オロフ vs クラウス
とりあえず、なんとかマルテスにかった俺。ただし、なんとなく俺たちイェートシュティト家を潰そうとしているのか……とは思った。そもそもイェートシュティト家はお爺様の代に様々な家を潰して大きくなった家だ。……俺には口うるさいお爺様なだけだった。それだけのこと。
さて、話がそれた。俺の第3戦目の出来事。といっても何にも起こっていない。ただの試合……。それは俺だけか?
第3戦目はクラウス・エーザー。かの有名なエーザー家の跡取り……だった。この前までは。何か企んでいるのかもしれない。急に跡取りから降りると言い出した。疑いしか持てない。さっさと倒して、見張っておかないといけないかもしれない。
「始め」
もはや、お馴染みになってしまった審判の号令で試合は始まる。クラウスはマルテスのように変な呪文を唱えることはしなさそうだ。……少なくとも命だけは保証された!
クラウスはどうみても初心者だ。おまけに剣だし。剣だよ?ゴブリンの一員としてどうかと思う。俺は自らの斧をクラウスに振りかぶる……前に、
「さすが、オロフ・ド・イェートシュティト。やはり、主様はお前のことだけは気にしておられた……。やはり、俺にはお前を殺せないらしい。フッフッフ、あーはっはっ。お前には負けた。投了」