兄弟の密談
「第3、ちょっと俺の部屋に面貸してくんねぇ?第5が裏切ったとしたらそれなりの対策をしておかなきゃなんねぇからな」
「兄貴の部屋に? 了解。いかせてもらおう」
兄貴……つまりは第2皇子なわけだが、俺が兄貴の部屋を訪れたことは1度もない。兄貴が俺の部屋に来たのは山のようにあるのだ。……つまりはそういうこと。その兄貴の部屋に招待された。……なにかが起こるのかもしれないし、起こらないのかもしれない。つまりは「神のみぞしる」とかいうやつなのか?
とにかく、兄貴の部屋にいったとき、部屋に居たのは第1皇子、第4皇子。そして、部屋の持ち主の第2皇子がはいってきた瞬間、部屋の空気は一変する。
「今日集まってもらったのは、他でもない。今日第1戦から第3戦までが行われたバトル大会のことだ。第6皇子は確かに死んではいない。しかし、医師たちの判断では、再び皇位継承者となることはできないとの判断を受けた。そして、第5皇子は事態が正確にわかってから裁判にかけられ皇位継承者としての身分を剥奪される。場合によっては死刑になるかもしれない」
兄上がこの事をいうのは父上が言いたがらなかったからだろうなと思う。やはり、自分の子供が皇位継承を離れるのは、辛い。
「俺からも、1つ…………。先ほど父上がおっしゃっていたドロイドは俺と兄上が学院在籍中に研究、開発をしたものだ。あ、第3が参加してないのは、お前の専攻が違っただけだからな?気にするな」
……なんでばれた?
「そのドロイドが先日、特許局に許可が降りたらしい。それを使って第5皇子に制裁を……な」
「そうですか。ドロイドの能力を楽しみにしていますよ。せいぜい良い情報を持って帰れるといいのですが」
「第4、お前言い方ってものがあるだろ。笑い方こわいから」
俺たちがこれからどうなるのか?神のみぞしるってところだよな。
そして、恐怖(?)のバトル大会2日目が始まる……