free-to -play!
読んでいて胸糞悪くなった方は、すぐにページを閉じて下さい。
「だるい。頭いたい。あぁ、生きるのが面倒くせぇ。死にてぇ。」
毎日毎日、死ぬことばっかり考えて、お気に入りの曲の歌詞のように口ずさむけど、結局のところ、自殺なんてできない臆病者だ。
自暴自棄になった俺。
ニート歴4年、職なし、金なし、度胸なし。
はい、自己紹介終わり。
そんな俺が今、どうなってるかって言うと、生きてます!ものすごーく、生きてます!
事の始まりはPCゲーム。
十六歳で手をつけたオンラインゲームのお陰で、今や完全なるゲーム廃人だ。
最近は面白そうなゲームを見つけては遊び、少しやったら飽きちまう。
もうMMOっていう時代じゃねぇのかなぁー、なんて、ちょっと時代を先取りした意識もっちゃったりしてるけど、結局毎日電源いれて画面に写るのは、いつものゲームのタイトルだった。
そんな俺がある時たどり着いたのは、どうにも胡散臭い外国のゲームサイトだった。
インディーズとかいう、大手のゲーム会社ではないゲームを、低価格で販売してるらしい。
その手に詳しい奴等から言わせれば、国内のくだらないキャラゲーに金使ってクソゲー掴まされるくらいなら、ここで自分好みのゲームを探せ!って感じらしい。
金もねーのに、どうすればいいんだよ。
と、思いながらとりあえず検索。
お!あるじゃんあるじゃん!画面には、FREE TO PLRYの文字がずらっと並ぶ。
要はこれって、無料げーってやつだろ。
ラッキー!お金のない俺にも、救いの手が待っていた。
さぁ、どのゲームにしようかな。
まずは、ジャンルから選ぶか。
もうMMOはいいや。正直、食傷気味って感じ。
どうせ馬鹿みたいな時間を注ぎ込まないと、
満足な装備もてにはいらねーし。時間泥棒もいいとこだ。
んー、FPSにTPSもいいなぁ。
自分の腕一本でのしあがって、敵を殺した時の爽快感っていったら、はんぱねーもんがある。
アドレナリンが、どばぁーっ!って一気に出る感じ。
まぁ、要は戦争ゲームみたいなもんだ。
殺し合いがエンターテイメントになるのは、どの時代でもかわらねーのかもなって思いつつ。
気になるタイトルを発見!
その名も lay down one's life なんだこれ。
なんて読むんだ。
とりあえず、ごーぐるさんで、翻訳してみっか。
命を捨てる
なんだそれ、すんげータイトルだな。
今の俺にはぴったりじゃん!
ジャンルは・・・サバイバルゲームかぁ。
最近は多いなぁ。海外ドラマかなんかの影響かしらねぇーけど、外人って生き残りをかけた戦いとか、そんなん好きだよな。
対応言語はどうなってんだろ。
正直いって、日本語対応してない海外のゲームって、いくら面白くても世界観にはいっていけねぇーんだよな。
お! 日本語対応可!?まじかよ!いいじゃん!
どんなゲームなんだ?日本語化してみっか。ぽちっとな。
このゲームは、実際に死ぬ可能性がある。
ゲームを始めると、君は何一つアイテムや、武器は持っていない。
己の力一つで、生き抜くんだ。
ゲームを始めると、君はもう一つの世界に飛ばされる。
そこでは君と同じように、ゲームへと飛んでくる者達がいる。
彼らは敵か味方か分からない。
誰を信じ、誰と戦い、どうやってこの世界で生きるのか。
それが、このゲームの究極の目的だ。
究極のゲーマーにのみ許された、至高の世界。
それこそ、命を捨てる《lay down one's life》である。
ゲームを始めてしまったら、君はもう今の世界に戻る事は出来ない。
死ぬまでは。
死んでしまえば、戻ってくる事は出来る。
しかし、向こうの世界で手に入れた全てのモノを失うだろう。
それでも、また挑戦したいなら、ゲームをスタートすればいい。
命を捨てる《lay down one's life》は、何度だって君を歓迎する。
なんだこれ。
日本語化したはいいけど、今いち内容がつかめねぇーな。
まぁいいか。
とりあえずインストールして、やってみっか。
GAME START ぽちっとな。
あれ?なんだこれ?バグってんのか?
画面が真っ暗でって・・・・・あれえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?????
「なんだくそ、あったまいてぇ。って、あれ・・・」
目を覚ますと、そこは草原でした。
「え・・・、どういうことだよこれ。まじ意味わかんねぇーって」
とりあえず周囲をぐるぐる見渡す。
緑が生い茂る、だだっぴろい草原なのはわかる。
だが、これはまじなのか?現実なのか?リアルなのか?!
確かに、このゲームの説明には、ゲームをスタートすると、
別の世界に飛ぶって書いてあった。
けどさ、まじ飛ぶとはおもわねぇじゃん!?
そういう感覚に陥るような、ゲームですよってそういう感じの売り文句じゃないの!?
草原のど真ん中で立ち尽くす俺。
ああ、風が気持ちいい。
そう言えば、昼間は外にでないんだよな。
少しだけ、冷静になってきた。
自分の身体を見てみると、下は紺のジャージに上はウニクロのフリース。
靴もはいてないし、無精ひげもある。
ゲームを始めるときの、俺、そのままだわ・・・。
「おい!そこの奴!お前もゲームに入って飛ばされたのか!?」
声のするほうに振り向くと、そこにいたのは白人でした。
「えっ?外人!?日本語はなせんの?」
でけぇ。180cmはあるんじゃないか、コイツ。
175はある俺の身長からみても、やっぱりでけぇ、でかすぎる。
でも、たいした体つきじゃないな。
筋肉ないし、外国のオタクみたいなもんか?
「日本語?何言ってるんだ。俺は英語しか話せないぞ。お前は日本人なのか?ここがどこだか分かるか?」
そう言いながら、どんどん近づいてくる。
なんか、本能的に、こえぇーと思った。
「え?あ、まぁ、そう。日本人だけど。俺もここがどこだか、わかんないんだよ。ゲーム始めたら知らないところにいてさ。何なんだ、これはまじでゲーム?なのか?」
ちょっと無理して、フレンドリーに会話してみる。
外人と話したことなんかねぇーし、どうしたらいいかわかんないけど、それはたぶん、向こうも同じだろう。
FPSとかやってると、よくボイチャの外人がファックファック言ってるけど、卑な日本人よりはよっぽど接しやすいよな。
うん。たぶん。きっとそうだ。
「ここがゲームの世界だって?そんなの俺にも分からないよ。とりあえず、一緒に行動しないか?もしかしたら、向こうの世界に帰る手がかりが見つかるかもしれないぜ」
正直、迷った。
人と接するのが嫌で家に引きこもって、
ニートしてた訳だしさ。
しかも、しょっぱな外人ってどうなのよ。
「お、おう。そうだな。そうしよう。何か見つかるかもしれないしな」
てんぱった俺。
とりあえず、相手にあわせてレッツゴー。
はぁ、まじ、何やってんだよ。