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わたしの永遠の故郷をさがして 第三部 第一章 第百二回


 ************   ************



「そう。だから、お互いにとって、これは、チャンスになるんですよ。あなたがたが、ババヌッキ社と提携協力するのならば、ビュリアさんは勿論、火星側の承諾も得やすくなるでしょう。まあ、ややこしい交渉は必要になると思いますよ。だから、あなたがたも、それなりの態度をする必要はあるでしょう。まあ、ビュリアさんとあなたの間が、どういうものかは・・・。ぼくは詳しくは知りませんがね。個人的な怨恨にだけ寄りかかったら、せっかくの飛躍のチャンスを、逃しちゃいますよ。」


「ふん・・・・ちょっと、キラールを呼んでいいか?」


「ああ、どうぞ。どうぞ。」


 ポプリスは、元の場所に顔だけ出して、キラール公を呼び出した。


「なんか、企んでるなあ。あの連中。」


 ダレルが、リリカにささやいた。


「まあ、見当はつくわよ。あなた、難しい事、言い出さないでくださいよ。」


「はあ? ぼくは、難しい事なんか言ったことはない。」


「そう?あなた、女王様のことになると、意固地になる。ビュリアさんにも、どこか反発したがってる。」


「そりゃあ、当然さ。自然の流れだ。」


「でも、火星の再興を願うならば、話に乗ることも必要でしょ。」


「まあね。」




  *****   *****   *****



「と、いうわけです。」


 ババヌッキ社長は、自分から提案内容を解説した。


「ふうん。。。。」


 キラール公は、王族である。


 いささか、生意気なところはあるし、態度が常に横柄な部分もある。

 

 ここでも、そっくりかえって話を聴いてはいたが、やがて、思い直したように、椅子に座り直したのであった。


「ぼくは、反対しないよ。ババヌッキ社の信用を活用できるようになるのならば、願ってもない事だ。しかも、ビュリアさんが、こちら側に付いてくれるんだったらば、ぼくらとしても、それなりの礼を尽くす用意はある。違うか?」


「まあね。相手が、それなりの礼を尽くすのならば。」


「そこは、しかし、当面助けてもらうんだから、しばらくは我慢しなければ。」


「まあ、な。」


 ポプリスは、それ以上反論はしなかった。


「じゃあ、目出度くそういう方向で、行きましょう。ははははは。」


 社長は、愉快そうに笑った。 


 三人は、立ち上がったのである。




 **********   **********



 ババヌッキ社長と、ポプリス、キラールは席に着いた。


 それから、ひと呼吸おいて、ババヌッキ社長が挙手した。


「どうぞ、社長さん。」

 

 ビュリアが言った。


「いや、ども。あああ、只今、こちらの『ド・カイヤ集団』幹部、お二人と話し合いしました。我々は、協定を結び、事業協力を行う事で、合意しました。ダレル火星首相閣下、リリカ副首相閣下。そうして、地球の地主さまであるビュリア様に、申し上げます。是非、この方向で進めさせていただきたい。」


「ふん。」


 ビュリアは、腕組みをしながら、三人を見つめていた。




  ************   ************



「わたくしたちは、ここから出発すべきなんだと言うことですよ。お父さん。」


 のりちゃんは、そう父に言った。


「父さんは、反対はしないがね。気がかりなのは、あのとき家にいなかった、母さんのことだ。」


「あの、ヘレナリアさん。母と再会は出来ないのでしょうか? 私たちが火星から連れて来られた時、母は市場に行って外出中でした。」


 ヘレナリアは、しばらく考えていた。


「それは、以前にも、お伺いしておりましたけれど。わたくしが、直接にどうこう出来る事象の範囲外なのです。もし、お母様が火星滅亡の時に、救出されていたとしても、お二人が向かう次元には存在しないと考えるべきです。」


「そもそも、なんで、我々だったのか? ですよ。あなたは。そこんところの理由は、まったくと言っていいほど、すっとぼけていえ、話してはくれていないですよ。なぜ、我々二人を、ここに連れて来たのですか? なぜ、他の人じゃあなかったのか。」


 ヘレナリアは、いささか困った顔になった。


 いや、そういう顔になった、気が、のりちゃんには、したのである。



  ************   ************























  





















 
















































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