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第5章-4 大会開始

「只今より王家主催、『戦勝祈願御前武闘祭』の開会を宣言する!」


 闘技場に、シーザー様の開会を告げる言葉が響き渡る。

 それから少し遅れて、闘技場を揺るがすかのような歓声が、観客席や闘技場に並ばされている参加者の間から沸き起こった。

 しばらくの間その歓声は続いたが、シーザー様に変わって王様が立ち上がり手を軽く上げると、歓声は徐々に収まっていった。


「皆が待ちきれないのもよくわかる。今回の大会は過去最高の人数が参加する為、その分見ごたえのある試合が増えるであろう。余も今から楽しみである。そして参加者達よ!これまで培ってきた自身の力を存分に発揮せよ!栄光をその手で掴むのだ!」


 王様がそう締めくくると、またも大歓声が沸き起こった。

 その後簡潔に説明が行われて、一旦参加者は解散となった。

 現在は午前10時頃、この後11時頃から個人戦の予選が行われる予定で、個人戦参加者以外は闘技場から去ったり、観客席に上がっていった。


 俺を含む個人戦参加者は、全部で650人を超えているそうで、去年より200人近く増えたそうだ。

 その参加者達は全員が控え室に入ることができないので、予選参加者全てを公平にする為に闘技場の外で予選の組ごとに集められて待たされるのが恒例となっているそうだ。


 本選に進めるのは最大32名、その内前回の大会で準決勝まで進んだ4名にシード権(予選免除)が与えられている。

 ただし、今回は入賞者の一人が怪我で辞退した為、予選から最大29名が本選に進む事ができる。

 しかし、予選を突破できるのは一組につき最大2名までとなっていた。これだと予選で人数を調整するのがややこしくなる為、今大会より特別ルールとして、予選の一組に限り本選出場者を3名とする、と決まったそうだ。

 これまでは辞退者が出た場合や、予選で2名が本選に進む事が出来ずに定員割れが起こってしまった時などは、本選でシードを作ったりして調整していたそうだ。


 そして、俺は運がいいのか悪いのか、3名が本選に進む事のできる組に振り分けられた。

 今大会の個人戦には俺の知り合いからはジンとガラットが参加していたが、三人とも予選の組がかぶることは無かった。山賊王も俺達とはかぶってはおらず、俺の組のひとつ前で登場する。

 

 予選の組の数は全部で14組ある。予選は会場を分けて二組の同時進行で行われ、俺の組は最後の登場となっていた。ちなみに、ジンは最初の組でガラットは俺の組と同時進行する組に振り分けられていた。

 振り分けられた人数は、俺の組以外が45人で俺の組だけが65人だ。

 組の近くには常に係員がついており、ルールの確認や質問等を受け付けている。

 予選のルールはと言うと……


 1、試合開始までに規定の場所に来ない者は失格。

 2、同じ組の参加者以外に故意に攻撃を仕掛けた場合は失格。

 3、場外に落ちると失格。

 4、審判により試合続行不可能と判断されると失格。

 5、失格者に故意に攻撃を仕掛けると失格。

 6、死亡すると(・・・)失格。

 7、審判の指示、または命令に逆らうと失格。

 8、武器、防具以外のアイテムの使用不可。ただし、バッグ等のアイテムは使用可能。

 以上が基本的なルールとなるが、正当な理由があってルールを守れなかったと認められた場合のみ例外となるそうだ。

 他にも細かいルールはあるみたいだが、とりあえず気をつけるのはこれくらいである。


 

「おっ!いたいた。お~い、テンマ~!」


 俺の組の集合場所で休憩していたら、近くの組にいたガラットに声をかけられた。


「久しぶりだな、テンマ!」


 ガラットが大きな声で俺を呼んだので、同じ組の連中が俺を注目していた……注目といっても、記念に参加するだけのガキが一人いる、みたいな目をしていたが……直接絡んでこないので無視しよう。

 そんな周りの目にガラットも気がついたみたいで、同情するような目をしていた……周りの連中に。


「何と言うか……テンマを初めて見る奴らの決まり事だよな。馬鹿にして痛い目を見るまでが……最も、痛い目を見るのは本物の馬鹿か二流以下の奴らだがな」


 ガラットは俺にだけ聞こえるくらいの声で呟いている……まあ、俺の組には本当の意味での実力者がいないみたいだからな。仕方がないから、ガラットのお望み通りの展開になるように心がけよう。


「それで、ガラットの方はどんな感じなんだ?」


「ん?ああ、強そうな奴はちらほらいる程度だ……問題は一昨年の準優勝者がいるから、そいつがどう動くかが鍵になりそうだな」


 一昨年の準優勝者と言っても前回の大会で本戦の1回戦で負けた人物だそうで、ガラットとはそんなに実力差が無いそうだ。


「それでも実績があるからな……最初に何人かが殺到するだろう。それをキッカケにして乱戦が始まると思う」


 ガラットの作戦としては、最初の乱戦をなるべくダメージを負わずに切り抜けて、後は出たとこ勝負!と言う、作戦と言うにはお粗末な物ではあるが、ある意味バトルロイヤルの正しい戦い方とも言える。


 そんな事を話している内に、最初の本選出場者が決まったと係員が知らせに来たようだ。


「おっ!どうやらジンの奴は、無事に勝ち抜いたようだな!」


 係員がジンが本選に出場したと言っており、それを聞いたガラットはなんだか嬉しそうだった。


「ジンの組には魔法使いが少なかったみたいだな。いたとしても、最初の乱戦で集中的にやられたかだな」


「まあ、並の魔法使いなら、魔法の詠唱を終える前にやられるだろうからな……あくまで、並の(・・)、だけどな」


 そんな事を言いながら俺を横目で見ているガラット。

 その間にも、係員は本選出場者の名前を読み上げている。

 周りの反応からすると、どうやらジンを含めた本選出場の4人は前回の大会でも本選に進んでいたようで、いわば順当勝ちのようであった。


「俺も負けてられないな!お互い頑張ろうぜ!」


 少し興奮しているガラットは、俺にそう言い残して自分の組へと戻っていった。



 後半に出場する組の者は、自分の組が入場する前までなら自由にしていいという事らしいので、適当に近くの屋台を巡ったり試合を見ていたりして時間を潰し、日がだいぶ傾いた頃にようやく俺の組に声がかかった。


「最終組の参加者は会場脇の通路にお集まりくださ~い」


 係員に通路まで呼ばれると、その場で並ばされ名前を確認されて会場の中へと案内された。もちろん遅刻者などは一人もいなかった。


「ではこちらでお待ちください」


 案内された先は、闘技台を覗く事のできる控え室のような所で、丁度前の組の試合が始まったところであった。

 一つの組は様子見から始まり静かだが、もう片方の組は開始早々に乱戦となり、何人かの参加者が宙を舞うように吹き飛ばされていた……参加者を吹き飛ばしているのは『山賊王』だ。


 山賊王は、大きな斧を相手に叩きつけるようにして敵を蹴散らしており、圧倒的な強さを見せつけていた。

 その為、自然と山賊王の周りには空間が出来上がり、誰も山賊王に戦いを挑もうとはしなかった。


 山賊王が一歩前に踏み出すと、周りの参加者達は二歩三歩と下がっていき、ある種の硬直状態が出来上がってしまった為、しまいには観客席からブーイングが起こり始めた。

 一向に向かってくる気配を見せない参加者達に業を煮やした山賊王は、その体格からは想像できないほどの速さで正面の相手に詰め寄り、斧の一撃を食らわせて数人まとめて場外へと吹き飛ばしてしまった。

 それにより、消極的になっても最終的には間を詰め寄られてやられてしまう、と言った雰囲気が周りの参加者達から漂い始め、合図があった訳ではないが残りの参加者全員が同時に山賊王にかかっていった。


 参加者達は数の暴力で山賊王を倒そうとしているみたいだが、恐怖に駆られてまともな連携も取れない烏合の衆など、所詮は山賊王の敵ではなかった。

 烏合の衆は山賊王の斧のひと振りで数人ずつ人数を減らしていき、最終的には全員(・・)が場外へと吹き飛ばされてしまった。

 その様子は、まさに死屍累々、といった感じだが、闘技台の上にただ一人立っている山賊王からは、まさに王の風格とも取れる雰囲気が漂っており、観客を魅了していた。


「そこまで!」


 審判も山賊王の迫力に押されたのか、終了の合図を出すのが少し遅れていた。

 審判の合図を聞いた山賊王は、闘技台を一人悠然と降りて闘技場内の控え室へと引き上げていった。


 そのすぐ後で、今の試合において山賊王しか本選の出場資格が認められないと審判より報告がなされ、本選の定員割れが決定した。

 観客席からは割れんばかりの拍手喝采が山賊王へと送られたが、今だに同時進行をしていた組は戦っており、先程の山賊王のものと比べてパッとしない試合であった為、観客席からは、さっさと終わらせろ、的な雰囲気が漂い始め、その組の参加者達は大変やりにくそうであった。

 結局その組を勝ち抜いたのは、大会初参加者と本選初出場の青年であった。


 前の組の決着がついたところで、いよいよ俺の組が闘技台の上に呼び出された。

 闘技台に上がる時に、ちらりと王様達がいる席を見てみると、そこには王家の方々が勢揃いしており、財務卿の横には車椅子に座っているミザリィさんもいた。


 そのまま視線を動かして貴族席のところを見てみると、なぜかそこにじいちゃん達の姿も見えた。

 そこにはじいちゃんやジャンヌ、アウラだけでなく、プリメラに三人娘もいた……おそらくはプリメラの持つ、『サンガ公爵家』のコネでも使ったのであろう。


 それ以上は観客席を観察する時間がなくなってしまった。闘技台の上にランダムで参加者達が配置されていき……


「予選最終組、試合開始!」


 審判の声が響いた。

 俺の最初の相手となったのは、すぐ後ろにいた全身鎧の大柄な男だった。

 男は俺を最も倒しやすい相手と判断したらしく、策も無しにただ突っ込んできた。


「どりゃー!えっ……」


 ただ突っ込んで来るだけの男に対して、俺は相手の踏み出した足が地面に着く前に、その足をローキック気味に払った。

 その結果、男は簡単に転んで軽く混乱していた。

 男が正気に戻る前に、俺は相手の両足を脇にはさんで力任せに振り回した。


「ぶえっ!ごわっ!おぇっ……」


 俺は男に『ジャイアントスイング』を仕掛けながら乱戦模様となりつつある中央部に徐々に動いていった。時折、スイングに巻き込まれた参加者が吹き飛んでいたが、俺の武器と化している男の鎧は中々の業物のようで、多少のへこみ等はあるが大きな歪みや壊れてしまった箇所などは見当たらず、非常に優秀な武器になっていた。

 

 さすがにジャイアントスイングをしながらでは中心部の参加者達に気づかれてしまったので、思い切って武器()を投げ捨てることにした……中央部に向かって。


 俺から解き放たれた全身鎧の男は、さながら大砲の弾のように飛んでいき、逃げ遅れた中心部の参加者達をボーリングのピンのように弾き飛ばした。

 その隙に俺は中心部へと飛び込んだ。中心部は皆が全身鎧の男から逃げたために、ポッカリと空間ができており、その空間に飛び込んできた俺を周りの参加者達は呆気にとられた顔で見ていたが、急に俺を睨み出して一斉に襲いかかってきた……が、


「凍れっ!」


 俺が闘技台の表面をスケートリンクのように凍らせると、飛びかかってこようとした参加者達は滑ってしまい、その場で尻餅をついていた。


「ダウンバースト!」


 続いて俺を中心にした下降気流(ダウンバースト)を発生させた。さすがにそのまま発生させただけだと、俺もダメージを食らってしまうので、俺の所だけは魔力調整を行って被害が出ないように工夫している。

 ダウンバーストと闘技台を凍らせた効果で、徐々に参加者の体が場外の方向へと動き出した。

 参加者達は必死に踏み止まろうとしているが、氷の上ではろくに踏ん張る事も出来ずに全員が闘技台より滑り落ちた(・・・・・)


 その結末に唖然とする観客に審判団。しかし、一番何が起こったのか理解できない(したくない)のは参加者達だろう。何せ、全員が闘技台から落ちてリタイアしたとは言え、その殆どは大した怪我もなく、今からもう一度戦えるくらい元気なのだ。


 そんな中で俺は今だに闘技台の上に一人で立っている。今だに審判からの終了の合図が出ない為に、勝手に闘技台から降りる訳にはいかないのである。

 いい加減合図を出して欲しかったので、俺は審判団では無く、王様達の方に目を向けた。

 俺の視線に気づいた王様がゆっくりと立ち上がり……


「審判!試合終了である!」


 と審判に伝えた。

 審判は王様の言葉で我に返ると、急いで終了の合図を出した。


 それを聞いて俺が闘技台から降りようとすると、三人の参加者が審判に文句をつけ始めた。


「ふざけるな!俺はまだ戦えるぞ!」


 文句をつけている者の内、豪華な鎧と大剣を装備した一番偉そうな男が叫び始めた。


「あんな結果が認められるか!」

「何かズルでもしない限り、あんなガキがあれほどの魔法を使えるはずがないだろうが!無効だ!こんな試合は!」


 男の脇で叫び出した、これまた豪華な鎧を装備している二人の男。

 しかし、俺は無視をして闘技台を降りていった。降りたところで、後ろの方より男達から罵声が聞こえたが、気にせずにそのまま控え室の方に歩いて行った。




「おいっ!あのガキが逃げるぞ!捕まえろ!」


 一番最初に文句を付けだした男が、周囲の参加者達に向かってそう叫ぶが、他の参加者達は冷ややかな視線を送るだけで動くことは無かった。それどころか……


「衛兵!あの三人を捕まえろ!御前武闘祭を汚した罪人である!」


 いつの間にか王族の席より下へと降りてきていた軍務卿……ライル・フォン・ブルーメイル・クラスティンの引き連れてきた衛兵により、三人の参加者はすぐさま身柄を拘束された。

 その時に衛兵に対してかなりの抵抗をした三人は、衛兵達に取り押さえられた際に攻撃を加えられてしまい、縛り上げられた時には気を失っていた。


「この試合で負けてしまった者達の中には、奴らのように……とまではいかなくとも、納得のできない者もいるであろう。しかし、それを含めてそなた達が未熟であり、あの者が一枚上手だっただけの事である。これを教訓とし、次の機会には油断無きよう全力を尽くすのだ」


 ライルは戻り際に、先程の試合の参加者達に声をかけた。参加者達もこのような試合(バトルロイヤル)ではこう言った結末がある事を理解していたようで、その場に膝をついて頭を垂れていた。


 観客達はライルの迅速な行動に拍手を贈り、そのついでといった感じではあるが、敗れて闘技場を去っていく参加者達にも拍手を送っていた……しかし、もうひと組の試合はまだ続いている。


 観客達が、テンマの行動、三馬鹿の騒動、ライルの手際に注目している間に、もう一つの組では参加者が三分の一以下にまで減っており、後少しで決着がつきそうな気配がしている。

 結局、この組を勝ち抜いたのは、ガラットとベテランの冒険者であった……



「ふぅ~……テンマの援護(耐性)があって助かったぜ!」


 俺のだいぶ後から控え室に入ってきたガラットが、開口一番にそんな事を言いだした。

 どうやら、ガラットの組ではかなりの間様子見が続いていたのだが、俺の放った魔法を見て何人かの参加者が驚き混乱した事が他の参加者へと伝播してしまい、その結果なし崩しに乱戦に突入。しかも、混乱状態での乱戦であった為に、ほとんどの参加者は実力の半分も発揮する事が出来ずに敗退していったそうだ。

 それが何で俺の援護へとつながるのか?と聞いてみると……


「はぁ?だって、テンマだったら何をしたとしてもおかしい事なんてないだろ……急に反対側でデカイ魔法が二発連続で起こってみろ、大抵のやつは驚いて混乱すると思うぞ。その発生源の事を俺はあの中で一番知っていたからな。混乱せずに実力を出せたのさ」


 元々ガラットはあの組の中では有力な一人だった為、周りが実力を出せていなかったのなら順当勝ちではあるのだが……なんか釈然としない。

 そんな俺達の所に係員がやって来て、これからの事を話し始めた。

 簡単に言えば、本選出場おめでとうございます、本選の組み合わせは当日の朝に行います、遅れずに来てください、である。

 その事を聞き終わった俺とガラットともう一人の本選出場者は、さっさと控え室から出ようとしたのだが……


「あっ!テンマ選手だけは少しお待ちください」


 と名指しで引き止められた。

 そんな俺を横目に、ガラットは、ジン達が待っているから先に帰るな、と言って出て行き、もう一人は何も言わずに帰っていった。


「何か用事でしょうか?試合の事なら不正はしていませんが」


 俺の質問に、係員はすごい勢いで首を横に振り否定している。


「いえっ!不正だなんて事はこれっぽっちも疑ってはおりません!ただ、先程の試合を見た何人かの貴族の方が、テンマ選手と会わせろ、と言っておりまして……その為の対策をすると上の方から通達がございましたので、少々待っていただきたいのです」


 との事だった。俺は別に貴族を振り切るくらい造作もないと言ったのだが、それは困る、と係員が涙目になっていたので、少し控え室で待つ事にした。


 待つ事およそ10分程だろうか。俺のいる控え室にその対策がやって来た(・・・・・)


「対策とはお二人の事でしたか……早速お願いします」


 俺はその二人と共に、出口へと向かっていった。




 その頃の出口付近では……


「あのテンマとか言う小僧は随分と遅いな……」

「男爵様、まだ試合が終わってあまり時間が経っておりません。恐らく大きな魔法を使ったので、少し休憩をしているのでしょう」


「あいつもテンマとかいうのを狙っているようだな……男爵のクセに、わしより先に声を掛けるつもりだな」

「落ち着いてください旦那様。あの者が先に声を掛けたとしても、旦那様の方が爵位は上なのですから、悠然と構えた上でテンマとやらに声をかければいいのです……実力があると言っても、所詮は経験の浅い若者です、男爵よりも子爵である旦那様に声をかけていただく方が喜んでついてくるでしょう」


 などと下級貴族達が自分の従者と話している。そこにいた貴族達は最近王都にやって来たのであろう。そうでなければ自分の派閥の貴族仲間から、テンマの噂くらいは聞いているはずである。

 

 そんな貴族達の前にテンマが出口から姿を現した。

 貴族達がいる所からは、テンマの横に居る人物が見えにくいらしく、その上この場にいる他の貴族を出し抜こうと、テンマにしか注目していなかったのが災いしてしまった。


 貴族達はテンマの所へと我先に駆け寄り、そして……


「この無礼者どもがーーー!」


 テンマの隣の人物に一喝されてしまった。

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