第5章-14 チーム『オラシオン』完全稼働開始
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「準備は済んだか?検査があるらしいから、早めに行こうぜ」
俺は自分の荷物を持ち、少し離れた位置で荷物の確認をしているジン達に声を掛けた。
「おう、問題は無いぜ!」
ジンが手を上げながら答え、その後に続いてガラット、メナス、リーナも大丈夫だと手で合図をしている。
「ワイも準備OKやで!」
馬車の屋根の上にいたナミタロウも準備万端のようだ……最も、ナミタロウの準備なんてあって無いようなものだが……
ナミタロウの声に反応して、シロウマルとソロモンが遠吠えをする。特にソロモンは王都に来てから、碌に外に出れなかったので、気合が入っているようだ。
スラリンはタニカゼの中に入っており分かり難いが、馬が興奮しているような仕草を先程からやっているので、気合は十分の様である。……この調子なら、今日の俺はする事が無いかもしれない。
「テンマ、ちょっとええか?」
シロウマル達の遠吠えが終わったところで、頭上よりナミタロウが声を掛けて来る。
「何だ?」
「……降ろすの手伝ってくれへん?少し体が乾いて来てもうて、動くのが辛いんや」
その言葉に俺とジン達はずっこけそうになるが、取りあえず威力の低い水魔法をナミタロウにぶつけておいた。
「生き返るわ~」
そんな事を言いながら、自力で降りて来るナミタロウ。そのまま俺のバッグに潜り込み、着いたら起こしてや~、などと言っている。
先ほど入れた気合がすでに抜けているようではあるが、取りあえずバッグにシロウマルとソロモンも入れて馬車に乗り込んだ。
御者はジンとガラットがやってくれるというので、俺は遠慮せずに乗り込んだ。
「それじゃあ行ってくるから」
見送りに出ていたじいちゃん達に声を掛けてから、馬車は会場へと向かって行った。
早朝にも関わらず、会場付近は熱気にあふれており、思っていたよりも少し時間がかかったが、大した問題も無く会場入りする事が出来た。
「それじゃあ、試合でな」
「おうっ!当たっても手加減なしだぜ!」
会場に入って直ぐの所で検査をやっているらしく、そこでジン達とは別れる事になった。
「こちらにお願いします」
まだ集合には少し早い時間帯であったので、俺達より早く来ていたのは一組だけであり、そのおかげですぐに検査室に入る事が出来た。
検査室は二つあり、それぞれ離れているので、自然とジン達と離れる事になったのだ。
「まず検査の説明を行います。ここでは、簡単な武器、防具、参加メンバーの確認をさせていただきます。また、マジックバック等の控室への持ち込みはこれまで通り問題ありませんが、試合直前に、身体検査と試合で使用する武器などを、係員の目の前で貸し出すバッグに入れていただきます。その際に自分のバッグを係員にお渡しください。無理な場合は、事前に知り合いに渡しておくなどの方法を取ってください」
そう言われたので、使う予定の武器や道具等を机の上に載せていく。
係員はそれらを記録していき、特に回復薬などには数や種類、色に瓶の形まで記録していた。
「試合後に回復薬を使用する場合は、緊急時を除いて係員の目の前で使うようにしてください。今度はメンバーの確認を行います。テンマ選手はテイマーで眷属をメンバーにしていましたよね?呼び出してください」
そう言われたので、本当は秘密にしておきたかったのだが、仕方なく全員を呼び出す。
「えっ……きゃあああああぁぁぁーーーーーー!」
スラリンにシロウマル、それにナミタロウは情報を聞いていたようで、係員はそこまで驚く事が無かったが、ソロモンがバッグから勢いよく飛び出してきたのを見て、大声を上げて腰を抜かしてしまった。
「何があった!」
係員の叫び声を聞いた騎士達がドアを乱暴に開けて入って来る。とっさにソロモンをバッグに入れたのだが、それが何か見られてはまずい物を隠したように見えたみたいで、数人の騎士が俺を囲んできた。
「今隠したものを素直に出すんだ!」
騎士達は武器を構えながらそう言うが、それは無理な事だ。
「それは出来ません。これは俺の切り札です。それに、ルール違反をしているものではありませんので」
俺の言葉を信じていない騎士達が、腰を抜かして座り込んでいる係員を見た。
「す、すいません。テンマ選手はルール違反を犯している訳ではありません。ただ、私が急な事に驚いてしまっただけです……」
少し恥ずかしそうに係員が騎士達に言うが、騎士達はまだ疑っている。
「ルールに違反していないのなら、この場で出せる筈だろう!」
「ですから、これは俺の切り札とも言えるものです。それを係員でもない人に見せることは出来ません」
そう言ってはみても、やはり納得の出来ない騎士達をどうするかと思っていると、この部屋に新たな人物が現れた。
「何があった?」
そこに現れたのは、俺の家でよく見かける筋肉質の男……ライル様であった。
突然現れたライル様に、俺を除いた全員が膝を突く。ただし、係員だけはいまだに腰が抜けているようで、変な感じになっていた。
「面を上げよ。そんな事より、一体何があったのだ?……って、テンマじゃないか。どうした?」
俺を見るなり、先程までの威厳のある声が、いつもの声に戻った。
ライル様の反応を見て騎士達の顔が青ざめるが、それでもリーダー格の騎士がライル様に報告する。
その報告を聞きながらライル様は少し考えてから提案をした。
「お前たちの言い分は分かった。確かにテンマが隠したものを確認しなければいけないであろう。しかし、選手として切り札はなるべく隠しておきたいものであり、係員が違反をしていないと言ったのを無視する事も出来ない。そこで、いまからすぐに係員の責任者を連れて来い。その者と俺がテンマの隠したものを確認しよう。双方それでよいな!」
と言う事になり、急遽責任者の男とライル様、それに元々の係員のみが確認すると言う事になった。
「それで、テンマ。原因はソロモンか?」
ライル様は分かっていたようで、原因をすぐに言い当てたが、責任者の男は意味が分からずに少し混乱していた。
「その通りです。出て来いソロモン」
俺の合図で飛び出すソロモン。さすがに見慣れたライル様と、二回目で覚悟を決めていた係員は声を出す事は無かったが、今度は責任者の男が大声で驚いた。
大声を聞いて、外にいる騎士達が慌てていたが、ライル様が声を掛けたので入って来る事は無かった。
「ソロモンはルール違反にあたりませんよね?」
俺が責任者の男にそう聞くと、男は半分惚けた感じのまま頷いた。
「テンマ、ソロモンは一回戦で出すのか?」
「そのつもりです」
「分かった」
そう言って、ライル様がドアを開けて、外の騎士達に声を掛ける。
「今俺と責任者で確認した。その結果、違反は無かった。隠したものは『オラシオン』のメンバーであった。今はその正体を明かす事が出来ないが、俺が無理を言って一回戦から出してもらう事になった。その時に何が騒ぎの原因だったのかが分かるであろう」
そう言って、ライル様は騎士達を連れて引き上げて行った。
その後、俺は責任者と係員にものすごい勢いで謝られ、周りから変に注目されてしまう事となった。
「大変な目に遭った……」
先程までの羞恥プレイを思い出しながら、指定された控室へ愚痴りながら向かって行った。
今のところ、一回戦でソロモンを中心に、二回戦ではナミタロウを中心に戦う予定にしていたので、ライル様が騎士達に言った事は半分嘘が入っていたが、その嘘は騎士達よりも係員達の方に強く作用したようで、俺の検査を担当した係員が俺に謝りながらマジ泣きしていたのには、逆にこちらが申し訳ない気持ちになってしまった。
控室についてから30分くらいして、すべての参加チームがそろったそうで係員が呼びに来た。
これから抽選を行うので代表者が来るように言われたが、『オラシオン』には俺以外に選択肢が無いので、皆を置いて係員について行った。
抽選は個人戦と同じように観客の目の前で行われ、順番は会場に入った順番で行われるので、俺の順番は三番であった。俺の目の前にはジンが並んでおり、一番前は前回の優勝チームのリーダーだそうだ。
他にも、アグリやサモンス侯爵の姿も見える。
「テンマ……早々に何かやらかしたそうだな。係員を泣かせたんだってな」
ジンが小声で話しかけて来るが、どうやら話に尾ひれがついているようで、今正確な説明するのは難しいので後で詳しく話すと言っておいた。
「今から抽選を始めます。一番の方、どうぞ」
係員が先頭の男を呼び、抽選が始まった。
その結果……
「いい感じで離れたなぁ……当たるのは早くても準決勝か……」
俺の知り合いのチームは一・二回戦でそれぞれ当たらない番号を引いた。
番号が小さい順に、『セイゲンテイマーズA』が『3』、『鬼兵隊』が『8』、『オラシオン』が『9』、『暁の剣』が『13』である。
他に注目のチームは、前回の準優勝チームが『2』、前々回の準優勝チームが『11』、二連覇を狙う前回の優勝チームが『16』となっている。
他はそこまで有名なチームはおらず、本選出場経験のあるメンバーがいるチームと初出場のチームが半々といったところだ。
「でも、これは無いよな……」
俺の言った『これ』とは、一回戦で当たる事になる相手チームの名前の事である。
「まさか、ソロモンのデビュー戦の相手のチーム名が『竜撃隊』だなんて……」
相手の代表者が俺の二~三人後ろだったので、代表者だけだが確認する事が出来た。
見た感じは筋肉ダルマで、見た目で判断するならパワータイプの前衛で、装備が分からないが、おそらく戦士で間違いないと思う。
代表者の体格はジンより若干大きく、スキンヘッドで暑苦しい印象を受けた。
周りの参加者と比べても、かなりの実力者という雰囲気があった。
「まあ、それでも問題は無いか」
最初の方はソロモンにがんばってもらう予定だが、危ないようなら早めにスラリンとシロウマルを行かせるつもりだし、万が一、あの代表者が竜撃隊の最弱の存在、とかだったら俺もすぐに参戦するけど、さすがにそれは無いと思う……あれ以上なら、個人戦に出ても上位に来るだろう。そんな存在が揃って個人戦を回避するとは考えにくい。あの代表者なら、個人戦の本選に出場していてもおかしくはなさそうだった。
今回は俺の最初の試合までに時間があるので、ゆっくりと食事をする事にした。
食事に関しては前と変わらず、好きな時に好きなものを食べてかまわないそうだが、かわりに試合前にマジックアイテムで体を調べられ、場合によっては薬や魔法の効果を打ち消すための薬を飲まされる事があるそうだ。もちろん、指示に従わなかった場合は即失格となる。
まあ、普通の材料で調理した物ならそんな事にはならないそうなので、心配する事は無いそうだ。
テーブルの上に食事の準備をし始めた頃、丁度第一試合が始まったようで外から大きな歓声が聞こえて来る。
「たしか、第一試合から前回の準優勝チームが出て来るんだったな」
そんな事を呟きながら俺は食事の準備を続けた。見に行かなかったのは、相手にあまり興味が無かったし、それ以上に、先程から俺の横で食事の準備を見つめている四つの目のプレッシャーが強かったからだ。
プレッシャーを受けながら準備をしたのは、おにぎりに味噌汁、卵焼きに漬物だ。
おにぎりの具は魚のほぐし身に梅干し、漬物はキュウリやナスの浅漬けだ……王都に来て知ったのだが、これまでコマイと呼んでいた物はどうやら地方での呼び方だそうで、普通は梅と呼ばれている……と言うか、前世の呼び名でも通用する物が多いそうだ。
コマイの名を広めた人物はどうやら転生者、それも日本人らしく、小さい梅の実を見て「こんまい梅」と言ったのが、どうやらコマイ梅となり、最終的にコマイになった、とナミタロウが言っていた。
しかもややこしい事に、俺がコマイを知った村の名前が『コマイ村』であり、その村の梅干しの事を『コマイ漬け』と呼ぶ事があるらしい……その事もナミタロウに教えて貰った。
ナミタロウと言う存在が分からなくなる出来事だった。それ以来、俺は梅干しと呼んでいる。
「テンマ」
「何だ、ナミタロウ?」
壁にかけてあったバッグから、ナミタロウが顔を出して俺の名を呼んだ。
「ドンマイ!」
……たまにナミタロウは、俺の考えを読んだような事を言ってくる……しかも、そのほとんどが、俺をイラつかせるような発言である。
俺は静かに立ち上がり、ナミタロウをバッグの奥まで押し込んだ。そして、出てこられない様にバッグを閉じて、肩ひもでバッグをぐるぐる巻きにした……ナミタロウの出番までこのままにしていよう。
幸いにも、ナミタロウ以外は外に出ているので、特に問題は無い。
そのまま食事を始め、スラリン達には軟らかく煮たすじ肉を出してやった……時折、壁のバッグが動いていたようだが、気のせいだろう。
食事の準備が調ったところで、闘技場の方から大歓声が聞こえて来た。どうやら勝負が着いたようだ。
開始から決着までおよそ20分といったところか?チーム戦の一・二回戦では大体この位が平均的な試合時間だそうだ。
「判定までもつれなかったか」
実はチーム戦には制限時間が存在する。これは、最大で10人が入り乱れて戦うチーム戦では、闘技場を二分割して戦わせるには少し狭いので、一回戦は30分、二回戦は45分、準決勝は一時間と決められており、決勝のみが時間無制限となっている。
そのため、完全な防御重視のチームはあまりいないので、試合展開が早くなる傾向にあり、派手な攻防が行われる事が多いので、結果的にチーム戦が一番盛り上がりやすい。
過去には、本選への出場チームを16から8にして、一試合辺りの制限時間を増やそう、と言った提案もあったそうだが、チーム数が多い方が盛り上がりやすく、試合時間が短い方が派手になり、経済効果が高いだろうという理由から、これまでチーム数が変わる事は無かった……と、財務局のトップから聞いた。
判定は、主審と4人の副審が旗を使って行い、引き分けは無く、必ず勝ち負けを決めるようになっている。
過去に数例だけ審判の不正があったため、現在では王様が直々に審判を任命するようにしており、不正を行った審判は最悪の場合、国家反逆罪を適用される事もあるらしい。厳しい厳罰がある代わりに、審判には褒美として祭りが終わった後で、名誉爵が授与されるそうだ。
「おっ、次の試合が始まったみたいだ……ってアグリのチームか」
一瞬見に行こうか迷ったが、アグリのチームなら負けないだろうと思い、そのまま食事を続けることにした。
食事が終わる頃には第三試合が始まろうとしており、アグリのチームは予想通りの圧勝だったようだ。
元々アグリのチームはバランスが良く、高いレベルでまとまっているので心配はしていなかったが、それでも知り合いのチームが勝ったと聞いた時は安心した。
問題は二回戦で当たる事になる前回の準優勝チームであろうが、いい勝負になると思う。だが、相手のチームは聞いた情報によると、一回戦をフルメンバーで戦った訳ではないそうなので、残りのメンバーが気になるところだ。
第三試合は、ほぼ互角のチーム同士の戦いだそうなので早い決着は無いと思うが、その次の試合がサモンス侯爵のチームなので、速めに自分の試合の準備をしておいた方が無難であろう。
侯爵達の相手は後衛が多いそうなので、ガリバーの活躍が見ものになるだろう。
食後の運動を兼ねたストレッチを行いながら待っていると、観客達の大きな歓声が聞こえた。どうやら、第三試合が終わって第四試合が始まるようなので、俺達も闘技場の近くへ移動した。
入り口の近くに移動すると、俺達は係員からチェックを受けた。チェックと言っても、休憩中に何を口にしたかを聞かれ、石板の様なアイテムの上に両手を乗せただけなので、大した時間はかからなかった。
チェックの終了直後に第四試合が始まり、ガリバーが勢いよく走り出したのが見えた。
鬼兵隊の対戦相手は、前衛が戦士二人に後衛は弓兵は二人と魔法使いが一人であった。
いきなり突っ込んできたガリバーに前衛の二人は驚いた表情を見せたが、すぐに一人が盾を構えてもう一人が斧を構える。後衛の弓兵は前衛の頭越しに矢を放つが、ガリバーは手に持っていた棍棒で全てを叩き落としている。弓兵に挟まれた位置にいる魔法使いが詠唱を始めるが、詠唱が終わるよりもガリバーが盾の前衛を弾き飛ばす方が早かった。
ガリバーの横殴りの一撃を受けて、盾の戦士は後方に転がって行った。転がって行った先には魔法使いがおり、魔法使いは自分の方に転がってきた戦士を躱すために詠唱を止めてしまう。
後衛をかばう様にもう一人の戦士がガリバーの正面に立つが、勝負はここで決まってしまった。
彼らはガリバーの迫力に、これがチーム戦である事が頭の中から抜けてしまったようだ。斧の戦士がガリバーの陰に隠れていた騎士達に気付いた瞬間、騎士達はガリバーの後ろから盾を前面に構えて飛び出し、後衛に向かって行った。
そこからは一方的であった。何せ、戦士はガリバーに抑え込まれ、弓兵は距離が近すぎる為に短剣を抜いて構えたが、騎士に対抗できずにたたき伏せられ、魔法使いは詠唱の短い魔法を放って騎士の一人にダメージを負わせたが、連発できずに他の騎士の体当たりで目を回してしまった。
斧の戦士はガリバーにまだ負けてはいなかったが、かなりの劣勢であった上、後衛が全滅してしまったので降参してしまった。
「ガァアアアァァァーーー!」
予想以上の圧勝劇に、一番興奮していたのはガリバーであった。興奮のあまり、腕を振り回しながら吠えている。
いきなり吠え出したガリバーに、観客はもちろんの事、慣れているはずの騎士達でさえ驚き、自然と距離を取っていた。
吠えるガリバーを見て、手を叩いて喜んでいるのは確認できるだけで二人である。
一人は主人であるサモンス侯爵であり、もう一人はなぜだか知らないがルナであった。
ルナは王族専用の席から身を乗り出すようにして拍手しており、後ろでティーダが落ちない様に必死になって支えていた。
ルナの拍手が引き金となったのか、驚いていた観客達から歓声と拍手が起こり始めた。
その中を堂々と引き上げていく鬼兵隊のメンバー達。俺のいる所とは反対側なので顔を合わす事は無かったが、サモンス侯爵はガリバーの活躍を見せる事が出来て喜んでいるようだ。
「オラシオンの皆さま、入場をお願いします」
闘技台から前の組が居なくなったのを見計らって、係員が声を掛けて来た。声を掛けて来たのは、朝の検査で俺の担当した係員だった。
「行くぞ!」
俺はバッグの中に待機していたスラリン達を外に出し、シロウマルとソロモンの首輪を外した。
「へっ?」
首輪を外したとたん、体が大きくなったシロウマルとソロモンを見て、変な声を出して固まる係員。
反対の出入口からは、対戦チームの『竜撃隊』が観客にアピールをしながら出て来たところであった。
(悪いけど、ソロモンの踏み台になってもらうぞ)
俺はこれから起こるであろう、見物人達の反応を想像しながら歩き出した。
ようやくソロモンが試合に参加するので、タイトルに『完全稼働』と入れてみました。
追記、感想につきまして。
読者様の感想はすべて読ませていただいております。
ただ、話の展開の関係などもございますので、最近では返信を控えさせております。
申し訳ありませんが、ご了承ください。