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その伯爵令嬢困惑につき
河岸で溜め息をついていたウチに声をかけた者が1人。
「マリエール」
「ジェフ兄上……。父上伯爵様に唆されてウチを殺しに参られたか?」
「マリエール、どこまで知っている?」
「んー、父上伯爵様がブィルンヘルとか言う商人に唆されてウチを暗殺しようとしていることとか、ウチが父上伯爵様の子どもではない誰かだとか?」
「すべてじゃねぇか。よし、俺は心を決めたぞ。マリエール、俺はお前を守る。ちょうど国王陛下がマリエールを守り、王城まで参上しろとの命を受けたしな」
おうじょう……?おうじょうって王城よね?って……
「はあ?ジェフ兄上何を考えていらっしゃいますの❓」
「マリエール、とにかく行こう」
「え、えぇ。でも兄上のことを信用した訳ではありませんからね」