 一方、アニーは、ほどなく重要な部分に差し掛かっていた。


「ビュリアさんには言わなかったけど、可能性としては、『ママ』が気絶するかもね。まあ、多分問題は起


こらない。よほどの運のよくない状況が重ならなければ、問題はない。例えば、宇宙空間にいるとか、宇宙


服を着ていないとか、しかも『架空空間内』にいるとか、さらにたまたま高速で動いているとか、まあ、な


いよね。」


 アニーは、時間短縮して作業に集中するため、周囲への注意は無断で省略していた。


「2時間以内にやれ!」


 というヘレナの命令を実行するにはそれしかない。


「そんなことがあったら、宇宙空間内に飛び出してしまって、迷子になるからなあ。」




 **********   **********



「結局のところ、今回の紛争の最大の要因は『ママ』である。そう集約するしかないのではないか。」


 カタクリニウク議長が提案した。


「金星のビューナスさまも、火星の女王も、そうして多くの指導者や、反体制派、テロリストと呼ばれる


人々も、そこを端緒に動き始めたのである。彼らに責任がないとは言えないが、『ママ』に集約される原因


によって、各自の信念に従って動き始めたのであって、現状において、彼らを処罰する決定をして、どうし


た意味があるのかは、明らかに不明だ。もし、そうしたら、それに連なる人々は、皆、同罪である。となる


と、ここにいる人、全てが同罪となる。」


「異議あり。」


 ブル教授が叫んだ。


「それでは、火星で長年行われた食人という罪悪はどうなる? だれも裁かれないままか?それは許されな


いことだ。」


 一部に盛大な拍手があったが、大多数には至らない。


 しかし、けっして少なくもない。


 より多くの人々は、あまりそこに触れたくはなかったのだが。


「これは、人間の根源に関わる大問題で、いまここで、決着を付けなければ、今後も行われることになるに


違いない。それを防ぐ必要があるのだ。今しかないのである。」


 ブル先生は力説した。


 また、一部で盛大な拍手があった。


「ビュリアを出せー!」


 再びこの叫びが上がった。


「こりゃあ、やはり、もう一回、ビュリアさんが出ないと収まらないですなあ。」


 議長がダレルにささやいた。


「休憩しますか? 見つからないんです。」


「ああ、困ったもんだ。」


 そこで、議長は、やむ負えず宣言した。


「しばらく休会します。再開は30分前にお知らせいたします。」


 拍手やら怒号やらが飛び交った。



 ************   ************



「うわあ。ぐんぐん上がる。ちょっと、怖い。」


 さすがのパル君が言った。


「『ママ』がいるから大丈夫さ。」


 ゴンドラは、最高地点目指して急上昇していた。


 そこは、もう、宇宙空間である。


 そこから、地上に向かって、ダイビングするのだ。


「うわわわわわ。」


 パル君は、必死にこらえていた。


 でも、とうとう、素晴らしい光景を見た。


「え。金星って、こんなに美しかったのかなあ!!」


 そうなのである。


 だれも、もう永らく見たこともない、往年の、美しい海と大気と陸地に覆われていた、ほんの短期間の金


星の姿が、ついに、そこに浮かび上がった。


 これこそ、真の金星。


 真実の『ビューナス』の姿だった。


 『ママ』は、パル君に、これを見せたかったのだ。





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 **********   **********


「やましんさん、テンポ、上がらないですねエ。」


 幸子さんに、しっかり言われました。


「はいー。最悪です。想像力充填マイナス120%。体力減退。体重は減少、血糖値減少、中性脂肪減少、


そこは良かったけど、元気はいっそう減退中。」


「こらこら、こういうときは、お饅頭嵐に限りますね。『ハイパーお饅頭嵐~!!』」


「あああ、血糖値上がるから勘弁!」


「まあまあ、たまにはお肉食べてください。」


「怖いよ~。怖いよ~。」


「あらら、隠れちゃった。こりゃあ、重症だな。女王様に、相談しようっと・・・」





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